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99羽

 昨日のことはニュースには流れないとしても、裏社会では広まってそうな感覚だった。もしかしたら藤ちゃんを襲ってくる人たちも増えてくるかもしれないし油断はできない。

 そう思っているもお兄ちゃんと藤ちゃんが仲直りして、あんなに仲良く朝ご飯を作るとは思いもしなかった。手伝うって聞いたけれど、座っててって言われたから、ソファーでくつろいで入るものの、本当に大丈夫かなと心配になる。


 普通に朝のニュースを見ていたら、インターホンが鳴り、誰だろうとチェックしてみた。そこにはなんと夕哉さんの姿があって思わず扉を開ける。夕哉さんは少々驚きつつも、冬月いると聞かれ、藤ちゃんと一緒に朝ごはん作ってると教えてあげた。

 まじかと今度はもの凄く驚きつつも、上がらせてもらうなと入ってもらい、リビングへ案内する。


「お兄ちゃん、夕哉さん来たよ」

「おはよう、夕哉。朝っぱからどうかした?」

「破島がNoveに連れ戻されて、陽空がちょっと危うくなってる。両親に会わせることできる?」

「え?お父さんとお母さん亡くなったのに?どういうこと…?」


 混乱している私にお兄ちゃんと夕哉さんは言いづらそうな顔立ちをしていた。その状況を見て藤ちゃんが隠し事しないであげてと注意してくれる。

 それによってお兄ちゃんが私をソファーに座らせて、真実を知ることとなった。


「春陽の育て親はちゃんと生きてる。僕たちの父さんと母さんが働いている場所で仕事してるんだ」

「なんで私に一言も言ってくれなかったの?」

「陽空に頼まれた。春陽には内緒にしてほしいって。今まで黙っててごめんな。陽空は悪気があってそう言ったんじゃねえんだよ」

 

 そうだとしても私はずっともう二度と会えないとばかりで、乗り越えようと必死だったのに。ずっと嘘を突きつけられてて、あまりのショックさに、お兄ちゃんの家を飛び出してしまう。

 後ろでは夕哉さんの声が聞こえるも全力で走っていたら、目の前に黒いワゴン車が急に止まった。車の扉が開き恐怖のあまり足が止まってしまって、連れていかれそうになる。すると夕哉さんが私を連れて行こうとした人たちを殴り、その人たちは車に乗って逃げていった。


「あっぶねえ。一歩遅かったら奪われてた。春陽、怪我してない?」


 恐怖心が一気に出てきて怖かったとつい夕哉さんに飛びつこうとしたらその間に藤ちゃんが入ってきて藤ちゃんに抱きつく。夕哉さんは拗ねているも、藤ちゃんはあっかんべえをしていて怖いものが消え笑ってしまった。

 

「やっぱり陽っちゃん狙いか。昨日、虎にあんなこと言ったからかな」

「あんなこと?」

「陽っちゃんを捕まえたら、うさぎのコスプレさせる気みたい。虎、こう見えてコスプレ好きでさ」


 すると夕哉さんに火がついてしまい、あったらしばくしかないと拳を作っている。止めようがないと苦笑いしつつ、藤ちゃんに言われた。


「お姉さんがどんな気持ちで、陽っちゃんに嘘をついていたのか確認しよう。そのほうが陽っちゃんもスッキリするでしょ?」

「それでもお姉ちゃんの居場所は知らなくて…」

「あぁそれなら今、俺ん家にいるから朝飯食ったら行くか。陽空も色々あって結構落ち込んでるから」


 姉と久々に会うからとても緊張感はあるけれど、藤ちゃんもついてくれるみたいだから、まずは朝ご飯を食べるため家へと戻る。


「春陽、ごめん」

「ううん。大丈夫。お兄ちゃん、お父さんとお母さんにいつ会えるのかな?」

「後で確認してみるね。とにかく食べよっか」


 うんと相槌を打ちながら朝食を食べ、夕哉さんは外で煙草を吸うみたいだ。姉に会うのいつぶりだろうと感じながらも、朝食をしっかり食べ、藤ちゃんがちゃんと薬を飲んだかチェック。

 朝分は飲んだみたいで、昼食はおそらく外食になりそうだからポーチに藤ちゃんの薬を入れておく。

 支度をして夕哉さんの車で夕哉さんのご自宅へと向かうことに。 




 車を走らせて一時間ぐらいに到着し、車から降りていると夕莉さんが出迎えてくれた。


「春陽ちゃん、藤太郎くん、いらっしゃい。陽空は部屋にいるけど、ちょっと落ち込んでるわ」

「あの、できれば二人で話しても大丈夫ですか?」

「わかった。何かあったらあたしたち居間にいるから、声かけてね」


 はいと返事をして家の中へとお邪魔をし、夕莉さんが春陽ちゃん来てくれたわよと伝えて部屋と入る。姉は布団に包まって座っていて、夕莉さんが襖を閉めてくれたことで、座布団にちょこんと座った。


「お姉ちゃん」

「あたしを憎んでるんでしょ?それに何しに来たの?あたしはもう陽羽のこと妹だなんて思ってもいないし、あたしたちは元々赤の他人!陽羽に姉呼ばわれされる筋合いはない!さっさと出てって!もう二度とあたしと関わらないでよ!」


 近くにあったものを投げられたとしても、昔のようにビビったりはしない。破島淡がどうなったのかは知らないけど、一緒に育ったことには変わりはない。


「お姉ちゃん」

「いい加減やめてよ!何回言えば気が済むの?あたしと陽羽は姉妹なんかじゃない!これ以上朝峰家にっ!」


 私は姉に拒否られようとも、突き飛ばされようとも構わなかった。姉の苦しみを、寂しさを、一番にわかっててあげたかった気持ちが強い。

 姉を包みこんな妹でごめんねと伝えるも、あたしには妹なんていないんだってばと突き飛ばそうとする。


 そうだよね。私と姉は本当の姉妹じゃなくても、私にとって陽空は私の大事な家族であり大事なお姉ちゃんだよ。


「夕哉さんとお兄ちゃんから全て聞いたよ。お父さんとお母さんがあの人によって狙われてたのも全部。全部知ったから、お姉ちゃん。もう苦しまなくていいよ。自分を許してあげて」

 

 そう告げたら姉は私の服を掴んで苦しかったことが涙へと変わり涙を流した。大丈夫、大丈夫だよと姉の背中を優しくポンポン叩く。


 ここに来る前、お兄ちゃんから教えてくれたーーー

 



 車に乗り出発をして、お兄ちゃんが姉と会う前に話してくれる。


「凛太郎さんと灯里さんを失わせたと思わせたのは、灯里さんがNoveの一員であることが発覚してね。けど灯里さんはNoveのやり方に耐えきれず、身を潜めながら警察官を目指していたそうなんだよ」

「つまりNoveにお母さんは狙われていたってことなの?」

「それもあって僕たちの両親が色々と手配をしてくれた。そうしなければ今頃、二人は死んでたのは確実だったんだ」


 お母さんが警察官になる前にNoveの組織は存在していたってことだよね。


「それでお姉ちゃんが私をずっと避けていた訳って…?」

「これは僕の憶測だから直接本人に聞かなければならないことがある。陽空がなぜレッドクレインに捕まり、そして現長としてやっているのか。がくが最後に言った言葉覚えてる?」


 がくが最後に言った言葉。


 冬の月と春の太陽、霜に星する。たとえ春の太陽を失ったとしても、必ずや冬の月、夕暮れに指す光が君を照らすだろう。


「覚えてるよ」

「冬の月と春の太陽、霜に星する。その言葉は父さんと母さんと話すために合言葉を言う言葉。おそらくがくは父さんたちの仲間だったからこそ、陽空に説明をしてレッドクレインとして動いているとしたらどうかな?」


 がくはお姉ちゃんに酷いことしたことしか思いつかなくて、それにお姉ちゃんも精神がやられていた。ただ私を助けてくれたのは事実であり、がくが本当にやろうとしていたことを、お姉ちゃんが引き継いでやってるとしたら何をしているのか。


「もしかして、あの人と言うのは藤ちゃんのお父さんじゃないってことになるの?」

「俺たちもまだ確信は持ててはいないが、全て鯨波流史郎がやったことにすれば好都合でもあったとしか言いようがない」

「むう、そう言う言い方やめてくんない?お父さんは迂生のために、いろいろと治療法探してくれた立派なお父さんだよ」


 藤ちゃんが頬を膨らませ怒っていて、やっと鯨波流史郎が私に言った言葉がようやく理解できた。私は逃げることができない定め。その定めというのは二度目に起きた鈴鳩一家殺人事件に私がそこにいたからということ。

 そしていち早く見つけてくれたのは紛れもなく、お父さんとお母さん。えっとややこしくなりそうだから、凛太郎さんと灯里さんが私を見つけてくれた時に、鯨波流史郎も到着した。


 そして少し話していた時に、真犯人が現れ、鯨波流史郎がその犯人を止めている隙に私を逃がしてくれたこと。


「陽っちゃん?大丈夫?」

「平気だよ、藤ちゃん。藤ちゃんのお父さん、私のヒーローだったって思い出しただけだから。がくにはもう会えないけど、お姉ちゃんは何かを知ってレッドクレインの長になったんだよね」

「おそらくね。じゃなきゃ長として動いてはいなかったはずだから」




 現在…… 




 姉がどんな思いを持って私にしがみつき、涙を流して、そしてごめんねと何度も呟く。そのごめんねという言葉は、私に対しての態度や、暴言を吐いたことを謝っているのだろうと感じた。

 昔はそんな姉が苦手となってしまったけれど、姉の気持ちを知れたことで、その苦手というのは消え、受け入れる。ぎゅっと抱きしめて姉に私の思いを伝えた。


「私にとってお姉ちゃんはお姉ちゃんだよ。赤の他人でも姉妹じゃなくても、一緒に育った家族であり、私は朝峰家に育ててもらえて、本当に良かったって思ってるよ。私が重傷負った時、お父さんとお母さんを独り占めしちゃって、私のほうこそごめんね」


 今更こんなこと言っても意味がないのはわかってる。それでもこれ以上、姉を苦しめたくなくて、寂しさを少しでも減らしてあげたい思いがあった。だから私はもう朝峰家としてではないけれど、ちゃんと言わせてね。


「お姉ちゃんと過ごせた日々はどれも私の宝物で、一生忘れない。お姉ちゃん、私、全部記憶戻ったよ。お姉ちゃんと昔遊んだ警察ごっこもちゃんと覚えてる。私は朝峰家ではなくなったけど、私のもう一つの家族と思ってもいいかな?」

「当たり前でしょ。陽羽はあたしの自慢の妹なんだからっ」


 さっきは妹じゃないって発してたのに、思っていてくれたことに私も涙が出てしまった。


 少ししてお互い落ち着いたところで、部屋を出て泣き顔のままだとしても、舎弟さんに居間を教えてもらい居間へと入る。私たちの顔を見て、夕莉さんが私と姉を同時にハグして仲直りできたのねと言われた。

 照れながらはいと答え、姉は夕莉離れてと言うも、離れるわけないでしょと笑う夕莉さん。夕哉さんたちは微笑み姉は勝手に夕莉さんの腕を下ろしてささっと空いているソファーに座る。


 本当に素直じゃないんだからと夕莉さんは言いながら、私は光希くんを抱っこしている藤ちゃんの横に座った。光希くんはきょとんとしているも、私に笑顔を見せてくれて、私のほうへと行きたいようだ。

 藤ちゃんが私の膝に光希くんを乗せるから落ちないようにする。そしたら玲さんが恥ずかしいことを言い出した。


「春陽ちゃんの子ども早くみたいな。まだ二人はそういう関係じゃないの?」


 すると夕莉さんが咳払いして夕哉さんが玲さんに拳骨を与える。私と藤ちゃんの体温は上がるし、それに夕哉さんも頬を染めていた。


「玲が言った言葉は気にしないでね。陽空、あたしいなくなるけど大丈夫?」

「平気、ありがとう」


 姉がそう言い夕莉さんに光希くんを返し、夕莉さんは光希くんを連れて居間を後にする。いなくなったことで姉が全てを打ち明けてくれた。



 あたしがなぜがくと出会ったのか。それは遡ること五年前のことだった。文常大学で勉学に励みながら、警察になるための勉強を図書館でしてた時。同じ学部の子とばったり会い、意気投合したことで、最初は普通のカフェ巡りとかしていた。

 そしてその子が仲がいいという子たちとも仲良くなって、数日のこと。


 クラブに行かないと誘われた時、一度は断ったけれど、二度目はあたしに会いたい人がいるみたいと言われた。その人物が誰なのか、不明で最初は躊躇したけれど、クラブに行くことに。

 慣れない場でもあるものの、どんな人があたしと会いたいのか知りたかった。ソファーに座ってグラスをちびちび飲む人こそ、鯨波流史郎と夜瀬組長。

 そこではっきりしたことが、ここが夜瀬組が持つクラブだということを。警戒したとしても、逃げようとも、絶対に止めが入ると理解し、友達と一緒に鯨波流史郎がいるところに座る。


「鯨波さん、連れて来たから例のもの貰えるんですよね?」


 例のものと思い、もしかして麻薬かなにかとばかり思っていた。もし麻薬が出たらすぐ通報しなきゃとその様子を見たらあるチケットだった。それはWizuteriaのチケットで、あたし以外の友達はファンクラブに入っているらしい。ひとまず安心とほっとしていたら、君もいるかと聞かれ結構ですと断る。


「え?もったいないよ」

「そうだよ。せっかく鯨波さんがくれるって言うのに」


 なんか断れずじゃあと渋々貰い、それは後日陽羽にプレゼントした。友達は踊ってくるようで、三人となったことで鯨波流史郎に言われる。


「陽羽は記憶を戻しているか?」

「記憶を戻したことで、なんの意味を持たないはずだけど?」

「意味はある。陽羽はいずれ大きな選択肢を選ぶこととなるだろう。陽空、お前も気づいているはずだ。陽羽がお前の妹ではないことを」


 鯨波流史郎の言葉で、両親に一度も教えてはくれなかった言葉をもらうとは思いもしなかった。今も心の中はぐちゃぐちゃで陽羽を恨んでしまう部分もある。

 それでもいつかはお父さんとお母さんが必死に守ろうとしている陽羽を、受け入れなくちゃならないのはわかっていても、まだ受け入れる覚悟ができていなかった。

 

「知ってる。どうしろというの?あたしに真実を陽羽に打ち明けて、陽羽を傷つけろって命令なら聞きたくもない」

「そう言うわけではない。私はあくまで陽羽をこちら側につけさせなければならない理由が起きたのだ」

「陽羽に犯罪をさせるなら、断固拒否させてもらう。あの子はようやく前に進めるようになってる。あの時、交通事故に遭わせたのもあなたたちが原因なんじゃないの?」


 ついかっとなって口にしてしまったとしても、鯨波流史郎は後悔という瞳をしていた。夜瀬組長も悔いているような顔立ち。絡んでいるのは確実だったことで、呆れているとそこに淡が現れた。

 淡はその当時、あたしにも冷たい態度をしていて、あたしを見ると嘲笑いこう言われたことを覚えている。


「ははっ。陽羽はな、幼馴染によって命が落とされそうになったんだよ。可哀想にな。昏籐組の息子とただ登校してただけなのによ」

「…幼馴染?」


 あたしが知る幼馴染というのは紗良か翠のことばかり思い込んでいたけれど、淡は鯨波流史郎の顔を一度見て教えてくれた。


「紫蛇純連。紫蛇組長の息子であり、陽羽のいとこだよ。今は立派にWizuteriaのメンバーだがな」


 芸名が利木純連という人物こそが、陽羽と夕哉を巻き込ませた人物。許せないと思っていたら、鯨波流史郎に言われたことがある。


「純連は何も悪くはない」

「なんでよ。指示を与えたのは純連なんでしょ?」

「当時はまだ小学生だ。そんな発想は思いつくわけがない」


 じゃあと混乱をしていたら、もう一人やって来たのが紫蛇組長で、真実を知ることとなる。


「純連と親しかった人物がNovaの人間だとはっきりした。純連を利用してその情報を頼りに陽羽ちゃんを殺そうとしたのだよ。純連は結構落ち込んだ。その人と仲良くしたことで、陽羽ちゃんを危険に晒してしまったと」

「純連はなんて?」

「純連は藤太郎の幸せを誰よりも願ってる。純連は藤太郎の約束を破ったと思っていたんだろう。そして話してしまった。陽羽なんかいなければいいと。その直後に事故が起きたことで、何日かは部屋から出ることもできなかった」

「Noveという組織は一体なんなの?」


 四人にそのことを聞くも、最初は教えてはくれなかった。けれど闇バイトを一度やった時に、あたしはNoveの人と接触したことで、Noveの人が私を買う予定だったけれど、がくに救われることに。


 レッドクレインに住み着いた頃は、正直限界と感じてしまったけれど、ある時。がくが呼んでいると従業員に言われ、鶴 (がく)の部屋に入った。

 がくは気分がとてもよく、嫌な知らせじゃないかと思ってしまうほどだ。


がく

「来たな。お前たちは下がりなさい。二人で大事な話をしなければならないのだ」


 がくの部屋にいた従業員が退室し、またあたしに触れるんじゃないかと思っていた。けれど座りたまえと言われソファーに腰を下ろし、てっきり隣に座ってくるのかと思えば、向かいのソファーに座る。


「話って?」

「私に万が一なことが起きたらここに行きなさい。その建物には受話器が置かれ、合言葉をと言われる。その合言葉は冬の月と春の太陽、霜に星する」

「ちょっと待って。話が全然見えないけど?何?がくはあたしを置いてどっか行くつもりなの?」


 そうではないと真剣な眼差しで言うがくに、戸惑いがありながらも、がくはこう言った。


「私の家柄は知っているだろう。私は昔、息が詰まりそうで自殺を何度も図った。その時だ。救ってくれたのは、陽羽の両親。困った時に連絡しなさいと言われたとしても、私は両親に支配されこの有様だ。制御ができない。今も陽空に触れたいと我慢しているのだ」

 

 ものすごい手汗を見せられ、ハンカチを投げてあげそれで拭き取りながらその続きを教わる。


「陽空をこのように閉じ込めてしまったのはわけがある。Noveの連中が陽空を奪おうとしているから、ここで保護をしていると言うことだ」

「Noveの目的って何?」

「鯨波流史郎暗殺及び星霜家暗殺。そこに陽羽も含まれているが、陽羽を利用したいと考えている奴がいるらしい。その人物はまだ私のほうでは調べがついていないが、必ず陽羽の前に現れるのは確実だ」

「どうすれば陽羽を守れる?」


 がくに聞いたところ、頭に浮かんだのは陽羽の実兄である冬月、そして夕哉の名前が出た時はとても驚いた。


「私の勘ではあるが、きっとこの二人が陽羽を救う鍵となる。失わせては絶対にいけない二人だ。その命が消えれば陽羽はおそらく…」


 あたしはすぐ想像できてしまい、きっとそういう状況に陥った時、必ず敵側についてしまうような感じ。


「今後、どうすれば?」

「なんとか準備は進めて行くが、私が陽空に手をかけ続けてしまった時、私はもう限界だということを覚えておいてほしい。その時は陽空、レッドクレインのこと、従業員のことを、頼む」


 まだ信じられないことがたくさんあるも、がくも被害者なんだと思いながら、がくと生活をしていった。

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