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筋肉を使う者  作者: 鉄人(笑)
5/13

旅の始まり 5

夜、月が丸い、とっても


家、生まれから一度も離れたことない家、オヤジが亡くしたあと、この家にいるのは、俺と筋肉たちしか居ない。一人じゃないなのに、何故か、ちょっと寂しく気がする。

窓の側に立って、心の中、感慨を満ち溢れている。

「懐かしいな~~、あの時の事」

小さいな家、何処にも思い出の痕跡がある。


三才、その時、胸筋の成長を初めた。

五才、その時、始まりの6バック。

七才、その時、背筋で枝を挟んで折った。

笑いある、悲しいもある。

「ハッハッ、九才時の筋肉痛は本当に危なかった~~」


床の一角、ひとつ、埃いっぱいのダンベルがあった。

あれは、おやじのダンベルだ。

これを見ると、色々おやじの事、色々おやじの言葉を思い出した。


トレーニングをやり過ぎるの時。

「筋肉は苛めすぎると、駄目だぞ」

筋肉の未来の話をする時。

「いつか、出会うざ、君が筋肉で守りたい人」

腕筋の訓練を乗り越えるとき。

「鍛えた筋肉は、名前を呼ばないと力が出せないぞ~~」


思い出の欠片、美しい思いも、つらい思いも、良いも悪いも、今さえ全部、懐かしい思いになっていた、苦しい筈の思いさえ、いつの間にか、懐かしいの思い出になった。

このような気持ちに過ごして、故郷最後の一夜。


朝、空が白む。

[時を来た」

荷物を背る、扉の外に出て行った、扉閉じる前に、拳を腰前で握って。

「ふっーーーーホァ!」

両腕は胸先に円を囲み。

「ありがとうございました!」

胸拡張を別れの挨拶をして、長年の感謝を表した。


家を後にした、村の外に行く。

「早くーーーー」

「おっーー」

遥かなナナの声、遥かな返事を返す、追いつく前に、振り返す、も一度遥かに故郷を見る。

最後の郷愁を飲み込んで、前に向かって、足を踏み出す、そしてーー


俺と筋肉、旅に出る。

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