プロローグ
それは今から何十年か前のこと。科学が進み、生活がよりよくなっていたある日のこと。
戦争のない国も少しずつ増え、きっとこれからは平穏な日々が続いていくのだろうとほとんどの人が心のどこかで感じていた。
しかしいつもと同じ日常が続いていたこの日、状況は一転する。
未確認生命体の襲来。
小さいものでも三mはあるだろうその巨体が突如空に現れたとき、人々は驚愕した。
生命体たちの容姿は統一されてなく、何種類かに分かれていた。しかし人を見るなり無差別に攻撃を始めるところは同じだった。
これにはどんなに頭の回転が悪い者でもすぐさま理解できた。
やつらは人間の敵であると。
そして人々は絶望した。
自分達はこの化け物たちに勝てるのだろうかと。
最初の襲来こそは既存の兵器や軍の投入でなんとか撃退できた。しかし、二回目以降は生命体の数も増え、敗戦することが多くなった。
そのおかげで多くの国が壊滅的な被害を受け、死傷者も少なからずでた。
そこでこの謎の未確認生命体に対し、どの国の政府も緊急対策本部を設置、世界共通の名称として「アグレッシン」と名づけた。
ただアグレッシンの影響で、終わることのなかった戦争が停戦したのは不幸中の幸いだったと言える。
さらに各国はアグレッシンに対抗するために、最新の技術を駆使して製作した特殊武器『ブレイカー』を製作する。ブレイカーを扱う者を育成するための教育機関も創設した。
そして人々はブレイカー使用者たちのことを、願いを込めこう呼んだ。
復讐する者。
そして時は流れていき、現在。人とアグレッシンの戦いは未だに終わりを見せなかった――。