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並走

 最終回です。


 最後まで読んでくれた方々。


 ありがとうございます。


 

 その動画はあらゆる動画サイトに垂れ流された。


 夜の闇の中、ライトに照らされた男は腹から腸を出した状態で地面に転がっている。


 左手を踏んで固定されると、ボルトクリッパーで小指を引き千切ぎられる。


 男の悲鳴が夜の闇に消える中、外国語で尋問されると、ダムが崩壊するように喋り出した。


 ご丁寧に日本語で字幕まで付けて流されてた内容に、報道各社はニュースやワイドショーで連日報道していたのだが。


 2、3日するとピタリと報道が止まった。


 朝鮮()でクーデター?指導者が病死か?


 国内で発生した軍部派閥による内戦で、脱北者が国境を超えて南に押し寄せた。


 また漁船を使って直接日本に上陸し、難民申請をする朝鮮()の難民が爆発的に増え、社会問題になる。


 日本に親族の居る難民が優先的に受け入れられる中、若い世代の難民たちが日本に根を下ろした。


 彼らは日本人に人気の無い職場、いわゆる、きつい汚い危険(3K)の現場に入り込み、日銭を稼いでいる。



 大阪の西成は、真夜中からワンボックス車が国道沿いに駐車して労働者を斡旋している。


 ほとんどがヤクザの息がかかった呼び込みで、昼の弁当代や斡旋料をピンハネして儲けている。


 そこに身長が180センチはある大男が割の良い仕事を探していた。


 解体現場のコンクリートのガラ出し(手作業)のワゴン車に乗り込むと、1番後ろの席に着いた。


 同じ朝鮮()出身の労働者に名前を聞かれると。


(マー)


 そう一言名乗ると現場まで寝て過ごした。




 (リン)は外語大学の授業が終わると、急いで住んでいるアパートに向かった。


 ドアを開けて玄関に入ると開口1番。


「ただいまー」


 そう言うと奥の部屋から。


「おかえりー」


 っとヤンの声がする。


 

 (リン)は急いで奥の部屋に行くと、ヤンが数台のパソコンで株の売り買いをしている最中だ。


 椅子に座っているヤンの後ろから抱きつくと(ハグすると)


「ご飯すぐに作るね〜」


 そう言うと台所でパスタの麺を茹で始める。


「今日はどれくらい儲けたの?」


台所から(リン)がそう聞くと。


「三万くらいかな…キリの良い所で止める」


 ヤンが(リン)の所に転がり込んでから、家賃と光熱費はヤンが、食費と雑費は(リン)が払っている。



 昼を食べながらヤンが。


「そろそろベットをワンサイズ大きくしようか?」


 2人で寝るにはシングルはキツイ。


「…うん…」


 顔を赤くしながら(リン)が頷くと、今度見に行こうとヤンが誘った。




 大阪市内の雑居ビルを、不動産屋と客が下見に来ていた。


「ここだと地下鉄の出入り口も近いしコンビニも近くにあります」


 セールスポイントを勧めながら。


「駐車場も地下にありますし、ご商売は?」


 そう顧客に尋ねると。


「朝鮮人参の乾燥した粉末を日本で売っています」


 スーツの懐から名刺を取り出した。


 泉商事 代表取締役  泉 健一。


「3人だけの会社ですが」


 その後、電話や光熱費の話をして、この場所を離れると。


「事務所で手続きして、手付けさえ貰えれば鍵は渡せます」


 不動産事務所に向かう車の中でケンは、他の物件を当たるか考えていた。



 結局の所、日本での表の顔の為のダミー会社なのだ。


 電話番の都合の良い場所で良いだろうと判断して契約した。


 スマホを取り出すとマーとヤンにグループチャットでメッセージを残す。


(ダミー会社の場所を決めた、泉商事で登録する)


 すぐに返信が返って来る。


(いよいよですね!)

(本拠地は、焼き肉が出来る場所が良いです!)


 ヤンとマーからの返信を見ながら電車(JR)に乗ると窓際に移動する。



 ゴリは久しぶりの非番に家族サービスでユニバーサル(U)スタジオ(S)ジャパン(J)行きの電車(JR)に乗っていた。


 新型インフルエンザで閉鎖していた娯楽施設が、人数制限の枠の中で少しずつ日常を取り戻しつつある。


 難波を過ぎてしばらくすると、隣の路線の電車と並走し出した。


 窓際に立って子供達と外を見ていると、並走する電車を指差して娘が目を輝かさせている。


 その時、窓際に居る男と目が合った。


 スーツを着てマスクを付けた男は目元しか見えない、その目元が娘達を見て微笑んだ瞬間。


 奴だ!俺を撃った瞬間、笑っていた目元!


 あの目!間違いなく奴だ!


 そう確信した瞬間、電車が離れて行った。


「ま!待て!」


 思わず車内でそう言った瞬間。


「パパ?」


 不思議そうな顔で自分を見つめる娘、その顔を見た瞬間に我に返った。


「何でもないよ…驚かせてごめん」


 娘の頭を撫でながらもゴリの目は、離れる電車から目が離せなかった。





ーーーーーーfinーーーーー

 最終回です、マーとヤンとケン。


 この3人が気に入ったので、今度はノクターンで機会があれば書きたいと思います。


 自由を満喫する為に、金持ちから金を毟り取る3人の男達。


 泉商事をダミー会社に、海外へ送金して資金を貯める為。


 前回の金を資金に、鹵獲した銃器を武器に。


 3匹の狼達が牙を剥く。


そんな話が書きたい。



それではまた、お会いしましょう。

 

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