錠前
三菱を引き取りに行くと荷台にゴルフバックが2つとキャリーバックが乗っていた。
それぞれカラシニコフと散弾銃。
キャリーバックの中には弩級と矢先がギザギザになった狩猟用の矢。
スリングショットとパチンコの球。
球にはパチンコ屋のロゴが入っている。
「潰れたパチンコ屋からの回収品です」
そう言いながら店員が茶色いマニラ封筒に入った標的紙を渡してくる。
「標的紙はサービスしておきます」
全部で350万円を現金で払うとその場を後にした。
途中でガソリンを満タンにすると馬とヤンを迎えに行く。
ノートパソコンや着替えなどを積み込むと、ホームセンターへ向かう。
錠前やボルトクリッパー、チェーンなどを買うと和歌山へ向かう。
阪神高速から西名阪へ、そして南阪奈道路を通り、終点からは国道を東へ。
山深く狭い林道を抜けるとキャンプ場の入り口に着いた、大阪からは3時間の道のりになる。
蛇腹式のゲートには、錆びたチェーンと錠前がぶら下がっていた。
ボルトクリッパーを使ってチェーンを切る、両手で持ち手を広げると切り口が大きく広がる。
1センチまでの鉄筋も切れるボルトクリッパーは余裕でチェーンを真っ二つにした。
ジャラジャラと音を立てて地面に落ちた、錆だらけのチェーンと錠前を近くの藪に投げ捨てる。
三菱を中に入れてから蛇腹式のゲートを閉めると買って来たステンレスのチェーンと新しい錠前で鍵を閉めると奥へ向かった。
川沿いにテント用のスペースが広がる、所々に水道と薪で飯を炊く施設がある中にブロックで出来た小屋がある。
「ゴミの集積場です、生ゴミ目当てで熊が出没したらしいです」
ネットで情報を漁っていたヤン少尉が言う通り、金網が壊された後がある。
「今でも出るかな?」
馬軍曹が運転しながら小屋をチラチラ見る。
「閉鎖されてからは餌が出ないからな」
山奥に帰っただろう、そう言いながらケンは少し高めの場所にあるバンガローを指差し。
「あそこなら周りが見えやすい、拠点に使えるか調べよう」
その声を聞いて三菱は1番奥にあるバンガローに向かった。




