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『許さぬぞ』

 その言葉が暗闇に放たれたとき、かの魔女の口元からは笑みが消えていた。

『許さぬぞ。魔女はそなたを許さぬぞ。そなたの胸に深く刻まれた願いを、傲慢さを、魔女は永久に許さぬぞ』

 少年は理解することが出来ず、ただただ目の前に忽然と存在する恐怖に身を震わせていた。絶対的な恐怖と向き合ってから、何度も逃げ出そうとした。しかし彼の両足は恐れという言葉に縛られ、ほどけることは無い。

 魔女はゆっくりと手を下ろし、彼の闇夜に輝く美しい金髪に触れた。

『そなたは今宵より、この世界の理から省かれた存在――季節の外れ子と、なるのだ』

 魔女の右手は、まるでこの世のものとは思えないほど、酷く冷たかった。

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