Candy-Ball
溶けますか?とろけますか?
むしろ、少し、弾けませんか?
きっと、うだるような暑さの中。
固い、硬い器に守られているのに。
だからこそきっと、その熱を外に逃がすことができなくて。
毎夜毎夜、その思いが固まっては。
夜毎夜毎、寝ている間には溶けて。
右の耳から入って、左の耳に抜けていく。
目の前を通り抜け、一周していくその熱。
通り過ぎる時に、さっと、殻の中を焼いていく。
それは、きっとカラメル色。
ぱりぱりとして、平べったく、薄っぺらい想い。
明日の朝まで起きていられたら、それはきっと、煮詰まった思い。
明日の朝まだ覚えていたら、それはきっと、重曹みたいにしけった白。
いいじゃないか。
ぐるっと丸めて。
しけった重曹で周りを覆う。
カラン。
放り込んだ口の中で、全部、泡となって消えていった。
跡形もない、飴玉みたいに。
あれ、それは飲み薬?