愛国
休憩と言われて取り調べ室で待っていると腹の空く匂いがして来た。
ドアが開くと、丼を2つもった知らない顔が入って来る。
「カツ丼は食えるかね?」
最近はアレルギーとか色々あるからなぁ、そう言いながら一つを突き出して。
「本当は自費なんだけど、今日は俺の奢りだ」
そう言いつつ、自分の分をガツガツと食べ始めた。
自分の分をさっさと片付けると、お茶を飲みながら。
「お前さん、あれだろ?右翼の三次団体の」
所属している団体の名前を出すと、捕まったチンピラがコクコクと頷きながらカツ丼をがっついていた。
「あそこが在日しか入れない団地だから狙ったのかい?」
在日しか入れない団地は本当に存在する、しかもかなり安い家賃で。
「いや…そういう訳じゃ無いんすけど」
そうかそうかと相槌を打ちながら。
「そうか〜、てっきり在日追放のキャンペーンかと思ってたわ」
カツ丼を食い終えたチンピラがお茶を啜りながら。
「確かに日本を食い物にしてるのはムカつきますけど」
生活保護の不正受給に、安い家賃の専用団地、その他にも不正な身体障害手帳の受給などが溢れている。
勿論、日本人にもいるだろう、しかしチンピラは少しずつ耳を傾けて本音を漏らし始めている。
「しかしあれだよなぁ、三次団体だと協賛金が大変だよな」
上部団体への協賛金、勿論のこと上納金である。
上納金だと犯した犯罪で上が警察に持っていかれる、その為に協賛金と名義を変えてある。
勿論、それで捕まっても上部団体は知らないと言い通す。
勝手にやった事でウチには関係無い、トカゲの尻尾切りだ。
「あの部屋の住人の居場所…わかったら金になる」
兄貴分がそう言ってたんす、チンピラは少しずつ真相を話し始めた。




