青森
時間が数時間巻き戻ります。、
青森県警の特殊部隊は刑事部と警備部の2つの部署から人員を集めている。
これは地方の県警などでは良くあるパターンで九州の県警も同じ仕様だ。
大阪や東京などに比べると人員もそれほど多くは無い。
新潟県警、警備課、特殊任務班の小田はオリンピックの強化選手として、選手村に行く準備をしていた。
着替えや愛用の射撃用のグローブなどを鞄に詰め込んでいた時、スマホの着信音が鳴る。
警備課の上司からの電話に出ると。
「出動だ…すまんが選手村は延期だ」
そう言うと返事を聞く前に通話が切れた。
「…マジかよ……」
鞄の中身はそのままに、県警に急ぎ向かう。
付いて直ぐに、会議室に行けと言われて中に入ると、同じチームの警備部や刑事部が揃って待っていた。
会釈しながら座ると、新潟県警の警備部長の話が始まる。
「大阪で起こった、新型インフルエンザワクチン強奪の犯人がここ」
そう言うと一旦、皆を見回してから。
「青森に向かっていると情報が入った」
それを聞いて会議室がザワザワと騒がしくなると、警備部長が机をバンッと叩き。
「静粛に!…これから詳しい内容を話す」
そう言うと机の上の資料を読み出した。
「犯人達が輸送に使っているトラックは、大阪コールド輸送と書かれた4トントラック」
マイナス40度まで冷やせる冷凍車で、新潟から国外に持ち出す可能性が高い。
「その為、特殊部隊のスパイクでタイヤをパンクさせてから包囲する」
なお、大阪府警の刑事が拳銃で撃たれている為、武装している可能性が高い。
「最悪の場合は射撃許可も出す…各員気を付けて行動する事」
その後、会議室から特殊部隊の隊員が出た後。
警備部長が1人の男に話しかけた。
「本当に来るのかね?犯人は?」
話しかけられた男は、必ずと言ってから。
「我々、内調五課がずっと追っていた男が絡んでるんです」
そう言うと、背広の内ポケットから一枚の写真を取り出した。
「顔の無い男と我々は呼んでいます」
伊丹空港から路線バスに乗り込むその男は。
間違い無く、ケン中尉その人だった。




