13話 洞窟の中
転移した場所は、ゴブリンの集落だ。ヒサは、転移が上手く行って、ホッとしていた。
「ご主人様、真っ暗で、気持ち悪いぴょん」
「ワカバは、大丈夫にゃん!ふふん」
ワカバはウサミに、どーだっと、無い胸をはった、否、少し胸あったな。それに対して、ウサミは苦し紛れに
「だ、だ、大丈夫だもん、全然、へーきぴょん!」
「ふーん、にゃら、一人で、行けるかにゃん?」
「いいいい行けるもん、全然恐くないぴょん」
といつまでも言い合っているからヒサが二人に、
「だったら、二人で待つか?」
その言葉を聞いたら、「「嫌、(にゃん)(ぴょん)」」ってヒサの両腕に、一人づつ抱き着いた。ヒサは両腕を引き離し、一人づつ二人を抱え込むと、マップを出してから、走った。
(理沙、道案内、頼むよ。今から助けに、行く子は大丈夫か?)
【ヒサ様、久しぶりに、話す気がします。分かりました!行き先に、線、引きますね。この道なら真っ直ぐ行けば着きます。】
(分かった、ありがとな。)
お礼を言いつつ線を引かれた道を走った。腕の中二人は嬉しそうにしていた。夜なのに、モンスターにも、獣にも会わず、目的地に着いた。着いた場所は洞窟だった。二人を下ろし周囲を、見渡して何も無いか確かめたが、無いので理沙に聞いてみた
(理沙、洞窟に助ける子いるのか?)
【はい、います。一番奥にいますね。光魔法の光で照らしてください】
(分かった、ありがとう)
「ライト」
ヒサが唱えたら、光のボールが浮かび上がって、周囲一面が、明るくなった。ヒサは、明るいなって、思った。しかし、普通の魔法使いだとここまで明るくなかった。
「明るいにゃん♪」
「凄いぴょん!これで恐くないぴょん」
(ウサミよ恐かったんだな)とヒサは思った。そして洞窟に向かった。
「良し、行くか俺の後ろに着いて来いよ」
「「はい(ぴょん)(にゃん)」」と行って背中のローブを掴んだ。
そして洞窟の中に入ると、光の照らす先には長い道があった。マップで見て、確かめたら一本道だった。
ヒサ達は、光の照らす先を歩いた。そこらかしこに、骨や果物の食べかすやらが、散乱していたがモンスターらしき気配もなく、静かに歩いていると。
「何かここ気持ち悪いし、寒いにゃん」とワカバが普通の声で言って、その声を聞いたウサミが、
「びっ、吃驚したぴょん!大きい声出さないでぴょん!」とウサミが足を震わせながら、言った。
聞いたヒサは、(ウサミよ、お前の声のが大きいぞ)思った。のんびりゆっくり歩いていると、骸骨やら骨やらゴミ以外何事も無く、突き当りに着いたら広い空間があった。
「ここにジェネラルゴブリンが居たのか。えーと、ジェネラルゴブリンが溜め込んでたものはどこにあるんだ?捕まっている人はどこだ?」と思ったら、理沙が
【恐らくここにいたと思います、人なのですが、溜め込んだ宝の奥に人がいます。隠し扉でもあるのでしょう。鑑定で分かると思います】
(なるほどな。その人は宝の価値がある人間らしいな。早く助けないとな。)
「行くぞ、更に奥にお宝が有るみたいだ、しっかりついてこいよ」
「はいにゃん!」
「は、は、は、はいひょん」
「ひょん?」と思わずヒサが言ったら、
ウサミが泪目で見てきた、察しろ、とでも言いたいのか分からんが、取り敢えず、一撫でしたら、今度は、ワカバまで意味も無く、上目遣いで見てきたので、一撫でしてから、歩いた。
暫くしたら、武器やら貴金属やら服やら多種多様な物があった。ウサミとワカバは、キラキラした物に、走って行った。現金な二人だなっと、思った。
取り敢えず、選別せず、ヒサの近くのものから収納して、貴金属やらを減らして行った。
二人は貴金属やらを、じっくり見てたが、ヒサがどんどん消して行くのを見て「凄いにゃん」「凄いぴょん」と言って、ヒサの近くに来て、ヒサの後に貴金属やらを消していくのを、見て着いてきた。
ここにあった物全て収納して終わったら
「ご主人様凄いにゃん」と言ったら、ウサミが「当たり前ぴょん!ウサミのご主人様だもん!凄いのは当たり前ぴょん!」とある胸を強調しながら胸を張ったら「ぐぬぬぬ」と悔しがっていた。ヒサは、何をやってるだ、お前ら、と思いながら辺りを見渡し、隠し扉の仕掛けを、探していた。
(鑑定、鑑定、鑑定、鑑定、etc…)と鑑定しまくっていたら、当りがあって目の前まで行くと岩に偽装した鞠ぐらいの玉が、見えた。もう一度、鑑定してみると。
《封珠》
アーティファクト 神が作った。と言われている。作成者は消されている。
結界の装置。常人には見えない、見つけて触っても、触った瞬間、周囲の人の記憶が消え、見つけた事を忘れる。
効果 封印。大事な何かを、隠す為に使う。使えば、永久に封印される
(おいおい!やばくね!やばい人が、封印されとるんじゃないか?おい!理沙やばくないか?)
【ヒサ様、私には大丈夫だと思うのです。私の感がそう言ってます】
(はぁ、理沙の感ね。取り敢えず、触って見るか。常人には、記憶が消えるだけだからな。)
「おい、二人共、俺から離れていろ、何が起こるか、分からない事するからな」
「何するにゃ?大丈夫にゃん?」
「は、離れません!死ぬ時は一緒ですぴょん!
「大丈夫なんだがな。記憶が、少し消えるだけだ。じゃあ触るぞ!」
触った瞬間、眩い光が辺り一面に光り、ヒサ達は、あまりの眩しさに、目を閉じ、光と共に洞窟内からヒサの姿は消えた。




