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92羽

 復活ライブ当日となり、私はWizuteriaのスタッフとしてせっせと動いていた。藤ちゃんはスタッフとしてではなくファンとして見ててと言われたものの、純連がいいんじゃないと提案してくれたことで働いている。

 えっとこれはこっちで、これはあっちでとバインダーに挟んである、物をチェックしていたらバックハグが来た。


「藤ちゃん!?」

「えへへ。もうすぐ始まる前にチャージしておこうって思って」

「もう。純連たちは?」

「控え室で曲のチェックしてるよ。陽っちゃん、あいつら呼んだって本当?」


 あいつら呼ばわりは駄目だよと言いたくても、くれのさんとたまたま会った時。お願いと頼まれ賢介と相談してくれのさんの会員番号に電子チケットを送っといた。

 実際に来るかはわからずとも、くれのさんはこう見えてWizuteriaのファンで純連推しなのだ。


「ちゃんと許可は得てるよ」

「そうだとしても迂生に報告来てないよー」


 ぎゅうっと抱きしめられごめんと謝り、いいよと頬をすりすりしてくる藤ちゃん。それを見ていたらしい純連と想がほら行くぞと軽めに藤ちゃんの頭に拳骨する。


「うん。行ってくるね」

「行ってらっしゃい」


 藤ちゃんは純連と想を連れてステージへと上がり、楽しんでと心で叫びながらチェックを終え、裏ステージでその様子を見た。凄い人たちで藤ちゃんたちの愛名が会場に響き渡る。

 藤ちゃんは初っ端から泣きそうになって、待たせちゃってごめんねとファンに伝えていた。


 ほいっとペットボトルの紅茶を賢介からもらい、それを飲みながら無事にできてよかったなと言われる。


「ねえ賢介」

「ん?」

「虎次さんと撮った写真集出回ってるじゃない?それによって悪影響が生まれそうな気がして」

「変な噂が立たないように、あの人がなんとかしてくれているようだから、陽っちゃんはそのまま藤太郎のそばにいればいいんだよ」


 あの人がやってくれているのなら大丈夫だとしても、胸騒ぎがしてしまう。


 前半の曲を歌い切った藤ちゃんは、少し緊張しているようで純連と想が背中を押した。藤ちゃんは一度、純連と想を見てファンに、みんなに報告することがあるんだと告げる。

 するとざわざわとなり始めていくも、藤ちゃんはファンの人たちに伝えた。


「迂生はこの度、一般女性と結婚することを、ここに公表します」


 ドンッとモニターに出たのは私は後ろ姿で、藤ちゃんは幸せそうな笑みを浮かべている写真。この前撮ってもらった写真を活かすだなんて私は照れてしまう。


「これまでファンのみんなに励ましてもらい、活動休止の時期もみんなの言葉に救われた。そして迂生が辛かったり、苦しかった時に、ずっと寄り添ってくれたのは、以前プロポーズした彼女です」


 ここで賛否が分かれるのは覚悟していて、ライブが終わったらSNSが凄いことになりそうな感じだ。


「その彼女は今も迂生の姿を見守ってくれる太陽のような人です。迂生の祝福を祝ってくれるかはファン次第であっても、これだけは言わせてほしい。迂生がどんな女性と結ばれようとも、迂生はファンのことも愛しています。なのでこれからもWizuteriaを応援してください」


 藤ちゃんが頭を下げ、純連も想も頭を下げるとおめでとうと歓声を上げる声があり、女性陣は私たちも愛してると言ってくれる。藤ちゃんらしい言葉だねと見守っていたら、ひゅうひゅうと言っている人がいて、つい賢介の後ろに隠れてしまった。


「藤太郎、やるねえ。よっ賢介」

「虎次、なんで勝手に入ってんだよ」

「別にいいじゃん。あれ以来だね、陽っちゃん」

「その呼び方はやめてほしいです」


 いいじゃんと近づいてくる虎次さんであり、やめろと賢介がストップをかける。虎次さんはふうんと言いながらも私を引き寄せて賢介から離れてしまった。

 そしたらスタッフに成り切っているヴァイオレットたちが動き出そうとしていて賢介が持ち場に戻れと指示を与える。


「復活ライブ終わったらここに来るよう、純連に言っといて。それまでは陽っちゃんを預かっとく」


 虎次さんと一緒にいるわけないでしょと、思いっきり肘打ちを使い、賢介のところに行こうとした。けどすぐ虎次さんに捕まってしまう。


「いたたた。いつの間に護身術つけたのかな。痛い目にあいたくなかったら大人しく一緒に来てもらうよ。それともライブぶち壊されたい?」

「…賢介」

「藤太郎たちには終わったら伝える。虎次、陽っちゃんに何かしたら殺すからな」


 虎次さんはせせ笑いライブ会場を出て、虎次さんの車に乗せられた。出してと運転手に言う虎次さんで、どんどん会場が離れていく。


「こんなこと」


 言おうとしたら片手で頬をぶにゅっとやられてしまい、その手首を掴むも離そうとはしてくれない。


「小生のおもちゃを奪った陽っちゃんにどんな罰を与えよう。どんな罰を受けたい?」


 藤ちゃんはおもちゃなんかないと睨み、虎次は笑い出して、掴んだ手が離れた。どこに連れて行かれるのかはまだはっきりしないけど、なんとか脱出しなければならない。

 虎次さんは頬杖をついて鼻歌を歌い、スマホは鞄の中だし会場へ置いて来ちゃってる。


 ライブが終わるのは八時過ぎであって、それまで虎次さんが何を企んでいるのか聞き出さなくちゃならない。それに純連が関係しているのは確かなことだった。


 車を走らせ到着したその先は、コテージっぽいところで、周りは木が覆っている。助けを呼べないとわかっていたとしても、この中に入るのには躊躇してしまう。

 それでも虎次は後ろから肩を組み入ろっかっと中へと入った。


 あまり使われてはいないような雰囲気であっても、どこかの部屋から悲鳴が上がっている。それが男女問わずでここで何をしているのか、想像がつかなかった。

 一つの部屋へと連れて行かれ、そこには厳つい人たちがこっちを向く。


「状況どんな感じ?」


 虎次さんが厳つい人たちに聞いていて、変わりないですと報告を上げる。厳つい人の一人がその女はと虎次さんに聞いていて、小生のおもちゃと言い出した。

 あなたのおもちゃになったつもりはないとその手を払うもガシッと掴まれてしまう。


「何時に来るかわからないけど、純連が来たら教えて。それじゃっ行こっか」


 藤ちゃんのライブ見てたかったと虎次さんに引っ張られ、別室へと向かった。別室の部屋に入ると豹柄の家具でポスターはなんと限定版の藤ちゃんポスター。

 それを見ていたら虎次さんがこれに着替えてと言われるも、嫌だと断る。


「じゃあライブは」


 そう言われ服をもらい、死角になるところで着替えようとするも、これって豹柄ワンピースなのに尻尾までついていた。これ後で豹のカチューシャまでつくんじゃ。

 まだーと聞こえ、まだですと言いながら仕方なく着替え、尻尾邪魔と思いつつも、着ていた服を持って虎次の前に立つ。


 やっぱり恥ずかしいと虎次を見られずにいたら、私の頭にはやっぱりカチューシャがつく。虎次はツボったっと笑い出し、近くにあったクッションを投げつけた。

 こんな姿藤ちゃんに見せられない。虎次は連打していて撮らないでと虎次のスマホを奪おうとしても、奪えないでいる。


 頬を膨らませていたら、またもやパシャッと撮られ、わしゃわしゃと私の髪の毛に触れた。

 

「面白すぎてこのまま飼いたいぐらいだよ。小生に見せるその目が堪らない。威嚇の目をな」

「威嚇するに決まってるし、虎次さんの目的はなんですか?」

「陽っちゃんに教えるわけないじゃん。それとも小生の中身知りたくなっちゃった?」


 私の手を握って虎次さんの胸に当てられるも、知りたくないと拒絶する。


「拒絶する陽っちゃんも堪らないなぁ。こうなったら」


 虎次さんが何かをしそうで、こっち来ないでとクッションを再び投げていたら、虎と扉が開いた。


「お取り込み中悪い。こっちに向かってくる連中が来てる。どうする?」

「種類は?」

「犬と龍っぽい」

「敵視しているっていうのに、賢介教えたっぽいな。動けるものは周囲を固めろと伝えろ。小生はこの雌虎ちゃんともう少し遊んでから行くわ」


 了解とその人は扉を閉めた途端、ほら雌虎ちゃんといきなり言われて、全てのクッションは投げ終わってしまう。物を投げられそうなものはなく、虎のぬいぐるみがあっても効果は薄そうだった。

 後はと下に引かれてある豹の絨毯をずらして、尻餅をつかせた後、扉のほうへと行くしかない。


 虎次さんがその絨毯を踏んだ瞬間に、足で引っ張ったとしても虎次さんはびくとも動かなかった。


「小生がこれくらいで転げ落ちると思った?困ったちゃんだね」


 虎次さんは冷ややかな笑みで、私がやったことをやり始めて、バランスを崩し転びそうになる。そしたら虎次さんが助けてくれて、もうこんなことしちゃ駄目だよとつんと私の鼻に触れ、体制を立て直してくれた。

 窓の様子を見ていて私を抱き上げたのだ。


「ちょっと」

「ここまで小生を楽しませてくれるのは、陽っちゃんだけだよ。ちゃんとした場所にいてもらわなくちゃね」

「降ろして」


 降ろさないとそのまま歩き始め、虎次の部屋らしき場所から移動をした。


 私を助けに来てくれるのはシルバーウルフとそれから龍は一体誰なんだろう。虎次さんは通りがかりの人に指示を与えつつ大きな扉の中へと入った。

 そこにはさっき聞こえていた悲鳴を上げていた人たちで、鞭で叩かれたような痕が残っている。


「邪魔、どいて」


 そういうとゆっくりと立ち上がり壁側のほうに座り始め、虐待じゃないと感じてしまった。一人がけソファーに虎次さんは座り、そのまま私は膝の上に座る羽目となる。


「このことばれたら」

「ばれない。それに壁際にいる奴らは、子供を見捨てた奴ら。だからたっぷりとお仕置きが必要なんだよ」


 そうだとしてもこんなの間違っていて、早めに助けに来てくれるのを祈るしかなかった。


 ◇ 


 春陽たちの両親から連絡をもらい、まさかこのタイミングでNoveに春陽を奪われるとは想定外だった。シルバーウルフも動いているらしいけど、雪がいない今、まるが仕切っていると聞いている。

 途中まで来たもののコテージということもあり、木々の中でもあるため視界が奪われそうだ。


 ここはシルバーウルフの到着を待ってから動いたほうが良さそうだな。それにしてもまだ兄貴って感覚はねえし、親父は今だに夕佑が帰って来たことで怒っていた。

 また帰ったら親子喧嘩が始まりそうだなと様子を見ていると、夕佑が春陽のことについて聞いてくる。


「春陽ちゃんってどんなの子なの?好きなんでしょ?」

「なっなんで」

「顔真っ赤。夕哉が認めた女だからきっと可愛いんだろうね」


 そう言われ今でも沸騰しそうな勢いになり、春陽可愛いよとボソッと伝えた。ふと気になったことがあり、夕佑に聞いてみる。


「なんで家に帰って来なかったんだよ」


 夕佑は表情を変えずにいて、それはねと夕佑がいきなり立ち上がり、背後にいたっぽいNoveの連中を倒した。


「俺はある秘密を知ってしまったことで帰れず、監禁生活を送っていたんだよ」


 どんな秘密を知ったのかまだ情報はもらってはいないけど、夕佑はNoveに育てられていたって。それに千夏を助けたのもわけがあったんだろうとは思うも、それはまだ教えてもらってはいない。

 すでに夜になって少しずつ動いてどれくらいいるか、確認したほうがいいな。


 玲はおそらく気配を消せる奴だからすでにコテージの中へと入ってそうだ。


「光太、そっちの状況どうだ?」

『結構外に見張りの数が多いですが、春陽ちゃんの姿が見えません』


 春陽がどの辺にいるのかはまだ特定はできないってことか。Noveにいた夕佑は本当に抜けてきたのに、接触しちゃっていいものだろうかと疑問を抱く。


「夕佑、あのさ」


 聞こうとしたら、まると冬月たちが到着し、どんな感じと冬月に聞かれる。


「光太の情報だと外に見張りが多くいるらしい。それから玲はおそらくもう中に入ってると思う」

「それでお隣はんは誰なんや?見たことがないんやけど」

「夕哉の兄、夕佑。よろしくね。シルバーウルフの構成員さんたち」


 まると冬月は怪訝そうな顔立ちで夕佑を見ていて、仲良くできるかは不明だ。様子を伺っているとバイブが鳴り誰だと確認する。玲からメッセージが届き、それをタップしたらなんじゃこりゃあと思わず大声を出してしまった。

 何してんねんとまるに指摘され、Noveの連中がこっち来て、殴り突破するしかない。


 玲が送りつけてきたのは、春陽の姿で、豹柄のワンピースに豹のカチューシャーをつけて、知らない男の上に座って寝ていたのだ。撮ってないで春陽救えって言いたいぐらいだよ。



 お先に侵入して状況を確認したが、春陽ちゃん絵になってんなと思わず無音カメラで撮影し、夕坊に送った。今頃暴れてそうだなと思いながらも、姿を現す。


「龍のしもべが来ても陽っちゃんは渡さない」

「何が目的だ?」

「目的?それは小生のおもちゃを陽っちゃんが奪うから、藤太郎が大事にしてる陽っちゃんを奪った。少し遊んだけど小生のものにしようって決めてさ」


 春陽ちゃんに触れる奴で汚い手で触るんじゃねえよと拳を使って、春陽ちゃんを救おうとした。そしたら壁際にいた奴らが前に出ていて、混乱が起きる。

 なぜなら鞭で叩かれたような傷跡があり、Noveという連中がやったはずなのに、なぜあいつを庇う必要があるんだ。


「ご主人様を守る」


 叩かれた者たちはあいつのことをご主人様と呼び、そして襲いかかってくる。無関係な人を利用されちゃあいつを殴れない。この人たちをまず気絶させてからのほうが良さそうだなと、気絶させようとした時だ。

 春陽ちゃんが起きチャンスかもしれないと動こうとしたら、えっと足が止まってしまった。


 なぜなら春陽ちゃんがとった行動は、あいつに甘えるような仕草。待て待て春陽ちゃんが捕まったと報告をもらって来たんだぞ。あいつに何かされたのかと困惑していたら、春陽ちゃんがこっちを向いて何か自分に伝えようとしている。

 襲いかかってくる人を倒しつつ、春陽ちゃんの行動を読み取るとチラッと扉らしきものがあった。あそこに何かがあるんだと知り、そっち方面に行こうとしたらそこは行かせないと仲間が出てくる。


「知られたくないことがその先にあるんだな。でお前は誰だ?」

「はあああぁぁぁ!わしのこと知らんじゃと!?虎、こいつ馬鹿げてる!」

「ははは。豹馬のこと知らないだなんて、まだまだ評判が出てない証拠だよ。笑える」


 笑うなと赤っ恥をかいている豹馬という奴で、そういや春陽ちゃんと一緒にいる奴、よくよく見たら藤太郎と一緒にドラマとかで見かけた顔だな。

 春陽ちゃんを軽々と抱き上げながら立ち上がり、その中へと入ろうとする虎。


「春陽ちゃん!」

「わしのこと、ようわかるまで、叩き込んでやるわい!」


 豹馬が邪魔してきて、春陽ちゃんを連れ入らせるかと豹馬を投げ倒し、行こうとしたらその必要はなかったようだ。その扉の前には冬月がいて自分の前には夕坊が殺気を立たせている。


「ありゃあ犬と龍同時に来ちゃったか。一人ずつだったらよかったのに」

「春陽を今すぐ降ろせ!お前、Noveの首謀者だろ?」

「さあどうでしょう。陽っちゃん、返してほしいなら、今ここに来る紫蛇組長、純連を殺してくんない?あいつがいると邪魔でさ」


 純連が紫蛇組長だととつい春陽ちゃんの顔を見た。自分があっちにいた頃はまだ純連は若頭として動いていたはずだ。何がどうなってると混乱している暇もなく、ぞろぞろとNoveの連中が現れる。


「もし嫌というなら、陽っちゃんは返さな」


 プルルルと爆音が聞こえどこからか鳴っているようだった。すると厳ついおっさんが受話器を持って来て、虎次の耳に当てている。


「えぇなんでよ。あーうん。まだ純連来てないけど、この雄たちに渡しちゃっていいのかよ。わかったわかった。じゃあな」


 誰と話していたのかは不明であっても、虎は春陽ちゃんを降ろし、あとは頼んと違うところから出ていった。それによってNoveも退散していき、春陽ちゃんは夕坊に抱きついたのだ。



 ライブが終わり陽っちゃんのところへ行こうとしたところ、賢介が険しい顔をして待っていた。


「陽っちゃんは?」

「虎次に奪われた」

「なんで助けてあげなかったの!」


 つい賢介の服を掴み、賢介は悔しそうな顔をしていて、言われる。


「会場内に爆弾が仕込まれてた。中断をすれば多くの犠牲者が出てもおかしくはなかったんだよ。それで純連、虎次があそこに来いって」

「陽っちゃんを人質か。あの人に報告は?」

「してあるけど、陽っちゃんは無事だと思う」

「どういうこと?」


 想が気になっていたっぽく、賢介が言おうとしたら、賢ちゃんと賢介の彼女が走ってきた。


「賢ちゃん、それから藤太郎さんたち、春陽ちゃん無事保護できたって報告が来たの。ただ」


 賢介の彼女はスマホを見せてくれて、陽っちゃんのその姿に怒りが込み上がってくる。迂生の陽っちゃんをこんな姿させる虎次を許さない。


「虎次と会えるようにしといて。陽っちゃんは?」

「お兄さんの家にいるって。迎え行こうか?」

「迂生が行く。住所送っといて。着替えて陽っちゃん、迎えに行こう」


 もやもやが晴れないまま、着替えて迂生は陽っちゃんを迎えに行った。



 とある場所……


 そこは司令部らしきような場所で、いくつかの画面にはいろんな防犯カメラの映像が流れていた。その映像を一つ一つ確認している男性こそが、星霜月人である。


「月人さん、娘さんが無事保護されたと報告が上がりました」

「そうか。雪昼のほうはどうなっている?」

「今のところ安定はしており、すでに記憶が蘇ったとのことです。どうされますか?」

「回復次第、ここに来るよう伝えろ。それから藤太郎の様子は?」

 

 部下はタブレットを出し、その記事の内容を確認した。すでに藤太郎は春陽を手にし、あの人の手の中の奥へと入ったことがはっきりする。

 まだ一度も愛娘には会えていないが、Noveを利用し、あの人の権力を壊せれば春陽は解放されるだろう。


「引き続き藤太郎を監視するよう、催花に伝えとけ」


 承知しましたと部下は下がってもらい、さて二人にも動いてもらうとしようかと二人がいる部屋へと向かった。春陽はまだこのことを知らないが、そうしなければあの人は春陽の大切な人までも奪うからな。

 ノックをしまだ混乱をしているような姿であっても、凛太郎はやるつもりのようだ。


「覚悟はできたか?」

「まだ信じられないことが多いが、全てを終わらせることができるのならば協力する。妻も同意見だ」

「では凛太郎は私と一緒に来い。灯里は陽子と」


 凛太郎を連れてある場所へと向かうことに。

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