第一話 日常の終わり
おはこんばんにちは!イニティウムラムネです。
今回は主人公登場です。
ぜひご覧ください!
2170年、東京。
この街は再開発から80年が経つ今でも景色があまり変わっていないという。
なんでも、未来都市開発の構想は何度も出たそうだが、そのたびに激しい反対運動にあって立ち消えになったらしい。
とにかく、この街は休むことなく忙しく回り続けている。そして僕 - 藤堂碧斗は、リュックを背負って出かけるのだった。
いつものように高校に行き、授業を受け、そして帰る。それは何も変化のない、ある意味平穏で、そして退屈なものだった。
そう、あの秋の日、あの公園に行こうとするまでは。
その日一日を終え、高校の正門を出て、駅へと向かう。
道中には横断歩道があり、赤信号で立ち止まる。
そして、横断歩道が青になった瞬間、キーン、となにか音がした気がした。
どこから鳴ったのだろうと周囲を見回しても、特になにもない。他の人達は何事もなかったかのようにしている。
(...疲れたのかな、今日は早く寝よう)
そう思いたち、青信号が点滅し始めた横断歩道を渡るのだった。
しかし、音はその後も断続して何度か聞こえた。その度に、少しずつ、導かれるかのように歩いていた。
そして...
(なんで俺はこんなところにいるんだ?)
気がつくとどこかの公園の前に立っていた。
いかにも住宅地の中の公園といった感じだった。夕暮れが滑り台の手すりに反射して眩しい。
一歩公園の中に入る。すると、あの音がまた聞こえた。
(全く... さっきから何なんだ?)
さほど広くない公園の中を歩く。
ふと、ベンチに座る。
すると、またあの音が聞こえた。それもこれまでよりも強く、大きく。
そして、自分の下から聞こえた気がした。
ベンチの下を覗き込んで見る。すると、
(これはなんだ?)
青色の球を見つけた。ダイアモンドのようにキラキラと光っている。大きさは10cmくらいだろうか。
手にとって見てみる。
(落とし物か..?高そうだな)
ふと、周囲を見回してみる。持ち主のような人は誰もいない。
(交番に届けないとか...)
そう思って立ち上がろうとした、その時だった。
いきなり球が光を発し始めた。
(何だ!?)
驚いて思わず取り落としてしまう。
次の瞬間、球は浮かび上がり、より光を発す。
(何だ、これ!?)
そして碧斗の方により強い光を光線のように発す。
(うわっ!)
碧斗は目を隠そうとするも、それよりも早く、光が視界を奪った。
(なんの音かしら)
隣の家の主婦が窓を開けて公園の方を見る。
しかしそこには、夕暮れを鈍く反射する滑り台とベンチしかなかった。
ご覧いただきありがとうございました!
いいとこで終わっているのは仕様です..!
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次回は2022/11/20 正午投稿です。ぜひご覧ください!