携帯越しの会話
どうも、藤森です。
今回で2話目です。頑張ります!
ブブブブブ……
携帯のバイブが鳴っている。目をこすりながらサブ画面を見ると、そこには
「朝日奈遥都」
どうやらメールらしい。受信トレイをみると確かに、遥都からのメールが来ていた。今は午後6時。確か梨音が遊びに行ったのは4時頃だったはず。とりあえずメッセージを読むと
「梨音、莉佳って子とは楽しかったか?明日は絶対俺と遊べよ。まさか一回遊び断ったんだから、なんか奢ったりしてくれるだろ?」
くだらないメールだ。それに梨音はまだ帰ってきていない。返信はどうしようか……。
「梨音はまだ帰ってきていない。それにこの通り携帯を忘れていった。帰ってきたら連絡するようつたえておくから、それまでおとなしく待っていることだ。 美桜 」
私たちが携帯を共同で使っていることは、周りには秘密にしている。それは、高校生にもなって携帯を姉妹で、……なんて誰が聞いても恥ずかしいから。パートの安い給料で何とか切り回している母のためにと、私が言い出したことなのだが、この生活はきついし、何より不便だ。
「はあ……。」
数学の問題を解いているうちに寝てしまったみたいだ。母も梨音も帰ってこない。……なんて、そんなことはどうでもいい。なぜだかとてもだるかった。 少し休もう。 そう思い、毛布を掛けて横になったときだった。
ブブブブブブ……
「たあだいまぁ~!」
空気の読めない奴らだ。
「おかえりなさい。遅かったけど、どこに行っていたの。」
不機嫌な私は、仏頂面で聞きながら、携帯をいじった。遥都からのメールだ。
「そっか。教えてくれてサンキューなっ!」
なにもありがたく思われるようなことはしていない。だから、「ありがとう」を意味することばに、不覚にも顔を熱くしてしまった。
「カラオケに行ってただけなんだけど、途中でナンパされて……。だから、まえに美桜姉に教えてもらった『ナンパ男撃退法』で、つま先かかとで踏んで逃げてきたから、ちょっと遠回りになっちゃったの。」
「そう、つかまらなくてよかったね。」
そんなことも心から妹を心配して本気で言ったのだが、顔を赤くしたことがばれなくてよかったと、見当違いなことも考えた。
結局、また更新しちゃいました。これからもよろしくお願いします。