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剣と魔法と特撮ヒーロー!!  作者: 鮭皮猫乃助
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君も一緒に

 テーブルに伏した和人は向かいに座っていた遥と慎太郎に手紙を差し出す形になった。その内容を覗き見た2人は意外そうに和人を見る。


「うっそこれ差出人女の人じゃん、どんな人?」

「へえ、お前にしては意外だな。いつ知り会ったんだ?」


 勘違い甚だしい好奇の質問をしてくる2人に、和人は渇いた笑いを絞り出す。


「ははは……いつって言ったら慎太郎がちゅーした日だよ。これ王女様の偽名……」

「「え?」」


 2人に一瞬目を点にして再び手紙を除き込む。


「クララ・エリステル……クラリス・エル・ステラ……」

「うわぁー……パチもんブランドみたい……」

「だよね……」


 いかにも面倒事が舞い込んできた気配を察する3人に、楽しそうな真琴の声がかけられる。


「まあ急かすつもりはないが、どうするんだ?返事は私が伝えてもいいし、手紙をしたためても良いと思うぞ?」

「こんなの断れるわけ無いじゃないですか。先生面白がっ……!?」


 苦い顔で真琴に振り向いた和人は遥、慎太郎と共に目を見開き固まった。

 真琴が隣に座ってからものの5分、ラピ◯タは既に半分近くが崩落していた。


「「「バルス……」」」


 3人はそう呟かずにはいられなかった。


 ──────────


「とまあそんなわけなんだけど、これは強制じゃない、あくまで任意だ。みんなの希望を聞かせてくれ。」


 食後、一班を集めた慎太郎が和人に届いた以来内容を告げると、一番に葵が申し訳なさそうに手を挙げた。


「ごめん、私は王都に残りたいかな……」


 行きたくないではなく残りたい。その理由を慎太郎は他所から聞いて知っていた。


「ああいいよ。お前は牧場に入り浸ってるて聞いてるからそんな気がしてた。」

「うう……ごめんなさい……」


 葵は毎日牧場に通って仕事を手伝いをしながら、もふもふに包まれて幸せな日々を過ごしていた。

 それを聞いた悟と英一も不参加希望。正洋と龍馬は前回あまり役に立てなかったからと二班と鍛え直すらしい。


「俺は行くぜ?特にやることもねぇしな。」

「私も行きマス。」

「エイミが行くなら私もー。」


 頼雅、エイミ、ゆかりは参加。


「俺も行こう。」


 意外にも普段からやる気の無い感じの凪晴が強いやる気を見せていた。


「俺の第六感(おっぱいセンサー)が告げてるんだ、この旅の先にとても素晴らしい出会いが待っていると!!」

「なら俺はナギを信じる!俺も行くぞ!!」


 理由はともあれ祐司も参加。

 2人に集まる女子達の白い視線と、凪晴の言葉を聞いて悩み出す不参加希望の男子達。

 慎太郎はそれらを見なかったことにして話を続ける。


「植野、お前は?」


 話を振られた歌鈴は珍しく本気で悩んでいた。


「う~~~ん……半月の間に王都のご飯屋さんもだいぶレベル上がってるし、美空に着いていけば確実に美味しいもの食べれるし、行ったこと無いとこの食べ物も気になるし……ごめん、ギリギリまで考えさせて?」

「ああ、お前らしいよ。多分当日でも問題無いさ。」


 慎太郎は歌鈴を半目で見詰めた後、理亜に顔を向けた。


「私はいかな……」

「理亜は絶対来て下さい。」

「あ゛!?」


 理亜の言葉をぶった切り強引に参加させようとする美空を、理亜は鬼も逃げ出しそうな目力で睨み付ける。


「私はまだゴーレムのプログラミングに忙しいのよ!あんたのおかげでまだデコと首痛いし全く関係ないゲームとか作らせるし、これ以上邪魔しようっての!?」


 美空のとばっちりで真琴の軽めデコピンを受けた理亜は額に打撲傷を負い、軽いむち打ち症になっていた。そのおかげで今日は大分機嫌が悪い。


「まーまー、過ぎたことはいいじゃないですか。絶対来た方が理亜には特なんですって。実はですね……」


 美空は一班を集める前に慎太郎達と話し合っていたことを理亜に耳打ちする。その話を聞く内に理亜の眉間のシワは弛んでゆき、いつものどこかダルそうな表情に戻った。


「んー……それが本当ならいっか。私も行くわ。」


 理亜の参加が決定した所で慎太郎は改めて一同を見渡す。


「よし、詳細は後で先生が教えてくれるから、その時に参加者はもう一度集まってくれ。植野も一応な。」


 ──────────


 午後、戦場と化した調理場を見捨てた美空と共に、慎太郎達いつもの4人はロレインの家へ向かっていた。

 試しに佳苗から一人ずつファングステイヤーを借りて乗っている。

 慎太郎と美空は軽々乗りこなしているが、和人と遥は思った通りおぼつかない。

 それでも普通に歩くよりはよっぽど早かった。


「ロレイーーーーーン!!!」


 ファングステイヤーの体分視点の高くなった慎太郎は、家の囲いを広くして始めた家庭菜園の手入れをしていたロレインを見つけ大声で呼びかける。


「慎太郎!!」


 気付いたロレインが手を止め走り出すと、慎太郎もひらりとファングステイヤーから飛び降りて駆け出し、2人は力強く抱き締め合った。


「「「あーはいはい仲ようござんすねー……」」」


 完全なる無の表情で3人が見ていると、ロレインはいつもより早めに慎太郎から身を離した。

 キスをしようとしていた慎太郎は見事に空振りする。


「慎太郎!今朝とても良いハーブが採れたんです!!リンゴのケーキも焼いたんですよ!!とりあえずお茶にしましょう!?みんなも早く!!あ、美空に教えてもらったアロマキャンドルも作ってみたんです!!ああ楽しみだわ!!みんなの感想が早く聞きたいの!!」


 とてもはしゃいだ様子で慎太郎の腕を強く引くロレイン。少し残念そうだった慎太郎だが、その無邪気なロレインを見てクスリと笑うと、和人達に目配せをしてから素直にロレインに従い、和人達も嬉しそうにその後に付いていった。

 その動きはどこまでも自然であり、誰も気付くことは無かった。今ロレインが並べた物は全て消臭効果があることに。

 みんな同じ匂いがしていたため、慎太郎達は自分達が昼に何を食べたかを忘れていた。

 勘の鋭い慎太郎にも、天才の美空にも、細やかな気遣いの利く和人にも、特になにもない遥にも気付かせることなく4人を消臭に導いたロレイン。君の心は誰よりも優しく美しい。


 家に入ったロレインはさっそくアロマキャンドルに火を灯した。それを見た美空がその火を消そうとアロマキャンドルに近付く。


「ロレインさん、味って実は殆んど香りに依るものなんです。こんなの焚いてたらケーキの味の邪魔になりますよ?」

「大丈夫です!そのアロマもケーキを作った時のリンゴの皮ですから。絶対邪魔にはなりません!!」


 美空の肩を掴んだロレインの手には、有無を言わせない力が込もっていた。美空はその力に多少の戦慄を感じつつも、それならばと身を引いた。

 ほどなくして、慎太郎達を包む空間が甘いリンゴと爽やかなハーブの香りで満たされる。4人は心がほぐれてゆくのを感じ、ほぅっと大きく息をついた。

 そこに絶妙なタイミングでロレインがリンゴのケーキとハーブティーを差し出した。あと数秒遅れていたら、4人はお互いの息の臭いに気が付いただろう。


「「「「いただきます。」」」」


 4人は一斉にケーキにフォークを入れた。

 ちなみにロレインのリンゴケーキはスポンジにリンゴを練り込んだ素朴な物である。 普通ならコンポート、甘く煮たリンゴを使うがフレッシュさを残したいロレインは、バターソテーしたリンゴに砂糖とラム酒を煮絡めた物を使っていた。

 シャキシャキ感を残したリンゴの中から溢れ出すパンチの効いた甘味を、甘さ控えめに作られたスポンジが全て受け止め完全なる調和を生み出している。


「「「うんまぁ~~~……」」」


 3人が表情を蕩けさせている中、美空だけがうつ向いて震えていた。


「何ですかこれ……私が教えたより美味しいじゃないですか!!初めてでこんなことされたら私泣きますよ!?」


 美空がロレインに教えたのは佃煮状に汁気を煮飛ばしたコンポートとジャムを入れたロールケーキだった。ロレインは一度聞いたそれを直感だけで数段上にランクアップさせていたのだ。

 この世界に来てからほぼ料理番となっていた美空は本気の悔し涙を浮かべている。


「いえ美空、そもそも私にはメレンゲという発想がありません。結局これを作れたのはあなたのお陰なんですよ?」


 この世界にもケーキはあるがそれはほぼフルーツサンドであり、もっちりとした発酵生地にバタークリームを挟んだ重いものである。

 ロレインが作った歯切れの良い軽いものではない。


「うええぇん!ロレインしゃんだいしゅきぃ~~!!」


 抱きついた美空をぽんぽんとあやしながら、ロレインは慎太郎に顔を向けた。


「それでどうしたんです?遊びに来るには少し遅い時間ですし、予定は明日の筈ですけど?」


 そもそもロレインは、一晩置いてリンゴの水分が行き渡ったしっとりとしたケーキを食べさせるつもりだったのだ。マジで芸が深い。


「ああ、和人がこの国の王女様から指名依頼を受けてさ、3日後に護衛でアルトルージュ領に行くことになったんだ。」

「そうですか……また少しの間会えなくなりますね……」


 表情を曇らせるロレインに和人は笑顔で尋ねる。


「それでさ、ロレインさんも一緒に来ない?」

「え!?」


 あまりにも突然な誘いに目をぱちくりとさせながら顔を上げたロレインには、4人からの期待の籠った視線が集まっていた。


「で、でも私冒険者資格ありませんよ?」


 慌てるロレインに和人はクラリスの手紙を見せる。


「ほら、ここにできればお友達もって書いてあるでしょ?ロレインさんは間違い無く僕たちの友達なんだから問題無いって!!」

「ロレインさんはここに住めって言われただけでここから離れるなって言われたわけではないですよね?なら良いじゃないですか?」

「こんなとこに1人で住んでるんだから全然戦えないわけじゃ無いんでしょ?行こうよ?」

「え!?その……あの……」


 畳み掛けようとする3人にしどろもどろになるロレインに、慎太郎が優しく最後の一手を指す。


「頼むよ?何より俺達が君と一緒にいたいんだ。もし危なくなったら俺が……俺達が君を守るからさ?旅行気分でいいから行こうぜ?」


 そう言って頼もしいところを見せようとする慎太郎を、なぜか美空は口を押さえて笑いを堪えていた。俺が守ると言い切れなかった煮え切らなさを笑っていたのだろうか?

 ロレインは困ったような表情を浮かべ、少しうつ向きながら下唇に人差し指を当てる。

 ちょっと可愛い程度の女子がこれをやるとあざとさにイラッとくるが、本物の美少女がやるとクラッと来る。

 ロレインはしばしの間その姿勢で考え込むと、軽く両手の指先を合わせて微笑んだ。


「解りました、大切なみんなとの思い出作りですものね。私も御一緒させて貰えますか?」

『いよっしゃあぁーーーーーっ!!!!』


 天高く両拳を振り上げて喜びを露にする4人を、ロレインは少し呆れ顔で見回した。しかし、その表情に負の感情は微塵も無い。

 これから始まる小旅行が、本当に楽しいものになると信じて疑っていない顔だった。


「それで、今日はそれだけなんですか?これで終わりだと少し寂しいのですが……」


 ロレインは恥ずかしげにうつむいた。


「いえ!いつも外で遊んでいますし今日はここで遊びましょう!少し時間を潰すにはちょうど良い物を作ってきました!!」


 そう言いながら美空はまいるーむからチェス盤のような物と、それと同じ色で作られた多数の札を取り出した。


「なんだこれ?将棋か?」

「初めて見ます。何ですかこれ?」


 不思議そうにその道具を見る二人とは対照的に目を輝かせる特オタ夫婦。


「「うわぁ!!バルチャスだ!!」」

「「ばるちゃす??」」


 説明不要!!

 これを制す者は魔戒騎士を極める者であり、酒飲みの娯楽!!バルチャス!!

 そうは言いながらも元ネタを知らずにこの駄文を読んでくれている人もいるかも知れないので説明しよう!美空が。


「このゲームは将棋やチェスのように駒札を動かし、駒札がぶつかり合ったところで遊戯者は駒札に念力、まあ魔力ですね。それを込めて駒札を破壊し合います。まあいちいち駒破壊されては面倒なので盤外に弾き出す使用にしていますけどね。私なりのアレンジで駒によって相性、騎士は悪魔に強く悪魔は法師に強いみたいな感じのテイストを加えています。しかしこのゲームでモノを言うのは魔力操作、遊戯者の魔力操作によっては相性の悪い駒札にも勝つことが出来るんです。最終的に目指すのは相手の殲滅です。では先ずこのゲームをよく知る二人にやって貰いましょうか。」

「「いいの!?」」


 そう言いながらも二人は嬉々としてテーブルを挟んで向かい合った。


「遥先攻でいいよ。」

「あっそ、なら遠慮無く。」


 二人は軽快に駒札を動かして行き、遂に遥の駒札が和人の駒札を踏んだ。


「「勝負!!」」


 遥は重ねた駒札を横にして立てると、左拳の上に右の手刀を乗せ駒札に魔力を込めた。和人も同じスタイルで魔力を込める。

 すると重なりあった駒札から二つの騎士の影が浮かび上がった。


「ふわぁ……」

「凄いな、これ……」

「さすが理亜ですよね、嫌々言いながらもディテールにこだわり抜いています。」


 嘆息を洩らす慎太郎とロレイン、それになぜか自分の事のようにドヤ顔する美空。

 しかし和人と遥には既に周りは見えていない。同駒対決、完全に魔力操作の勝負である。


「うおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

「でりゃああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


 二人の表情は作画宮下◯きら!!手抜きなど1ミクロンもあり得ない!!それが特オタ同志のバルチャスに対する礼儀なのだ!!


「「うらあぁぁぁぁぁッ!!!!」」


 激しい剣戟が繰り広げられる。


「ぐっ!?」


 鍔競り合う和人の騎士が僅かに推し負け体勢を崩す。


―勝った!―


 そう思った遥の一瞬の隙を和人は見逃さなかった。


「せりゃああああああっ!!!!!」


 遥の騎士の剣を打ち返し、和人の騎士が袈裟斬りに剣を振り下ろした。


「あっ!?」


 思わず遥の口から小さな叫びが漏れた時には、遥の駒札は盤外に弾き出されていた。


「よしッ!!」

「あ~~……もう!!」


 小さくガッツポーズする和人と自身の詰めの甘さを悔しがる遥、その二人の額には既にうっすらと汗が滲んでいる。


「………これひと勝負終わる頃にはヘロヘロになるんじゃないか?」


 そんな二人とまだ数枚盤上に残る駒札を見て、慎太郎は呆れ顔で呟いた。


「でもとても面白そうですよ?それに魔力操作の訓練にもなりそうです。魔力操作が上達すればそれは魔法の技術と威力に直結しますから、素晴らしいゲームだと思います。」


 早くやってみたいのか、二人の勝負を見ながらロレインはうずうずしているようだ。

 そして十数分後、二人の接戦は和人に軍配が上がり、慎太郎の言った通りヘロヘロになった二人は慎太郎とロレインに席を譲った。


「よしロレイン、手加減無しでやろうか。」

「ええ、よろしくお願いしますね♪」


 そう言いながら意気揚々とゲームを始めた二人だったが─────


「つ……強ぇ……」

「楽しいです!このゲーム!!」


 数分後、ロレインの駒札に録にダメージを与えられず、あっさりと負けた慎太郎が汗だくになりながらテーブルに突っ伏した。刺激の少ない生活を送っていたロレインは楽しかったらしく、汗一つかきもせずニコニコしている。


「情けないですね慎太郎君、まあ剣士に重きを置いてますから仕方ないですか。では理亜と何度かテストプレイもした私が手本を見せますよ。」


 美空はうなだれる慎太郎をどかしてロレインと対峙した───


「えっと……美空、大丈夫ですか?」

「ぜひゅ~…ぜひゅぅ~……大丈夫でしゅ……少し疲れただけでしゅから……」


 数分後、騎士、騎馬、法師の三体を犠牲にして、やっとロレインの悪魔を一体を倒した美空が汗だくで目を血走らせていた。

 それもそのはず、膨大な魔力を持って産まれたロレインはその魔力を暴走させないよう、徹底した魔力操作を幼い頃から叩き込まれていたのだ。

 結局戦局が覆ることは無く美空も惨敗し、その後遥、和人と挑むが全く歯が立たない。

 誰よりもこのゲームを知る和人と遥、このゲームを製作した美空はあまりの悔しさに素直に負けを認める事が出来ず、嫌がる慎太郎を無理矢理巻き込み、八枚ある駒札を一人二枚担当しロレインに挑むという大人気の無いバトルを強行した。

 四人は二枚の駒札に全身全霊の集中力を込めたがそれでもロレインには一歩及ばず、それどころかそこそこの手応えを感じた彼女を楽しませるだけに終わってしまった。


 ───────────


「それじゃ慎太郎、当日は迎えに来て下さいね?」

「ああ、それじゃお休み。」


 四人は最後の意地でロレインに笑顔で手を振った。

 ファングステイヤーに跨がり軽快に走り出した四人だが、ロレインの姿が見えなくなると示し合わせたかの様にぐったりとファングステイヤーの首にしがみついた。


「これ乗って来てなきゃ帰れなかったな……」

「うん、この世界来た次の日を思い出したよ……」

「お腹すき過ぎてマジで泣きそう………」

「死にそうです……比喩じゃ無しに………」


 四人を乗せたファングステイヤーは佳苗の誉められたいが故に、王都に向かって全力で走るのだった。

≪次回予告≫


肌寒い草原を慎太郎はファングステイヤーに跨がり駆けて行く。

暖かな日差しと溶けて行く霜の匂い、そして腰に回されたロレインの手に幸せを感じながら。


「おはようみんな、てかなんでみんな揃ってるんだ?」


女子に囲まれて質問攻めにあうロレインと、のたうち回る野郎共。そして依頼主である王女殿下が皆の前に降り立つ。


『クラリスだ!めっちゃクラリスだ!!』


跪く和人にクラリスは微笑みかける、二人で王都を歩いたあの日の事を懐かしみながら。そして、これから始まる旅が楽しいものであることを信じて。

いざ出発の時、凪晴から放たれた一言が和人の心を激しく揺さぶりつける。


次回【再会の姫君】


「僕は悪くないから……」

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