14/19
-Wish witch, herdesire.-
君は笑い、嗤い、哂う。久々に出会えた自らの半身と、そして「新たな自分」を見つけられたから。
『ふふふ……これで魔女は望みを果たせるよ。あいつの縛りから解放されるよ』
おいおい駄目じゃないか、あいつなんて呼んだら。仮にも君の――だろうに。
君は永遠にも等しい時間を過ごしてきた部屋の、小さなベッドに腰を掛ける。くあぁ、と大きく伸びをする姿は、まるで幼い子供のようだ。
そして君は、ばたんとベッドに倒れこむ。
『久々に、あんなに動いたよ。……全然疲れてないけど』
おやおや? そう言う割には顔色が悪い。これ以上力が落ちたら、あまり良いことは起こらないだろうね。
これは歴代の魔女たち全員に当てはまるけど、君たちはどうにも敵を作りすぎる。戯れも程ほどにしなければ、いつか――、
『分かってる! 少し、静かにしなよ』
あらあら。君がそんなに大きな声を出したのは、久しぶりの事だね。
僕はどうやらおしゃべりが過ぎるところがあるようだ。すやすやと寝息を立てる彼女を起こしてもいけないし、そろそろおいとまするとしようか。
嗚呼、今日も、世界を縛る理は愛おしい。