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11/21

ここで待っている 出会ったその瞬間、私は恋をする

揺らめく小川のほとりで——


彼は、世界の最後の欠片を掴み取るかのように、息子の亡骸を強く抱きしめていた。

流水の冷たさは骨にまで染み渡ったが、それでも彼の頭の内側に生じた空白には及ばなかった。


「このまま、息子と一緒に死のうと思った」


だが結局——

彼は静まり返った屋敷へと戻る道を選び、息子の身体をいつものソファに横たえた。

かつて生き生きとしていたその顔は、彼の目にはまだ光を宿しているように見えたが、次第に、炎に呑み込まれるかのように色を失っていった。


だから彼は台所へ向かい、薬草庫へ足を運んだ。

それは彼の魂そのものだった。

食すためではなく、使うために——彼はそれらを桶に調合した。


彼は息子の身体を抱き上げ、湯に沈め、丁寧に洗い清めた。

それはまるで、魂を洗う儀式のようだった。

料理や飲料だけでなく、北方アジアに伝わる治療の秘伝——血に刻まれた知識を彼は有していた。

そのため、荒く大きな手は、息子の身体に触れるとき、不思議なほど正確だった。


その夜、息子の肌の色も、顔立ちも、体臭さえも、少しずつ戻ってきた。

彼は息子にお気に入りの白い熊の毛皮の服を着せ、隣に座らせ、幼い頃と同じように本を読んで聞かせた。

温かな薬草の香りが、屋敷の沈黙に溶け込み、まるで二人がまだ同じ呼吸をしているかのようだった。


その身体は、死んでいるというより——眠っているように見えた。

息子の吐息は、まだ彼の首元に残っているのだろうか。


ベルーナーは、ただ混乱し続けていた。

何度も、何度も。


だがその顔には、迷いは浮かばなかった。

彼はまるで——王のように、そこに座っていた。



---


赤い手紙


仲間たちがピロートへ送ってきた手紙を、ベルーナーは一通残らず読み聞かせた。

意味などなくても、どこかで、ピロートが聞いていると信じていた。


一週間が過ぎ、雪はさらに激しく降り始めた。

この国の冬には、ほとんど昼が存在しない。

あまりにも静かで、人間らしさすら失われていた。


「くそったれの神め……俺をこんなにも悲しませやがって」


彼は悪態をつき、มวลธาを一本、火をつけて吸った。



---


妻の本


決して開くつもりのなかった本を、彼は屋敷の奥深くへしまっていた。

誰の目にも触れない場所——

彼女と、息子と、そして自分の寝室に。


大きな枕の下に。

いや、隠していたわけではない。


「彼は、ただ彼女のために保管していただけだ」


君と息子が、今もこの部屋で本を読んでいるのは分かっている。

読み終えては、また最初から。

文字が炎になるまで。

君がもう一度読み返してくれることを、俺は願っている。


だが今夜は、ピロートに聞かせてみようと思う。


愛と、それに続く痛みの物語。

俺にとっては退屈なはずだった。

それなのに、俺は泣いてしまい、ピロートに慰められた。



---


すべての視線が、彼に注がれた。

薬草の香りをまとった大柄な男。

それ自体は不思議でもない。


だが、何が彼を特別にしているのか。

それは——その顔だった。


悲しみが作り上げたその顔は、あまりにも美しかった。


そして、それが——彼女との出会いを導いた。



---


ムーヴィエンナ


青い瞳、濃紺の髪を持つ、生粋のロシア人女性。

彼女は、何度も崩れ落ちるベルーナーにとって、最後の光だった。


荒れた手、かすかな薬草の香り。

薬草を扱う商いの女には、どこか不釣り合いだった。


彼女は助言を求めて声をかけた。

だがやがて、その顔に触れたくなり、愚かなことを試してみたくなった。


——彼に、口づけること。


「大切な人のもとへ、帰らなければ」


彼は、日が沈むたびに家へ帰った。


そのたびに、女性の瞳には小さな失望が映った。

言葉も完全には通じず、距離は広がっていった。


それでも——

凍てついた大地の上で、関係は静かに芽吹いていた。


ムーヴィエンナは、この男を心の底から愛してしまった。

彼が毎朝、ロシア語の本を抱えて現れたから。


私はここであなたを待つ。

そして会えたなら、また恋に落ちる。


……


「あなたに、私の大切な人に会ってほしい」


ベルーナーは、そう言った。



---


満天の名を持つ星々の下、

月光がゴシック窓の縁から差し込む。


「ピロート……」


低く、優しい声。

それは、宝石のような息子の身体を見つめる者の声だった。


何分……いや、何時間だっただろうか。


「……ん?」


恐怖はない。

少年は手を差し出し、彼が血管に口づけるのを許した。


視界が滲んでいても。


「大丈夫だ……先に眠っていい。あとで、父さんが起こすから」


彼は再び額に口づけた。

少し強すぎて、頭が枕に軽く跳ねた。


「……うん」


悪魔はすでに、闇の街路を駆け去った。

それは、もう去った。


今ここに残っているのは——

ただ、彼を待つ父親だけだった。



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