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任せたよ。
片方のチェスの陣営はその場に止まったが、もう一方は前に進み続けた。ああ…今、両陣営の駒は同じ位置にいる。
キングはクイーンに一マスだけ押さえられ、両者の額が触れ合っている。
クイーンは背が高く、微笑んでいる。キングは背が低く、悲しげな顔をしている。
しかし、彼らは抱き合っていた。
「君は本当に馬鹿だな…誰も君に父さんみたいに負けて見せろなんて頼んでないのに…
勝ちたいなら、そのまま勝てばいい。
父さんと呼びたいなら、呼べばいい…『父さん』と呼べ。
そして、僕が負ける側になる。
お願い…僕の代わりに、彼に愛してるって伝えてくれ。」




