銃撃
いきなり撃たれた!
ダブルタップで2発の銃声が響くと同時にゴリの腹部に銃弾がめり込む!
防弾ベストに着弾した9ミリルガー弾は、ベストに編み込まれたアラミド繊維により貫通はしない。
しかし弾のエネルギーはゴリの腹部で全て解放される。
腹にヘビィ級ボクサー並みの衝撃を受けてゴリはその場で血ヘドを吐いた。
「ゴフウッ!!」
内臓に衝撃を受けたせいか、血の混じった薄いピンク色のヘドがアスファルトに撒き散らされる!
「ゴリさん!」
そう叫んで愛がゴリの方に向かって駆け出すと、ゴリを撃った男が愛に銃口を向ける!
愛や他の警官がアスファルトに伏せると、男はゴリの側にあったルイヴィトンのバックを持って軽バンの中に飛び込んだ!
愛は男の特徴を覚え込んだ。
170センチ位の痩せ型、目出し帽を被り、紺色の上下の作業服。
そこまで確認した途端、軽バンは急発進すると西へ向かう!
愛は無線で車や男の特徴を報告すると共に。
「救急車を!警官が撃たれました!」
そう叫んでゴリの元は向かうと、腹を押さえながら仰向けでアスファルトに倒れ込んでいた。
「ゴリさん!救急車呼びましたから!」
しっかり気を持って!そう言おうとした瞬間、ゴリが目を開けて叫ぶ!
「糞がぁ!あの野郎!」
そう叫んで愛の方を向くと。
「笑ってやがった…あの野郎…」
撃たれた瞬間、男と目が合った。
目出し帽の目元が笑っていた、まるで。
「遊びしてる途中みたいに…楽しそうに笑ってやがった…」
その時、救急車が到着した、病院に運ばれるゴリが愛に。
「あいつ…絶対に拳銃以外に隠し球を持ってる!」
追跡している警官に連絡しろ、そう言いながら救急車に乗るゴリを見送ると、愛は上司に無線で報告を上げた。