ここで待っている 出会ったその瞬間、私は恋をする
揺らめく小川のほとりで——
彼は、世界の最後の欠片を掴み取るかのように、息子の亡骸を強く抱きしめていた。
流水の冷たさは骨にまで染み渡ったが、それでも彼の頭の内側に生じた空白には及ばなかった。
「このまま、息子と一緒に死のうと思った」
だが結局——
彼は静まり返った屋敷へと戻る道を選び、息子の身体をいつものソファに横たえた。
かつて生き生きとしていたその顔は、彼の目にはまだ光を宿しているように見えたが、次第に、炎に呑み込まれるかのように色を失っていった。
だから彼は台所へ向かい、薬草庫へ足を運んだ。
それは彼の魂そのものだった。
食すためではなく、使うために——彼はそれらを桶に調合した。
彼は息子の身体を抱き上げ、湯に沈め、丁寧に洗い清めた。
それはまるで、魂を洗う儀式のようだった。
料理や飲料だけでなく、北方アジアに伝わる治療の秘伝——血に刻まれた知識を彼は有していた。
そのため、荒く大きな手は、息子の身体に触れるとき、不思議なほど正確だった。
その夜、息子の肌の色も、顔立ちも、体臭さえも、少しずつ戻ってきた。
彼は息子にお気に入りの白い熊の毛皮の服を着せ、隣に座らせ、幼い頃と同じように本を読んで聞かせた。
温かな薬草の香りが、屋敷の沈黙に溶け込み、まるで二人がまだ同じ呼吸をしているかのようだった。
その身体は、死んでいるというより——眠っているように見えた。
息子の吐息は、まだ彼の首元に残っているのだろうか。
ベルーナーは、ただ混乱し続けていた。
何度も、何度も。
だがその顔には、迷いは浮かばなかった。
彼はまるで——王のように、そこに座っていた。
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赤い手紙
仲間たちがピロートへ送ってきた手紙を、ベルーナーは一通残らず読み聞かせた。
意味などなくても、どこかで、ピロートが聞いていると信じていた。
一週間が過ぎ、雪はさらに激しく降り始めた。
この国の冬には、ほとんど昼が存在しない。
あまりにも静かで、人間らしさすら失われていた。
「くそったれの神め……俺をこんなにも悲しませやがって」
彼は悪態をつき、มวลธาを一本、火をつけて吸った。
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妻の本
決して開くつもりのなかった本を、彼は屋敷の奥深くへしまっていた。
誰の目にも触れない場所——
彼女と、息子と、そして自分の寝室に。
大きな枕の下に。
いや、隠していたわけではない。
「彼は、ただ彼女のために保管していただけだ」
君と息子が、今もこの部屋で本を読んでいるのは分かっている。
読み終えては、また最初から。
文字が炎になるまで。
君がもう一度読み返してくれることを、俺は願っている。
だが今夜は、ピロートに聞かせてみようと思う。
愛と、それに続く痛みの物語。
俺にとっては退屈なはずだった。
それなのに、俺は泣いてしまい、ピロートに慰められた。
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すべての視線が、彼に注がれた。
薬草の香りをまとった大柄な男。
それ自体は不思議でもない。
だが、何が彼を特別にしているのか。
それは——その顔だった。
悲しみが作り上げたその顔は、あまりにも美しかった。
そして、それが——彼女との出会いを導いた。
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ムーヴィエンナ
青い瞳、濃紺の髪を持つ、生粋のロシア人女性。
彼女は、何度も崩れ落ちるベルーナーにとって、最後の光だった。
荒れた手、かすかな薬草の香り。
薬草を扱う商いの女には、どこか不釣り合いだった。
彼女は助言を求めて声をかけた。
だがやがて、その顔に触れたくなり、愚かなことを試してみたくなった。
——彼に、口づけること。
「大切な人のもとへ、帰らなければ」
彼は、日が沈むたびに家へ帰った。
そのたびに、女性の瞳には小さな失望が映った。
言葉も完全には通じず、距離は広がっていった。
それでも——
凍てついた大地の上で、関係は静かに芽吹いていた。
ムーヴィエンナは、この男を心の底から愛してしまった。
彼が毎朝、ロシア語の本を抱えて現れたから。
私はここであなたを待つ。
そして会えたなら、また恋に落ちる。
……
「あなたに、私の大切な人に会ってほしい」
ベルーナーは、そう言った。
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満天の名を持つ星々の下、
月光がゴシック窓の縁から差し込む。
「ピロート……」
低く、優しい声。
それは、宝石のような息子の身体を見つめる者の声だった。
何分……いや、何時間だっただろうか。
「……ん?」
恐怖はない。
少年は手を差し出し、彼が血管に口づけるのを許した。
視界が滲んでいても。
「大丈夫だ……先に眠っていい。あとで、父さんが起こすから」
彼は再び額に口づけた。
少し強すぎて、頭が枕に軽く跳ねた。
「……うん」
悪魔はすでに、闇の街路を駆け去った。
それは、もう去った。
今ここに残っているのは——
ただ、彼を待つ父親だけだった。




