感情の交差
しばらく開けてしまって
申し訳ありませんでしたm(_ _)m
ペース戻したいと思います。
ち……ちょっと待ってよ……?
うわ、私 顔超熱い…!
今は何もしてないじゃん。
何でこんな心臓バクバクうるさいの…。
梨音が出て行ってから20分たった今も、私は携帯を両手に持ち動けずにいた。
いや、でも……、
メールなんて来るのか分かんないし、わた、私だってこんなに構えてる必要ないんじゃ…。
ていうか!
大丈夫だ!
たかだかメールで緊張するなんて、そんな人いない。
普通にポケットに入れて、勉強して。
受信したときだけ内容を見て、返信すればいいだけ。
そもそも私、前に一回遥都にメールしたことあったじゃない。
梨音も、私の文面で送っていいって言ってたし……、
前回と同じように素で送ればいいんだ。
紅潮する頬を鎮ませ、また火照り……、その度遥都に向けての想いが強くなる。
特に何をしたわけでもないのに活発に動く心臓を抑えるため、深呼吸をしたその時、
ブブブブブ………。
携帯が私の手の中で震えた。
それは、私だけが知ることの出来る音……。
そう考えると、小さな携帯の震えもけたたましく鳴り響いているように思えた。
そっと携帯を開けると、
『新着メール一件 朝日奈遥都』
早く見たい衝動に掻き立てられながらも、ゆっくりと受信メールを開く。
『今 何してるー?』
たったそれだけ。
遥都は、このメールを送った相手が梨音だと思っている。
だから、この内容に余計ショックを受けた。
彼らは付き合っていて、だからこそ用もないのに他愛もないことで会話出来る。
それがどうしようもなく羨ましくて、それと同時に、付き合っている人がいる相手を好いてしまった私が憎たらしくて……、泣いてしまいそうになった。
『家にいる。特には何もしていない。』
素っ気なかったかもしれないが、返信した。
メールで、相手の顔が見えなくても、何故だか心境がばれてしまいそうな気がして。
少し落胆した私は、参考書を取り出して、勉強を始めようとした。途端、
またメールを受信した。
『それ、みい姉みたい(笑)……ってそうだ! みい姉普及強化月間なんだっけ(^o^)ウケるなw ……いっけね! ……笑える話だ。」
私の話題だ……。
遥都が今、どんな顔をしているか気になる。
私のことを話題にして、どんな表情をしているのか、すごく気になる……!
それもすごく気になるんだけど…………、
『美桜姉普及強化月間』って何だー!
そういえば、さっき梨音が言っていた。
一応スルーしてたけど、スルーしてたら分かんないじゃん。
遥都に聞いてみる……?
いや、ダメだ。
遥都とメールとはいえ、あくまでも梨音の振りという名目での事なんだから。
さり気なく……、質問とは思えないような感じでいけば……、
『何故、普及月間を開始したのだったっけ?』
…………。
これ……、さり気ないかな……?
まぁ、これならギリギリ返してくれるだろう。
送信をして、傍に携帯を置く。
そして、もう一度参考書に目を落とす。
しばらく返信が来なかった。
どうしよう……。
私だってばれたかな…?
そりゃ、遥都からすれば不自然な問い……、愚問だ。
もう少し慎重に考えれば良かった。
自分の愚かさに後悔していると、それを待っていたかのように携帯が震え始めた。
恐る恐る受信されたメールを見ると……、
『お前って底意地わりーのな。あんな恥ずいこと、何回も言えるわけねーじゃん。あれが、最初で最後の告白ですよー(-_-)」
答えは、書かれていなかった。
その代わり、二人の間に割り込んだ私には分かるはずもない返事が返された。
遥都とメールするってことは、梨音の存在を強く認識させられること。
それってやっぱり、辛い……。
『ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったんだけど……』
適当に話を合わせた。
なんだか、さっきまでドキドキしていた自分がアホらしくなってきた。
とっても疲れていた。
「はあ……、」
少し……というか、かなり楽しみにしていたのに。
物憂げになっただけではないのかな……。
すると、携帯が光っていて、いつのまにかメールを受信していた事に気づいた。
『あやまるなって。俺があやまんなきゃいけない立場なのに。むしろ、感謝してるよ(^_^;)気遣いしてもらって。 ていうか、このゲームも最悪なタイミングだよなー。俺が言うのもアレだけど……。
この強化月間だってさ、みい姉が人間っぽくなってきて、よく笑うし……。
結果的に得してるのはいつも俺で……、こんなこと照れて、目の前でなんて言えねーけど。
今度、何か奢ってやるよ。じゃあ、また明日な(^_^)v』
思ったよりロングメールで、戸惑った。
内容が皆目見当つかない、ということもあったのだが。
私が人間っぽいなんて、当たり前じゃない。
人間なんだから……。
気づかずに笑みがこぼれてしまう。
何でだろうね。
「……ふっ………どうして……」
どうして、梨音なの?
どうして、私の妹なの?
そう心で尋ねながらも同時に思ってしまう。
梨音だから、諦めなくちゃいけないって分かるんじゃないの……?
そんな理屈を並べても、どうこうなるわけじゃないんだ。
“好き”って感情は、口で言ったってどうにもならない。
心が勝手に、そう認識しちゃうから。
だから、怖くなってしまう。
………、それより先を、望んでしまう自分が。
ただ、話して、笑って……。
そんなんじゃ、足りないの。
もっと欲が出てしまって。
きっと私 今、思い通りにならなくて、すごく嫌な顔してる。
そんな私を、知らないで欲しい。
そして、やっと気づいた。
零れたのは、笑みだけじゃなかったと言うことに。
温い。
頬を伝うのは、どうしようもなく情けない涙だった。
笑顔にして。
不安にさせて。
泣かせて。
また笑顔にして。
……そして、また泣かせて……。
どこまで私を掻き乱すの………?
………。
楽しいはずだったメールなのにね。
かぶった毛布のすそが涙で濡れて冷たくなっていた。
ふう。
なんだか短いでしょうか?
焦り焦りですいませんm(_ _)m