間諜
ブローニングハイパワー。
天才的な銃設計者ジョンブローニングの最後の設計と言われる自動式拳銃。
9ミリパラベムを二列弾倉に収納する弾倉の弾数は13発。
延長弾倉で20発は世界初の試みで、世に出た後に世界中の軍や警察で採用された。
また多くの弾を収めているにもかかわらず、グリップは細めで指の短い東洋人でも握りやすい。
北の国では間諜部門の備品として装備されている。
また西側陣営の軍用弾薬として9ミリパラベムは多くの国で流通しており入手が容易なのだ。
背の高い男が右手の親指でブローニングの撃鉄を抑えながら人差し指で引き金をゆっくりと絞るとハーフコックの状態に持っていった。
この場合は再び撃鉄を起こしてやらないとファイヤーリングピンを叩けない為に弾が出ない、安全装置の一種である。
安全になった状態のブローニングハイパワーを背中側のベルトに挟むと、背の高い男が敬礼をしながら。
『マー軍曹であります』
そう自己紹介をして来た。
玄関で靴を脱いで中に入る。
すぐにDKと4人掛けのテーブルが目に入って来た。
右手の扉を開けると2段ベットが2つ置いてあり窓ガラスの向こうはベランダで隣のDKと繋がっている。
反対側の玄関の方はトイレと風呂と扉の付いた部屋があった、マー軍曹が扉をノックしながら。
『ヤン少尉、入りますよ』
そう言って中に入ると空調の効きすぎる部屋の中に複数のタワータイプのパソコンとモニターが見える。
その中に埋まる様にして金髪の髪が見えていた、椅子ごと振り向いた顔は陶磁器の並に白く、女の子かと思える程に童顔で背も低い。
おそらく160センチか165センチくらいで体重も50キロは無いだろう。
パソコンデスクから離れて立ち上がると直立不動で敬礼をする。
『ヤン少尉です、本作戦の情報将校として参加しております』
2人を前に自分も敬礼をすると自己紹介から入る事にした。
『ケン中尉だ、このグループの指揮を取る』
そう言うと2人の顔を見ながら。
『我々の目的は…新型インフルエンザワクチンの変異種に対応した新薬を手に入れる事にある』
この団地の間取りは嫁の実家です
奈良ですよ、あと嫁は日本人です