第1話 「小山家にて」
小山[どうぞ、上がってください]
閑静な住宅街に立ち並ぶごく普通の一軒家、昔ここでゲンガーによる事件など無かったと思わせるほどに....
荒木[普通...ですね]
三田[ですね...もっとなんかあるんじゃないかって..]
小山[あはは、ただの民家ですよ?それに、この家はもう私しか住んでおりません]
三田[え?他の家族は?]
小山[あー、自分が高校生の時突然いなくなっちゃって..]
荒木[突然...?]
小山[いやぁ、学校から帰るのが遅くなってしまった時があって。21時くらいだったかな、帰ってきた時には家はもぬけの殻でした。]
荒木[なるほど....]
三田[ゲンガーの記事とか散々見た後に聞くと..]
荒木[ゲンガーの仕業としか思えなくなっちゃいますよね]
小山[特に荒れた形跡も無かったんですよね]
[ み つ け た ]
!?
三田[え..?いまのみつけた..って誰が言ったんですか?]
小山[い、いや..自分ではないです]
荒木[私も違います..]
ドッ!
天井を突き破り、そこに居たのは..
荒木[なっ...!]
荒木ゲンガー[みーつけた、俺の本体]
荒木と全く同じ姿をしたドッペルゲンガーだ
三田[まずい!]
小山[荒木さん...!]
荒木[万事休す...なんてな?]
荒木ゲンガー[あ?]
荒木[3年前、鹿児島でゲンガーによる事件が起こったのだが....]
荒木ゲンガー[それがどうしたってんだ!]
荒木[その記事はなぁ..こう書いてあるんだよ。”ゲンガーは殺せる”ってな]