みんなの欲望。
夢の中で、私は軍を率いる王だった。
悪魔たちを鼓舞し、人間へと変え、
最期の叫びを上げさせ、命を捧げさせる。
親友であるアングニは、私が劣勢に立ったのを見るや否や、
目の前の憎むべき敵を捨て、叫び声を上げながら駆け寄ってきた。
「アアア——!」
人間へと戻った悪魔たちは、
叫びながら一人、また一人と死んでいった。
この戦いで私を助けていたピロトは、後方にいた。
月の才を宿し、必死に戦っていたが、
恐怖と共に剣を振るったことが仇となり、
隙を突かれて、敵に首を刎ねられた。
私は馬を走らせ続けた。
――今、悲しむべきではない。こうなることは分かっていた。
だが、速く駆ければ駆けるほど、
数万の敵も、味方たちも、次第に薄れて消えていき、
最後に残ったのは、
息子が首を斬られるその光景だけだった。
全力で戦った小さな子ども。
共に戦うと約束し、私の後を追ってきた。
だが、彼が戦いたいと思ったことなど、一度もなかった。
ただ家に帰り、本を読みたかっただけなのだろう。
それなのに、前だけを見ていた私のせいで、
彼は孤独の中で殺されてしまった……
そして、静かな涙とともに目が覚めた。
ピロトはまだ隣で、ころころと寝返りを打っている。
彼は早く目覚め、待っていたのだ。
私が顔を向けると、彼もこちらを向く。
私が起きたと知ると、体を転がして抱きついてきた。
喉の奥から、幼い子どものような声を漏らしながら。
その体の匂いは温かく、かすかに感じられた。
身体が元に戻った証だ。
だが、夢の中のピロトの匂いは違っていた。
彼は私に近づこうとしなかった。
それとも――
私が、彼を見ていなかったのだろうか。
「もし匂いが同じでないのなら、
では――この子は、一体誰なのだろう?」
……はぁ。
今日はあまりにも悲しくて、
妻を連れ出して食事でもしたくなる……
「父さん、ピロトも一緒に食べますか?」
「ああ……」
カーシャ。
ロシアで最も一般的な、子どものための郷土料理。
この朝、ムヴェンナが作り、ピロトに食べさせてみた。
ピロトは、彼女が差し出す一口一口を素直に口に運び、
碗を空にした。
それを見守るベルーノルと、微笑むムヴェンナ。
二人は同時に思った――
これが、ピロトの主食になるだろう、と。
ムヴェンナは立ち上がり、碗を片付けようとした。
ベルーノルに近づき、尋ねる。
「今朝は、何を召し上がります?」
ベルーノルは遠慮がちに答えた。
「最近はピロトの世話ばかりで、
自分の食事にはあまり気を遣っていなくて……」
ムヴェンナは微笑み、立ち去った。
エプロンを身に着け、台所で料理を始める。
その姿に、ベルーノルの心は揺れた。
長いあいだ欠けていたもの――
あまりにも、重すぎる感情。
彼はピロトを抱き、外へ風を浴びに出た。
中にいる妻――この館の主が、
怒りを募らせないようにと、逃げるように。
だが……
起こるべきことは、避けられなかった。
ムヴェンナの方から、
毎日、毎晩、ベルーノルに身を委ねてきた。
外の世界から見れば静かな男女。
だが今や、彼らは獣のようだった。
冷たい風の中ですら、
欲望は激しく、燃え上がっていた。
拒むことはできなかった。
それでも、子を疎かにしたわけではない。
ベルーノルは父としての役目を果たし、
ピロトに時間を与え続けた。
ムヴェンナもまた、
欲情だけの女ではなかった。
やがて、邪な考えが芽生える。
二人を引き離そうと――。
だが時が経つにつれ、
回復し始めたピロトは、
彼女を障害物として見るようになった。
喉に刺さる小骨のように。
彼は言葉を覚え、
父に支えられて歩く練習をし、
聞くこと、話すことを学び、
音楽の音を、道標として記憶していった。
あの女を殺す。
かつてピロトを激しく泣かせた、そのナイフで。
背中に深く、確かに突き立てれば――
父と二人きりでいられる。
もう一度……。




