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孤独の戦場

ドン!ドン!ドン!


壮絶な戦いの音が何も無い砂漠に木霊する


ヒュン!カキィン!ドドドドン!


多種多様なその音は誰の耳にも、どれほど放たれた録音機にすら届かず繰り返される。


ここは忘れ去られし最後の戦場。かつての神王と1人の少年が戦う孤独の戦場である。




















ざ、ざ、ざ


「ふう〜。やっと見えてきたぁ〜!」

「こらエリス。はしたないですわよ!」

「エリザは堅いなぁ。ねえリーゼ様!」

「二人とも!今日は遊びじゃなくて遺跡演習兼ダンジョン演習なんだからちゃんと気を引き締めて!」


私たちは目の前の光景を見る。視界一杯に広がる砂漠。そしてこの遙か先にあの遺跡がある。


私の名前はリーゼ。リーゼ·クロノワイツ。クロノワイツ公爵家の三女。国際魔導機装学院高等部三年生。私たちは今、学院の授業の一環としてこの砂漠の中央にあるとあるダンジョン化した遺跡に来ていた。ここは10年前にダンジョン化し、謎の結界によって最近まで入ることができなかった。先日、この結界がなくなった時は先遣隊が中に突入したがなぜか撤退したという。そこで学院の全生徒がダンジョン演習と遺跡演習を兼ねて調査することになったようだ。


「それにしても先遣隊が撤退するようなダンジョンになんで私たちみたいな学生が行かなくちゃならないんですかね?」

「別に危険というわけではないようですわ。ただ不気味だったと。」

「とりあえず演習を頑張りましょう!」

「「はい!」」


この黄緑の髪をした子がエリス。そしてこっちの紫の髪をした子がエリザ。二人とも私が幼い頃から仲良くしてる親友。今も学院内でチームを組んでるの。


「やっと来たわね。」

「先生!」


やって来たのは私たちの担任であるロレーヌ先生。


「もう10年なのね。」

「はい。」


私は10年前、この遺跡がダンジョン化する瞬間を見ていた。途方もない力がこの砂漠一帯を覆い隠してしまったあの光景を。


「もしかしたら神話世代に関係のある遺跡だったのかもね。」

「そうですね。あの遺跡にはまだまだ未探索のところがありましたから。」


父に連れられやってきた10年前。ただの遺跡調査の進捗を確認するだけだったものがあの出来事を引き起こした。


「さて、行くわよ!」

「はい!」


こうして私たちはダンジョンへと入った。

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