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昼食会の後始末1

 昼食会を終えてから、芋の収穫時期まで少しの間がございます。いくつかのことを、済ませてしまわなければなりません。


 まずは子爵の処分でございます。

 これについては、本人の前でどのような処罰にするかを話しておりましたら、ご自身から隠居させてくれ、との申し出がございました。


 こちらが後継に、わたくしの姪であるスザンナを指定致しました時も、割合にすんなりと了承してくれました。

 ただ、スザンナの後見をアルフレッドにする、と伝えた時だけは少々抵抗なさいました。孫を傀儡としたかったのでございましょう。


 されどわたくしとしては、アルフレッドが一時的にガフを治めるということを強く進めたいと思っております。ゆずることはできません。

 ですからもう一度、処罰についてお話したところ、大した時間がかからずにまとまりました。

 お話しだけで、決まるのはありがたいことです。



 保管庫の会計報告についても質問が来ておりましたが、わたくしまで回ってきたのは一つだけ。領民と古い芋と新しい芋を物物交換させている地域でございました。それについては分類などを考え、領官へ戻します。



 それから昼食会の最後に質問してくれた少女でございます。彼女のことはとても気になるのです。




お読みいただきありがとうございます。


ポーラ:この間の昼食会、セシリアちゃんの株を上げるために茶番をやらせたわね。事前に一言くれても良いでしょうに。

母:招待状に書いたじゃない。

ポーラ:あの、「よろしくね」ってあなたの字ではしっこに書いてあったあれでしょ?

母:そうよ。

ポーラ:あんなので伝わると思ってるの?

母:だってあなただもの。

ポーラ:もう、いつもそれ!

母:ありがとう。これ、お礼よ。

ポーラ:あら、糸。珍しいものね?始めて見るわ。

母:孫が送ってくれたのよ。私は使わないもの。

ポーラ:もらって良いの?あなたが自分で作らなくても、誰かに作らせれば良いんじゃない?せっかくなんだから。

母:いいのよ。持ってって。

ポーラ:じゃあ、ありがたくいただくわ。それにしても過保護ね。セシリアちゃんは私の助けなんて要らなかったでしょ。何年侯爵夫人やってると思ってるの。

母:やわじゃないことくらい、知ってるわよ。

ポーラ:なら、本当に過保護ね。

母:だって十五年くらいやっても分家の出って蔑まれるのよ?

ポーラ:あなただって結婚してから40年以上、いつまでもお高く止まって、なんて言われているでしょう?

母:いいのよ。私は。

ポーラ:もう。

母:実際高いんだから。

ポーラ:…もう。


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