45話 リカイダ不動産
今日はこれで投稿を終了します
明日は20時と22時の予定です。
ヒサのいない所で色々と決まっているのを知らないヒサは、拠点目的の屋敷を買う為、街に転移していた。
街の目立たない裏手に転移したヒサは、何食わぬ顔で街の大通りに出て歩き始めた。
「さてと、家を買う所は何処だ?」
「えっと、ヒサ様。不動産屋でしょうか。そこなら色々とあると思いますよ。」
「なるほど、なるほど。ふむふむ。では、そこに行くか」
(おい!理沙不動産屋とは、何だ?)
【え?えっとですね。家とか土地の売買する所です。それではえっと、評判の良い不動産はっと、ここですね。ヒサ様マップに案内図書きました。イーエウ・リカイダさんのリカイダ不動産がいいでしょう。リューゲルで評判が良い所です】
(分かった。ありがとう。理沙)
【いいえ。何時でも、何時でも、お声をお掛け下さいね!】
(わ、分かった善処する)
ヒサは、理沙との話を終えて道順を変えた。
「ふむ。なんだがな、こっちの不動産のが言いらしいからこっちに行くぞ。理由は、今日の夜にでも話そう」
「はい。ヒサ様。やっとヒサ様の秘密が知られるのですね。嬉しいですわ。うふふっ♪」
「なにぴょん?「なにゃんにゃん?」」
「何でもないさ。それよりリカイダ不動産に行くか」
ヒサは、疑問に思っているウサミとワカバの頭を撫でてリカイダ不動産に向かうのだった。
(うーん。ワカバよ”なんにゃんにゃん”とおかしくないか、まぁ、可愛いから良いけどな)
ワカバの言葉を考えながら歩いてゆくとリカイダ不動産と看板を掲げた店が見えた。
「結構大きな店だな。」
「ヒサ様不動産屋とは色々と土地の売り買いや土地を持っているのですわ。景気に合わせて売買に変化を齎したりとしているのですわ。今はヒサ様のお陰で景気が上昇気味ですわ。少し遅い買い物だったかも知れませんわ」
「ん?俺のお陰でか?うーん。ワイルドチキンとホーンラビットを狩っているだけだが?もしかしてそうなのか?」
「はいですわ。ワイルドチキンとホーンラビットの肉が安く買えるようになって色々と仕事が回るようになっていますわ。最近は、女性に黒のコートが売れているみたいですわ。」
「は?それって俺らの黒のコートじゃないか?最近良く見るんだよな。おっと、こんな所で立ち話してたら通行の邪魔だな。入るぞ」
最近ヒサ達の活躍と恩恵が街に知れ渡りヒサに憧れと、女性達がシルフィみたいになればヒサに声が掛かるかと思い、女性を中心に黒コートの売り高を上げているのだ。
ウサミとワカバは、マスコットになっており中年層に大人気で密かにウサちゃんを可愛がり隊とワカちゃん愛で隊が影で活動してるらしい。
閑話休題
ヒサ達はリカイダ不動産に入った。
「ふーん。立派な家?店舗か?店?だな。」
「いらっしゃいませ。今回はどのようなご用件ですか?」
モノクルを付けた紳士な男が手揉みしながらヒサの元に寄って来た。
「ん〜。貴族街以外で大きな家が欲しい。出切れば鍛冶場付きがあればそれが良いがな」
「ふむ。ありますが、ご予算はいかほどでお考えでしょうか?」
「ん?取り敢えず白金貨十枚位か?」
「は?いえ、失礼。分かりました。こちらの部屋にいらしてください」
ヒサの白金貨十枚に、少し吃驚したが直ぐに落ち着き上客だと思い応接室に招き入れた。
「お客様そちらにお座り下さい。自己紹介がまだでしたね。私、イーエウ・リカイダと申します。今資料お持ちします。」
「俺はヒサだ。よろしく」
ヒサ達が座った途端言葉を残して応接室から出て行った、代わりに女性が入りお茶とお茶請けを持って来た。
無言で無表情な女性は、テキパキ紅茶をいれお茶請けを出し、無言で応接室から出て行った。
「うーん。不味くは無いが俺には少し合わないかな?うーん。慣れかな?」
「ウサミは好きかもぴょん。このお菓子美味しいぴょん」
「ワカバはうーん。野菜ジュースかなぁ。これも美味しいにゃん。お菓子も美味しいにゃん」
「私はどちらも好きですわ。ですがやはりヒサ様が好きなみどり茶が良いですわ。」
ヒサは、みんなそれぞれ好きな物は有るんだなと思うが、シルフィよ俺と同じがいいとはお前は子供か、と思うヒサだった。
ヒサ達がそれぞれ思い考えているとリカイダは、応接室に入って来た。
「寛ぎの中済みませんが、屋敷なのですが、今は、こちらしかご要望の屋敷は御座いませんでした。」
(ふーん。でどうなんだ理沙?)
【そうですね。色々と有りそうですが、確かに鍛冶場のある所はリカイダさんの言う通りですね】
「分かった。その資料見せてもらえるか?」
「どうぞ、こちらです。良かったら案内も致しますので。その屋敷は、鍛冶を営んでいたのですが、ある貴族の要望を聞き入れなかったので、嫌がらせなどでこの街から出て行きました。残念な話です。私の友人でした。」
ヒサは屋敷の広さや鍛冶場の広さを見て中々良いのでは思っていた。
「シルフィも見てくれ。そしてリカイダさんこの後案内頼む。それと屋敷の値段は幾らだ?」
「ヒサ様。良い屋敷だと思いますわ。後は、値段かしらね」
シルフィの言葉の後にリカイダを見るヒサとシルフィ。
「そ、そうですね。白金貨七枚でどうでしょうか?」
(どうだ?理沙?)
【ヒサ様。少し相場より高い気がしますが、良いのでは無いでしょうか。】
(ふーん。分かった)
「シルフィはどう思う。」
「うーん。相場がいまいち分からないので何とも言えませんが、良いのでは無いでしょうか」
「なら良いかな。案内頼む」
ヒサは理沙にも聞いたが、シルフィにも聞いて頼むが、ヒサは何も分からなかった。
「畏まりました。今馬車の準備を致しますので少々お待ちください。」
「分かった。ん?ウサミお茶欲しいのか?」
「何で分かったですぴょん?欲しいぴょん」
ヒサはウサミが食べ足りなくお菓子箱を物欲しそうな顔をしていて、少し涎が出ているのが見て分からないはずが無かったのだが不思議そうな顔しているウサミに言った。
「ん?ウサミの声が聞こえたんだよ」
「凄いぴょん!流石ご主人様ですぴょん」
因みにワカバは、ウトウト眠そうにしていた。
その話を聞いてリカイダは苦笑いをして言った。
「お持ち致しますので少々お持ちください。」
するとまた同じ女性がテキパキと無表情でお茶とお茶請けを出して去って行った。
そして匂いに釣れられてワカバが起きて飲み食べていた。
それをヒサとシルフィはリカイダが来るまで、温かい目でウサミとワカバを見ていた
その頃お茶を淹れお茶請けを出した女性、その名はコロン。はというと。
一人応接室外を出た給湯室で、
「凄く格好良いい人に、可愛らしい子が二人に、美人なエルフ様にドッキドキでした。ふぅ。また、会いたいですね。格好いい人は、たしかヒサ様と言ってらしたわね。チェックね」
密かに、お茶出しの為に入った女性コロンに、色々と思われていたヒサ達だが、コロンはヒサ達に緊張の余り無表情になっており、そのうえ密かにチェックされたヒサだった。
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