そして、召還。
ん?ああ、俺は佐藤裕也、そこ、すぐにピャーとか言うのやめなさい!
まあ、それは置いといて置こうか。
もし、異世界なんてモノが有って。そんなところに連れてこられたら、普通は期待するじゃん?
勇者としてかっこよく召喚、或いは勇者の付き添いでもいいよ、俺は城から出てくっ!付き合ってられるか!とかかっこよく出て行ってチートモノ?
事故で死んじゃって転生、なんてのもいいですねー(棒)
なぜか存在する、幼馴染と一緒にキャッキャうふふ~、な展開も好きよ?
オンラインゲームの中もいいっすね(適当)
そんな王道なパターンいくつも上げたけど、全く違うわけじゃないんだよ、俺も事故でね?
トラックにズバーン、異世界ビューンっ、まで一緒。
まあ死んでないけど、死ぬほど痛いけど、そのまま連れてこられましたけど、ナニカ?
時は遡り~
「んじゃ、帰ろうぜ裕也。」
部活が終わり、一息ついたところで話し掛けてきたこいつは、初めて俺の名前を聞いた瞬間ピャーとかほざいた、長谷川正義、俺の友人兼部活仲間だ。
高1のときに俺の自己紹介でかましてくれて。
まあそれからダラダラと。ちなみにクッソイケメンでその上、持ち前のその面で女を垂らしこめる糞野郎、だけど友人、不思議。
※実際は唯の僻みで女垂らしではない。
一応、おう、とだけ返し、帰りの支度をさっさと済ます。
正義は帰りの支度を済ましてから俺に話し掛けたようで、早くしろよ、とでも言いたげな視線を送ってくる。うっせ
部活での疲れもあり二人揃って、たらたらと帰路に着く。
校門を出てすぐの信号が、俺たちの目の前ギリギリで、赤信号になり止まる。
赤信号になったことにより、正義がポケットからスマフォを取り出し、何かに気づいたかのように俺に話し掛ける。
「お、お前牡牛座だったよな、1位だって、よかったな。信号ギリギリで赤になったけどな。」
と、スマフォのホーム画面の、星座ランキングでもみたのか、そんな皮肉を飛ばしてくる。お前も牡牛座だろ、うるせーよ。皮肉以外の何者でもねーよ。
こういう皮肉を言うのには、それなりの訳がある、そもそも自分は何に関しても運がないのだ。
その尤もたるは、ピャーである。
それを知っている正義は、俺に不幸なことが起きるとしょっちゅう皮肉をとばすなり笑いとばすなりしてくる。
そんなの全部に、一々突っ掛かってられないのでいつもの事だが、軽く流す。
「アホか、スマフォのホームの星座ランキングなんて男の誰が信じるんだよ、乙女かお前は」
そんなくだらないことを言い合って、いつもと何も変わらない、信号待ち。
信号が青になる、いや、なった瞬間の出来事だった。
━━━キィィィィィィィン━━━・・・
なんの予兆もなく、唐突に、目もまともに開けていられないほどの光が俺の視力を奪う。
「ぐっ・・・!な"んだこ"れ・・・!」
あまりの眩しさに耐え切れず、喉に力が入りそんな声が漏れる。
この眩しさの中、まず最初に考えたのは何が起こってんだこれは、と言う疑問。
それで次に考えたのが、また増やしたくもない不幸自慢が増えてしまうのか、というしょうもないこと。
人間、あまりに予想外のことが起きると案外しょうもないことを考えるものだ。
ただ、実際本当になにが起きてるかわかんねぇ。
この眩しさは足元から来ていた、ということくらいしかわからなく、男子の誰もがする妄想、学校にテロリストが・・・とか、異世界に飛ばされました~、とかそんな感じの。
そんなわけねーな、とか目が見えるようになるまで、特に危機感も覚えずに、そういえば正義はよく何も喋らないでいられんな、と思い目を開けた途端。
総重量2tは超えるであろう小型だが、立派なトラックが、道路からはずれて俺のほうへと直進していた━━━。