58話 三人ときめく?と命名?オークキングは?
守護騎士団長メータチヤ・ガリヤーロウの一件で直ぐに終わったオーク討伐の後、何処に転移したのかと思えば、リーンの森だった。
「お前達はいつまで抱き着いているのだ?戦闘中だ!切り替えろ!」
「で、ですが、ヒ、ヒサ様がいけないのですわ!格好良過ぎですわ!と、トキメいてしまいましたわ!じんじんムラムラですわ!」
「そうだぴょん!ご主人様格好良過ぎぴょん!胸がチンチンぴょん!」
「ワカバもご主人様にメロメロにゃん!大好きにゃん!」
シルフィ、ウサミ、ワカバはあの戦闘を思い出す度に胸をときめかせていてまだ熱が下がらないのだが、やはりヒサの言う事は絶対なので、ウサミとワカバは、少しして離れた。が、シルフィは離れない。
「シルフィ。」
“ちゅっ”
ヒサはシルフィの顔を少し離してからウサミとワカバに分からないように軽いキスをした。
「ん。もう一回だけ!」
“ちゅっ”
今度はシルフィからキスをした。
漸く離れたシルフィにウサミとワカバがガン見する。
「うーわー。シルフィお姉ちゃん、何してるぴょん?」
「そーだー。シルフィお姉ちゃん、何してるにゃん?」
ウサミとワカバの前でキスをした事にウサミとワカバがシルフィに物申す。
するとシルフィは、
「あ、あのね、そのね、な、何でしょう?え?ウサちゃん!ワカちゃん!そんな目で見ないで!」
「で、でもウサちゃん!シルフィお姉ちゃんは私達よりずっと大人だから許してあげようよ」
珍しくワカバが標準語でシルフィを庇った。
「う〜。ウサミもぉ。うぅ。ウサミも大人になるぴょん!ワカちゃんも頑張るぴょん!」
「分かったにゃん!ウサちゃん!頑張るぴょん!」
二人の友情は限りなく深くなった。
ヒサはシルフィに近付き小声でシルフィに話し掛けた。
「シルフィ。せっかく俺がウサミとワカバに気付かれ無いようにキスしたのに……」
「ご、ごめんなさいですわ。何だか止まらなくなってしまったのですわ」
「これからどうなる事やら・・・」
ヒサは今後どうなるか想像が出来なかった。
ふとヒサはパーシリ男爵邸から貰った短剣を思い出した。
「ワカバ!ちょっと追いで」
ワカバは直ぐにヒサの所に来た。
「なんにゃにゃん?」
ヒサは手を翳すとヒサの手には綺麗な金色の短剣があった
ヒサは抜剣し、剣身を見て、もう一度短剣を鑑定する。
武器 《雷の短剣》
製作者 カジャートン・トーンダ
[詳細]
雷の加護を持つ精霊に愛されし短剣。
短剣の柄と鍔は雷を薔薇の様に巻き付いているのが精霊に大人気。
だが短剣に認められし者が持たない限り加護を使う事は無い。
今までの使用者は殆どが女性だった。だが、最近の持ち主は少し否、かなり気になっている。
「ワカバ!お前にこの短剣を譲ろう!今のワカバなら使える筈だ!雷の短剣の名前じゃあワカバらしく可愛く無いな。今からお前の名前は、雷薇だ!雷が細かく巻き付くように柄の部分と鍔を巻いている。薇は緑に関係していて若葉にピッタリだ。」
ヒサが名付けた瞬間短剣が緑に光そして直ぐに消えた。
そして、
『我が主様。名付けて頂きありがとう御座います。我が名、雷薇は主様に仕えたく存じます。』
騎士風の女性の声が聞こえ挨拶をして来た。
(ん?済まないが、俺では無くあの子ワカバが雷薇を使う)
『主様!誠にですか?』
(あぁ。誠にだ)
少し雷薇は、考えて
『左様ですか。主様のご用命なら致し方ありません』
「ワカバ!今日からお前の短剣、雷薇、だ」
「あ、ありがとうございますにゃん!嬉しいにゃん!」
『我が名は、雷薇。ワカバ殿これから宜しく頼みます。』
「はいにゃん!雷薇さん!一緒にご主人様と戦い、みんなを救うにゃん!」
『おぉ!ワカバ殿は、主様をお慕いしてるのだな。しかも世の為に力を振るいたいと!我が名雷薇は、ワカバ殿を気に入りました。これから頑張りましょう!」
「はいにゃん!雷薇さんと頑張るにゃん!」
と、ワカバと雷薇の話は終了した。
(うーん。何故だ?確か他の者が作った物は命名出来なかった筈だが?うーん)
【ヒサ様。ヒサ様がワカバちゃんへの思いが短剣の思いと短剣がヒサ様を気に入り命名が発動したんだと思います。】
『久二郎様。理沙の仰る通りだと思います。やはりあの短剣、久二郎様を見る目が有りますね。傲慢な者が久二郎様に暴言を吐いた日には消し炭にして参ります。おほほ。じょ、冗談で御座います。』
緋里が話に入ってきて雷薇の印象と、危なかっしい事を言い、誤魔化した。
「そ、そうか。それは俺も雷薇も良かった話だな。よし!オークキングを倒すぞ!」
それにヒサは驚きつつオーラキングの討伐を切り出す。
「え?今からですか?居場所は……あっ!マップですね!」
「そうだ!元凶の元を倒さねばまたオークやらの大群が群勢を引き連れてやって来るからな」
「分かりましたわ!女の敵ですから私も頑張りますわ!昔の友人の仇を何回でも立たせてもらいますわ!」
ヒサのオークキングとオークの残党を討伐の危険度を言うと、何やら過去にシルフィは友人がオークと何か合ったみたいで、気合が入る。
「蒼守!ウサミ達も頑張るぴょん!」
『はい!ウサちゃん!雷薇なんて新人に負けていられないわ!ウサちゃん頑張るわよ!』
「ワカバも頑張るにゃん!雷薇宜しくにゃん!」
『ワカバ殿頑張りましょう!何かあの短刀凄い怖いのですが……。ワカバ殿大丈夫ですか?』
「大丈夫にゃん!ウサちゃんはとても優しいにゃん!だから大丈夫にゃん!」
『何かワカバ殿が頼もしく思うです。やはり主様の選んだ人ですね!』
ヒサを筆頭にヒサと理沙と緋里と話し、ウサミと蒼守が喋り威圧で雷薇の新人教育がされており、そしてワカバが雷薇で宥め、蒼守からワカバに助けられる雷薇だった。
その影で一人寂しくしている人がいた。
「わ、私も愛剣という喋る相方が欲しいわ!グスン。」
と一人寂しく、誰かとは言わなくても分かるが、こっそり願うが、ヒサは叶えてくれるのだろうか?
そうしてまだ倒していないオークキングを、ほったらかしにしてに時間が過ぎていった。
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