遠隔
遠隔操作で団地の中の様子を監視する。
玄関を開けるとヤン少尉のノート型パソコンに通知が来る設定が役に立った。
部屋に置いていたパソコンの電源を入れる様子を見て。
「中身は大丈夫なんだよな?」
そう聞くとヤン少尉がニマニマ笑いながら。
「ハードディスクは抜いてから捨ててあります」
電源が入るタダの箱ですよ、そう言いながら監視カメラの録画に余念が無い。
侵入したのは3人、1番下は10代に見える、派手な服装は堅気には見えない。
家探ししながら動かないパソコンに痺れを切らしたのか、部屋から持ち出し始めた。
「素手でベタベタ触りまくってるな…」
慣れた犯行とは言えない、慣れない仕事を無理矢理やらされてる、そんな雰囲気に見える。
「あいつら玄関の鍵…どうやって開けたんだ?」
次の日、大阪府警、八尾警察署に110通報が入った。
団地のドアが無理矢理壊されていると。
近くの交番から巡査が来て確認した結果、スチールのドアが壊されていた。
鑑識も入り、指紋の採取が進む中で問題が発生する。
「部屋の借主と連絡が取れない?」
被害届けを出して貰おうと管理事務所に連絡した所、部屋の借主と繋がらないと。
詳しく調べた結果、連絡先も電話番号もデタラメだった。
指紋を採取した結果、前科があったので直ぐに身元が割れた。
暴力団の三次団体の構成員でまだ20代、任意で取り調べた所。
「兄貴分から中を調べてこいと…理由は聞いてないっす」
ヤクザの世界では黒も白も無い。
親が言えば子は従う、それだけがルールなのだ。
「部屋の借主は居たら連れて来いと」
そう言われて部屋に入った所、部屋は無人でパソコンだけが残されていた。
「パソコンは中を調べようとしたけど…中身が…」
ハードディスクごと抜かれて後が追えなくなった所に。
「任意でパクられたと…ツイて無いな」
そこまで聞くと一旦尋問を中断、休憩している所に来客が来る。
公安五課の面々が八尾警察署に来ていた。




