39話 誘拐された二人
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ヒサがワカバが攫われたと聞く前、ヒサ達がワイルドチキンとホーンラビットを討伐した後、ヒサはウサミとワカバを遊びに行くのを送り出した所から始まる。
「ご主人様行って来まーすぴょん!」
「ご主人様行ってきますにゃん!」
「おお!行ってこい!仲良く遊べよ!」
ヒサは友達が出来て嬉しそうなウサミとワカバを見送った。
「ワカちゃん今日は何して遊ぼうかぴょん?」
「そうだにゃ〜クーアちゃん、足が悪いからにゃあ。そうにゃ!お絵描きするにゃ!」
「お絵描きぴょん?」
「そうにゃ!好きな物、好きな人、描くにゃ!」
「ぴょ!良いぴょん!とっても良いぴょん!大好きなご主人様描くぴょん!」
「にゃ!そうと決まったにゃらば!早くクーアちゃんの所に行くにゃ!」
「ぴょん!行くぴょん!早く行くぴょん!」
ウサミとワカバは、足の悪い友達クーアちゃんと遊ぶ為に、遊びを考えながらクーアちゃんの家に向かっていたが、お絵描きの内容が決まった途端にウサミは驚愕と歓喜し、それをワカバが決めたらウサミは大賛成して、急げや急げでクーアちゃんの家に急いで向かった。
「ウサミちゃん、ワカバちゃん今日も元気だね!このリンゴロンあげるよ!持ってけ!」
「ありがとうぴょん!「ありがとうにゃん!」」
シルフィの野菜大好きテリトリーは、ヒサ達は有名人でウサミとワカバが通るといつも誰かしらから、果物やお菓子を貰っている。
それと足の悪いクーアちゃんが、一人寂しくしてたのを知ってる者がたくさんいて、だった一人の家族のクーアのお姉ちゃんは、クーアを養う為に頑張って冒険者をしている事も知っているから、クーアが寂しいのを我慢してる所を見ていていて、そこで最近ウサミとワカバが遊んでくれるのを知って、とても嬉しく思っている暖かい街の人達だった。
街の人達に声をかけられ、色んな物を貰いながら貧民街の近くの家に着いた。
「クーアちゃん遊ぶぴょん!おうち入るぴょん!」
「お邪魔しますにゃん!今日も遊ぶにゃん!」
ウサミとワカバは、玄関で声をかけるが、返事を待たずそのまま入る。
勝手知ったるなんちゃらである。そもそもクーアちゃんは足が悪くて動けないので仕方がないのだ。
そしてウサミとワカバは、ズカズカと家に入りクーアちゃんのいる所に向かった。
「クーアちゃん遊びに来たぴょん!さぁ!お外に行きまぴょん!ご主人様描くぴょん!」
「にゃ!ウサちゃん!まずは、果物とか食べるにゃん!遊ぶと食べるの忘れるにゃ!」
「そうだったぴょん!ごめんねクーアちゃん!許してぴょん!」
「ニャハハ♪全然大丈夫だよ♪」
クーアちゃんそっちのけでウサミとワカバが喋りだしクーアちゃんに笑われてしまった。
どうもある程度大きくなると語尾に“にゃ”や“にゃん”を付けないみたいだ。まぁ例外はあるらしいが。
三人は世間話、否、ウサミがマシンガントークしていた。
「ご主人様がね!でっかい鶏にぼーでバシ、ドスとやってるのカッコ良かったよ!」
「その後ね!でっかい兎を今日は何時もより早く倒せてご主人様に褒められてなでなでしてもらったの!」
「今日もいっぱい頭なでなでしてくれて嬉しかったよ!」
「んーとね後は〜、今日もご主人様!格好良くて素敵で優しくてね!幸せなの!」
今日のウサミの出来事をヒサの事を中心に話していた。
因みにウサミが言った”ぼー”とは木刀の事で、ヒサはまだウサミとワカバでは逃げる前に倒せないので、木刀で弱らせていた。
ウサミのマシンガントークが治まり、聞いてたクーアが答えた。
「す、凄いのね、ウサちゃんのご主人様は!あ、憧れるわ!羨ましいわ!私も冒険したい!あっ!な、な、何でもないよ!」
ウサミの興奮して“ぴょん”も語尾を付けずに話す話をクーアちゃんが聞き、ヒサの凄さを知るよりも、ウサミとワカバの冒険話しを聞き。いつもいつか冒険者になりたいと憧れていて、羨ましくなり、いつもは言わない願望を口にした。
クーアの話を聞いたウサミとワカバは、
「気にしなくもいいにゃ!夢や希望は、捨てたら駄目にゃ!いつか足治るにゃ!」
「そ、そ、そうだぴょん!ご主人様なら治せるよ、きっとぴょん!」
ワカバはともかくウサミがフォローする珍しい光景が見えた。
「ありがとう!ウサちゃん、ワカちゃん!嬉しいよ!」
気遣ってくれたウサミとワカバに少し涙目になりながらお礼と感謝を言った。
「クーアちゃん、うーん、クーちゃん!これからクーちゃんね!お外にお絵描きに行くぴょん!」
「そうだにゃ!でっかい夢や、好きな事や、好きな物描くにゃ!きっと元気になるにゃ!」
「う、うん!お絵描きにする!」
ウサミとワカバの提案にクーアちゃん改めクーちゃんが賛成し、でっかい絵を書く為外で書く事にしたらしい。
一番力が有るウサミがクーちゃんをお姫様抱っこをして家の外に出た。
ウサミは優しくクーちゃんを地面におろし、三人はお絵描きをした。
ウサミは、宣言通りウサミなりに格好良いヒサを描いた。
ワカバはヒサとワカバが楽しくしている所を描いていた。
クーちゃんは、やっぱりお姉ちゃんを目標なのか、憧れているのか、それともクーちゃん自身の考えで冒険者になりたいのか知らないが、その思いを絵にしていた。
自分の冒険者の恰好をした冒険者の絵だった。
「ワカちゃん、クーちゃん、おトイレ行って来るぴょん。クーちゃん借りるぴょん」
三人は、満足しながら描いていたが、ウサミがトイレに行きたくなり、クーちゃんの家にワカバとクーちゃんに言ってからクーちゃんの家のトイレに入った。
そしてウサミがトイレに行っている間の事だった。
「はぁ。チックショ!あのヒサってガキのせいで騎士に摑まって、何とか知り合いのパーシリ様に助けてもらったが、もう冒険者になれねぇし、表にも出れねぇ!糞がっ!」
「落ち着いてくださいケトーガさん!ん?あの猫獣人、ヒサって言うガキの連れている奴じゃ無いですか?ケトーガさん!」
「ン?そうだな!フフン!やつを捕まえよう!そしてパーシリ男爵様に献上しよう!あの珍しい髪の猫獣人とあの普通の猫獣人を連れてけば、何かを優遇してくれるかもな」
「そっすね!やったりましょ!」
「おう!お前は、あの普通の猫獣人捕まえて気絶させろ!」
「俺は、あの珍しい猫獣人を捕まえる!」
「分かりました!ケトーガさん!」
「よしいくぞ!」
「はいっす」
ケトーガとその下っ端は、ワカバとクーちゃんを捕まえてバーシリ男爵に献上される事になった。
静かにケトーガと下っ端は、ワカバとクーちゃんに近付き捕まえた。
「何するにゃ!離せ!離すにゃ!ぐぅっ!」
「離して!離してよ!ぐぅっ!」
ケトーガと下っ端がお互い、ワカバとクーちゃんを捕まえて腹を殴り気絶させた。
「よし!ずらかるぞ!」
「はい!ケトーガさん!」
ケトーガと下っ端はそそくさとこの場を立ち去った。
それからスッキリしたウサミがワカバとクーちゃんのもとに戻るとワカバとクーちゃんがいなかった。
「スッキリしたぴょん。え?はしたない?何で蒼守?もっとおしとやかに?うーん。分かったぴょん。ワカちゃん、クーちゃん、お待たせぴょん!んー?何処に行ったぴょん?ワカちゃーん!クーちゃーん!何処にいるのー!」
ウサミがトイレから外に出ると蒼守にガミガミ言われるが、余り気にせずワカバとクーちゃんを呼ぶが、いなかった。
二人を探すがいなかった為少し離れた近所に来た。
「おじさん!ワカちゃんとクーちゃん見なかったぴょん?」
「ん〜。見てないな!どうしたんだい?」
「ワカちゃんとクーちゃんがいなくなったの!」
「ほんとかい?みんなに俺は聞いてくる!ウサミちゃんは、余り動かないでくれ!」
「分かったぴょん!」
クーちゃんの知り合いのおじさんがみんなに聞きに行ってしまったあとウサミは待っていると。
「あら!ウサちゃん!どうしたのこんな所にいて?帰らないの?アレッ?ワカちゃんは?」
冒険者の依頼が終わって帰ってきた、クーちゃんのお姉ちゃん、ニアにウサミは話しかけられた。
「んとね!ワカちゃんとクーちゃんがいなくなっちゃったぴょん!おじさんにみんなに聞いてくるって言ったぴょん!ウサミ待ってるぴょん!」
「何ですって!いついなくなったの?」
「さっきぴょん!クーちゃんのお家のおトイレにウサミが言ってる間にいなくなっちゃったぴょん!えーん!」
「だ、大丈夫よ!まだそんなに遠くに行って無いはずよ!私も探すから安心して!」
ニアはウサミを慰めてからワカバとクーちゃんを探しに行った。
そして一部始終聞いて見ていた蒼守がウサミに予想を言った。
『ウサちゃん!どうやらワカバとクーちゃんは、攫われたと思う。だからね。早くヒサ様に相談した方が良いわ!』
「え?ほんとに?攫われたなんて!うん!ご主人様なら絶対何とかしてくれる!早く行かなきゃ!」
ウサミは蒼守から言われて納得したらヒサにワカバとクーちゃんが攫われた事を言う事にした。
そして素早く速くヒサがいるであろう宿屋に走った。
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