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67羽

 中学生になり学校内でもやつがれはまると冬季、三人で過ごす日々。学校内ではあれが噂のとこそこそと聞こえるも平然と暮らしていた。

 絡んでくる連中はひたすら殴り、寄ってくる女はひたすら近寄るなオーラを出す。その様子を見ていた冬季は、昼休憩時にこんな質問をして来た。


「せっかくいい女なのに、なんで断ってしかも近寄るなオーラ出す?」

やつがれはいずれボスとなる。今付き合っていたら、その女とその家族、友人が狙われるからだ」

「別にボスは恋するなとかは言ってへんのになんでや。それとも白髪を気に入ってくれる子を探しとるん?」


 失礼だとまるの口にサンドウィッチを突っ込み、まるは青ざめ水と手を伸ばし、冬季が水を渡して飲んだ。


「殺す気か!」

「余計なことを言うからだ」


 まるはやつがれがしたことを起こりつつ、なぜか冬季は笑っていた。冬季はまだ小学生だと言うのに中等部の敷地にいるのは、フェンスを超えて勝手に来ている。


「小等部の昼時間違うのに、よくここまで来れるな」

「授業簡単すぎて、飽きるから雪昼とまるのところに来てるだけだ」

「先生に怒られへんの?」


 飲み込めたまるが聞き、冬季はんーと考え、やつがれたちに言う。


「怒られるけど、いつもテストで百点出すから多めに見てくれてるんだと思う」


 冬季がそんなことを言うもので、僕とまるは同じことを考えていた。どんな教育を受けていたのかと。小学生だと言うのに、軽々とこなし、しかも構成員を倒せる威力をつけているのだ。

 実際に冬季の両親から教訓を受けたかったものだよと昼休憩が終わるチャイムが鳴り、それじゃあとアクロバットを使いながら、小等部の校舎へと戻って行った。


 そんな日々がありつつ、昼秋が三歳の息子、つまり真昼を連れて帰って来た時はどうなるのかと思った。昼秋は父親と二人で話し合うため、やつがれは真昼と遊ぶために外で歩いていた。

 ふうむ、昼秋の息子だとは言え、真昼にそっくりすぎるから、弟ができた気分だ。冬季は学校の友達と遊んでくるとかで不在で、まるは後ろで連射するほど写真を撮っている。


「まる」

「可愛すぎるで。これで白髪だったらもっとえぇのにな。昔の坊っちゃんを見てるようでおもろい」


 まるの発言にため息が出るも、いずれやつがれにもこんな可愛い息子ができるのだろうかと夢を少し持ってしまう。ちょっとコンビニ行ってくるわと、まるはコンビニへと行き、そのまま歩いていたら、懐かしい声が聞こえた。


「あなた、その子とどういう関係?見るからに怪しい」


 まさか灯里に疑われるとは思わなくて、しかも灯里と手を握っている少女に目がいく。くりっとした目でお人形のような顔立ちであっても、灯里と全然似ていなかった。

 雪昼の弟と言う前に、交番一緒に来てもらうわよと言われ、ちゃんと説明をしようとした時のことだ。灯里がやつがれを抑え、真昼と手が離れてしまう。

 真昼はどうしようというような表情で、やつがれは不審者じゃないと灯里に伝える。しかし灯里は聞いてくれなくて、困っていたら灯里待ってと昼秋が来てくれた。


「南雲くん?こいつを早く交番に連れて行かなくちゃ」

「灯里、誤解だ。真昼、おいで」


 真昼は昼秋のそばにより、それでも開放してくれない灯里だったところ、陽羽が灯里に言った。


「白髪のお兄ちゃんは、不審者じゃないよ。だって顔見ればわかるもん。だからお母さん、離してあげて」

「灯里の子どもが言ってる通りだよ。覚えてない?僕の弟を。頭が白髪でハスキー犬と一緒に交番来てた」


 灯里は数秒後、雪昼くんと驚きながら離れてくれて、何度もやつがれに謝っていたな。


「それにしてもこんなに大きくなって。あれからお友達できた?」


 友達できたというより、付き人と一緒にいるからそういう関係ではないが、できたと告げた。


「よかった。心配しなくても良さそうね。それより、南雲くん、あの騒ぎで辞めたって聞いたけど、今は?」

「サラリーマンだよ。今日はたまたま、父さんに用事があって、実家に帰ってるだけ。真昼?どうした?頬染めて」


 真昼は昼秋の後ろに隠れてしまうも、ひょっこり顔を出してはまた隠れてしまう。真昼の目線は陽羽のようでなるほどなとやつがれたちは笑い合う。

 少し話そうかと昼秋が灯里を誘ったことで、公園へと入り、やつがれは二人の相手をしてあげることに。まるは昼秋と会っていることを知り、影で見守ってくれている。


「さっきは本当にごめんなさい。疑いを持ってしまって」

「別にいい。それに灯里に嘘をついていたのは事実。雪昼は僕の弟で、僕の一家はシルバーウルフという組織。以前、南雲一家殺人事件はシルバーウルフが関係していた。妻はシルバーウルフに、妻の姉はレッドクレインという宗教集団に引き取られてね」

「そこで何が起きたの?」


 昼秋が発したことで、なぜ昼秋が駆け落ちしてあの家を出て行ったのか、明らかとなった。


「南雲一家殺人事件と呼ばれているけれど、実際は裏社会で動いていた一家。あのお方に楯突くものは排除される。一度は猶予を与え、娘たちを人質に取った。結局両親はあのお方に楯突き、娘たちは好きにしろと言われ、父さんは天美に手を出そうとした。その当時、僕たちの母親が亡くなったから、雪昼の母親に相応しいかテストをしていて」


 知らなかった。そんな事情があっただなんて。


「このまま行けば天美は自殺しかねない。そこで僕は可愛い弟を残して、天美を連れて出て行ったんだよ」


 白髪のお兄ちゃんと陽羽が心配してくれて、平気だと陽羽の頬に触れるも、やつがれの頬は濡れていた。


「姿を消して、雪昼がどんな思いで育ったのか、目に見えてた。だから僕の代わりと思って、構成員に頼みハスキー犬を用意したんだよ。寂しくないようにってね。そしたらまさか、ハスキー犬を連れて散歩する姿を見られるとは思わなかったよ」


 昼秋が昔話をするから真昼がハスキーって何と聞いてきて、わざわざまるが昼を公園に離してくれる。すでに老犬でもあるけれど、最高のプレゼントだと知れた。

 可愛いと真昼と陽羽は昼を撫で、昼の赤子を真昼にプレゼントしてやろう。

 

「この犬名前なんて言うの?」

「昼と言ってな。昼はやつがれの相棒なんだ。常に一緒にいてくれて、癒しをもらっていたよ」 

「僕も相棒の犬欲しい。かっこいいもん」

「かっこいいだろう。陽羽は見てどう思った?」


 そしたら陽羽は違う犬を求め、涙が吹っ飛ぶくらい笑う。 

 

「そうか、陽羽はいずれ警察官になるから、ハスキーじゃなくてシェパードが欲しいのか」

「うん!お父さんみたいな立派な警察官になるの」

「楽しみにしてるよ。真昼は将来、どんなことしたいとかはあるのか?」


 真昼は昼を撫でながら考えつつ、昼秋の顔を見ては陽羽を見て、こう言った。


「陽羽ちゃんの相棒になりたい」


 勇気を振り絞って言った真昼が可愛すぎて、真昼は照れてしまい昼秋の後ろに再び隠れてしまう。陽羽が相棒はお姉ちゃんだから駄目っと言い出して、真昼が落ち込んでしまう。

 こら陽羽と優しく叱る灯里で、こんな日々が続いてほしいと願っていた。


 されどやつがれの願いは届かず、真昼にハスキー犬をプレゼントして半年後。昼秋は亡くなったと知らせを受け、真っ先に真昼の元へと駆け寄った。

 真昼は部屋に引きこもっており、飼っていたハスキーのリードだけ握っている。


「真昼…」

「雪叔父さんっ」

「目一杯泣きな。やつがれがそばにいてやるから」


 真昼のベッドに座り、真昼はやつがれの胸で泣き喚き、なぜこうなったと混乱がありつつも、真昼を慰めていった。


 泣き疲れた真昼を寝かせ、天美はというと絶望に満ちた顔立ちでソファーに座っている。話しかけても難しそうだなと思いながらも、日本にいる間は様子を見に行こうと決めた。


「まる、昼兄を殺した奴は?」

「自首をしたようやで。紫蛇組長みたいやけど」

「紫蛇って確か」

「あのお方の右腕と呼ばれてる人だよ」


 そこに冬季が部屋に入って来て、資料を見せてくれる。紫蛇組は代々、鯨波家と深い関係を持っており、シャドを動かしているのも紫蛇組だという。


「シャド?」

「覚えてへん?何度かお会いしたことあるで」

「あんまり覚えていないが、父さんなら何かわかるかも知れない」


 そう思い、構成員に頼んで本拠地となるアメリカへと出発した。


 久々のアメリカで帰ったら時差ぼけになりそうと思いながら、本拠地に到着し、父さんの元へと行く。しかし父さんは寝込んでいて、あまり食事は取られていないようだった。

 二人きりにさせてくれとまると冬季に伝え、ベッドの付近にある椅子に座り、父さんの手を握る。


「昼秋か…?」

「雪昼、父さん」

「お前か…昼秋は?昼秋は何時に帰ってくる?」


 精神的ダメージを受けており、このまま父さんを一人にさせたら危険を感じた。今はゆっくり休んでほしいと伝えると、ゆっくりと瞼を閉じ、昼秋を殺した蛇を許さないという怒りが芽生えた。


「まる、冬季」

「いつの日か来るとは思ってたやけど、ほんまに今のタイミングで受け継ぐ気なん?」

「そうだよ。まだ僕たち、未成年であってやれることは限られてる」

「わかってる。父さんの容体を見つつ、構成員を動かして情報をかき集める。なぜ昼兄が殺されなければならなかったのか。簡単に殺されたりはしなかったはずだし、感知できてたはず。何年かかろうとも、真昼のために、父さんのためにやるぞ」


 まると冬季は頷いて冬季は裏社会での情報をかき集めてもらい、まるは構成員を動かしながら冬季が持って来た情報を整理してくれる。


 悲劇はまだ続いていた。日本に帰国し、海星学園に通いつつ情報をかき集めていたところ、一通のメールが届く。それは鯨波流史郎からのメールで、その内容を確認してみるとこう記されていた。


 学園長室に来い。ただし付き人は連れて来るなと。


「まる、冬季。学園長に呼ばれたから、ついて来なくていい」

「罠だったらどうするん?」

「平気だ。なんとかやり過ごす」


 二人は心配になるも気をつけてと言われながら、大学にある学園長室へと向かった。これがたとえ罠だと思っていても、絶対に屈しない。

 学園長室に到着し、ふうと深く深呼吸してノックをし、入れと言われたから入った。


 初めてみる鯨波流史郎であり、罠じゃなさそうだとしても油断はできなかった。座れと言われたものだから座り、鯨波流史郎がある写真を見せる。


「私の息子、藤太郎。分け合って重い病気を患っている。そこでシルバーウルフの息子、つまり後取りとして取引をしたい」

「父さんにそれは言ってもらえないか?やつがれはまだ未熟者で、そういうやり取りはまだできない」

「ボスは病んでいると聞いている。長男を失ったこと、お悔やみ申す」


 感情がこもっていない言葉なんて受け入れられない。鯨波流史郎は昼秋が殺された訳を知っているからだ。内容だけでも聞くかと、いやいやでも話を聞く。


「取引の内容次第で決めさせてもらう」

「シルバーウルフは優秀な医者と取引していると聞いた。そこの病院だったら治る確率が高まると聞いてな。その代わり昼秋の息子には手を出さない」

「こちらのメリットが見えない。命の保証とはいえ、藤太郎が元気になったら真昼を殺す気だろ」


 取引は必ず守ると言われても、やつがれは全く受け入れられなかった。やつがれが断固拒否していると、鯨波流史郎に言われる。


「春陽がどうなってもいいんだな?」


 すっともう一枚、見せられたのは陽羽であり、そんなはずはないと目を疑う。陽羽は灯里の娘であり、てっきり父親似だと思い込んでいた。


「目を見ろ」

「目?」


 陽羽の写真をとりまじまじと見ていると冬季の目とよく似ていた。そしてもう一枚見せられ、それは冬季の幼き頃の写真。


「冬月の目は父親譲り、そして春陽も父親譲りなのはわかっていた。あの目は今でも忘れられない。引き取られているが、すでに何度か会い、息子にも会わせている」

「春陽をどうする気だ?」

「いずれこちら側につかせる。成人したら迎えに行く予定だ。もし断れば今すぐにでも春陽を連れ戻す。お前の選択肢で春陽の運命は変わるということだ」


 全然気づかなかったし、よりによって春陽と接触していることを冬季が知ったら相当危険だな。とにかくここは引き受け様子みるしかなさそうだ。

 それにまだ冬季が生きていることは、ばれていないようだからな。


「父さんに話はつけておく。少し時間をもらうがいいか?」

「構わない。受け入れ可能になったらすぐ知らせろ」


 取引成立となり、まだ父親は昼秋の死であまり外出はしなくとも、冬季とまるを置いてすぐアメリカへと帰国した。父親は庭にあるロッキングチェアで景色を眺めている。


「父さん」

「雪昼、帰って来たのか」

「父さんの知り合いの医師に受け入れ可能か確認してほしい」

「あのお方から指示を受けたのか?」

「あぁ。それと春陽と接触していることが判明した。冬季がそれを知ったら…」


 報告すると起きあがろうとする父親だが、ふらつき支えながら車椅子に乗せた。私の部屋まで連れてってくれと言われ、車椅子を押しながら父親の部屋まで連れて行く。

 部屋へと入りこれをと鍵を渡され、机の引き出しの鍵だと指示をもらい、引き出しを開け中を見る。そこにはB5サイズぐらいの分厚い手帳だけがあり、これかと父親に確認するとそうだと答えた。


 その手帳を開いてみると思わぬことが記されていて、思わず父親を見てしまう。なぜ春陽が狙われる対象となっているのかを知ることになるとはな。


「いずれお前に託す予定だったから、持ってて構わない」

「このまま春陽を刑事に渡してていいのか?このまま行けば育て親も姉妹も危険になる」

「だろうな。それに一度、春陽と接触し、純連が気づいてしまった」

「あの純連が?」


 頷き貸してくれと言われたもので手帳を渡し後ろにあったほうに写真を見せてくれた。それは純連が赤子を抱っこして、落とさないようにと冬季の母親も写っている。


「これって?」

「紫蛇家と繋がりがあり、調べたところ星霜家と紫蛇家はいとこ関係であることが判明した。シルバーウルフとレッドクレインが取引をしているのもごく一部のみ。純連にも渡っていて、あの場に居合わせた。純連にとってはいとこを守りたい一心で現れたのだろう。それが裏目となり春陽の存在がばれた。そう考えている」


 純連は何度か会ったことはあったが、あまり仲良しというほどでもなかった。それに純連が鈴鳩児童保護施設にいたのも春陽を監視するためだったとしたら。


「春陽を守る為にも保護する必要がある。雪昼、頼めるか?」


 本来、父親はそういう目線ではなく、犯罪に染めるも、この日は特に違い、まるで父親目線のような瞳だった。


「もちろんやるつもりで、父さんに会いに来た。どうすればいい?やつがれはまだ未熟だし、構成員を動かせるほどの力はまだできない」

「しばらくこっちで過ごせ。まるも冬季も戻るよう伝えろ。二人が戻ったら指導する」

「伝えとく」


 そこからはまると冬季をアメリカに戻し、訓練を行おうとした時のことだった。日本に残っていた構成員から連絡をもらい、春陽が事故にあったと報告を受ける。

 すぐさま病院へと行ってやりたくとも、行ったとしても何もできないと思い、構成員から指導を受けていった。



 少ししてまると一緒に部屋へ行ってみると、冬季があの手帳を見てしまう。


「冬季?」

「…純連、春陽の顔覚えてたんだ」

「心配すんな。純連は春陽を守ろうとしただけだって父さん」

「違うよ。純連は春陽を守るためにおじさんたちの前に現れたんじゃない。僕はこの目で見たんだよ。純連が春陽を巻き込んだ運転手に。春陽を狙って事故にあえって。知ってたのにっ僕何もできなかったっ」


 手帳をぎゅっと握りつうと涙を流して、冬季は何も悪くないとまると一緒に慰めた。


 そして数日経ち、構成員に指示を与えられるようになって、日本に帰国した。そこでまたもや衝撃なニュースを知ることとなる。それは藤太郎たちが乗った飛行機が墜落したニュース。なぜこのタイミングで墜落事故が起きたのか。

 あのお方は黙っちゃいないだろうなと思いながらも、春陽は退院していることも知り、懐かしさの公園へと行ってみると、春陽と出会えた。 



 お兄ちゃんがなぜシルバーウルフに入ったのかも知れ、私の一家が暗殺一家だっただなんて信じられない。だけど疑問に浮かぶのは、鶫が言った言葉。


〝陽羽の両親は善良な人だったようだ〟


 なぜ鶫はそう言ったんだろうと、鶫の顔を見たら、そろそろかなと鶫が言うと扉が開く。そこには真昼くんのお父さんより年上の大人二名が現れた。武装の格好をしていて、鶫の仲間なんだろうけど、どこかで会ったような感覚。


「出発はもうできそうかい?」

「はい。準備が整い、いつでも準備は可能」

「そうか。よろしく頼む、士柳」


 はっと敬礼して去って行く二人で士柳家ってまさかと鶫を見てしまった。


「言ったではないか。陽羽の両親は善良な人だったと」

「実際は透と玲の里親であって、本当の両親は他界されてるよ」


 くれのさんにそう言われ、ならなぜ私の一家はそう言う風に呼ばれているのか不思議で堪らない。考えていると雪が教えてくれた。


やつがれの父親が言うに、実際は殺してはいなく、偽装をし手いたのだよ。それがばれたことで、陽羽の両親は消されたということだ」

「お兄ちゃんはそのこと?」

「もちろん、冬月も人を殺めたことは一度もない。やつがれのライバルとして、友人として、家族としてそばにいるだけだ」


 そうだったんだと胸を下ろし力が抜けた。漆月くんはなんか納得していないような顔立ちでもあるも、陽羽先輩、やっぱ大物だったんじゃんと呟く。


「それで俺様もこっちにしばらく置いてくれるんだよね?」

「ただで住ませるわけないだろう。夜一はこう見えてハッカーでもあるだろうから、シャドにハッキングされないように防衛を頼みたい」

「ふうん。了解。パソコン置いて来ちゃったから、新しいのちょうだい。それからさ、一つ頼みたいことがあんだけどいい?」


 なんだと鶫が聞くと玲さんの彼女さんがヴァイオレットに捕まってしまったらしい。


「えっ?だったら」

「陽羽、約束しただろう。たとえヴァイオレットが関わっていたとしても、陽羽は連絡しないと」

「そうだけど、玲さんの彼女さんがなんで狙われるようになっちゃったの?おかしいよ」


 私が言い切るとみんなは一斉に黙ってしまい、何かを知っているようだった。なんで教えてくれないのと混乱していると、物知りの漆月くんが教えてくれる。


「早く陽羽先輩に言えってあれほど言ったのにさ。なんで俺様が言わなきゃ行けないんだよ。帰って来たら叱るけど、陽羽先輩、直接本人から聞いてあげたほうがいいから詳しくは言えない。玲の彼女はね、夕莉。夕哉のお姉さんであって、玲は昏籐組本部長、ヤクザなんだよ」


 玲さんがヤクザ、玲さんや透が夕坊って言ってたのって。信じられなくて私は多分、しばらく固まっていたと思う。

68羽〜70羽、出来上がり次第、配信します。

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