59羽
賢介と初めて会った日は、俺が二年生に進学してまもない頃だった。父さんに連れられ病院に足を運んだ俺は、複雑な気持ちで病室へと入る。なぜならその時、まだ陽羽が入院していたからだ。
後でこっそりと陽羽の病室へと行こうかなと思いながらも、賢介は背を向けて窓を見ていた。親父は話し相手になってあげなさいと言われ、父さんは一度病室を後にする。名前を教えてもらっていなかったからなんて名前なんだろうと近くにあった椅子に座った。
「俺は疾太って言うんだ。名前なんて言うの?」
それでも賢介は体をこっちに向けず、どんな奴なんだろうと気になって顔を見たら、賢介は寝ながら涙を流している。風が吹きオーバーテーブルに置いてあったノートがパラパラと開いた。
鉛筆が挟まっていてそのページには、死にたいという文字がいくつも書かれてある。どうしてそこまでして死にたかったのか、俺には理解できずそれ以外のページにも同じ言葉が書かれているのかなとつい見てしまった。
しかし書かれてあったのは置いて行かないでという文字。家族に置いて行かれたのかなと見ていたら、賢介が起き出して目を擦りながらあんた誰と聞かれる。
「俺は氷雨疾太」
「あー氷雨のおじさんの子ども。おじさんは?」
わからないと伝え、俺がノートを見ていたことに気づくも、見るなと焦ったり、怒鳴ったりはせず、そのノート返してと言われた。そのノートは引き出しに終われ、俺は椅子にちょこんと座る。
「後、もう少しで退院できるって言われてさ」
「うん」
「それでも俺が帰る場所はどこにもない。またどこかの施設に入るかもしれない。だから俺のことは気にしなくていいから」
賢介は全てを諦めているような瞳で、俺はつい発した。
「帰る場所はきっとあるよ。それに父さんが言ってた。お兄ちゃんができるよって。それって賢介のことなんじゃ」
「俺は疾太の親父さんに世話になるつもりはない。だからお兄ちゃんのことは諦めて」
そう言って賢介は布団に潜り、初日はそれ以来話してはくれず、父さんが話しかけてもうんともすんとも言わず帰ることに。ノートに書かれてあったことを、父さんに話してみる。
「父さん」
「どうした?」
「あのね、賢介のノート、つい見ちゃった。置いて行かないで、死にたいって何度もノートに書かれてあった。賢介はなんであんなことをいっぱい書いてるの?」
「賢介はな、心のダメージがとても大きいから、そのようなことをノートに書いているんだ」
つまりSOSってことって父さんに聞いたら、そうだと父さんの大きい手が俺の頭を撫でた。
「少しでもそのダメージを和らげるために、今日疾太を連れて来た。そのことについては聞かず、遊んであげてほしい」
「はい、父さん」
それ以来、父さんが賢介の様子を見に行くたびについていって、最初は拒否されるも次第に賢介は諦めたのか、俺と遊んでくれることが増えていった。
そして退院の日、賢介は氷雨家の一員としてではなく、使用人として扱ってほしいと言われた時は父さんは少々困っていた。
「俺はそういう立場の人間じゃないし、長男は疾太。それに氷雨家の一員にはなれない」
「もしかして純連と想のことを?」
「うん。俺だけ贅沢な生活をしている姿を目撃したら。きっと憎まれるし、藤太郎も拗ねると思う」
俺にはわからなかったけど、あの言葉の意味がなんなのかわかったから。その当時は兄弟に置いて行かれたのだと思い込んでいたが、賢介が高校に入る前。
俺と賢介は一緒に車で下校をしている最中のことだった。運転手に止めてくれると言われ、止まりどうしたんだろうと賢介の顔をみる。賢介はパワーウィンドウを開けたら、歌声が聴こえた。
耳を傾ける賢介は驚いた表情をして、シートベルトを外し車から飛び出す。俺も気になって車から降り、歌声が聴こえる方角へと走った。
路上で歌っていた人は歌を歌うのをやめ、お互い目を見つめ合っている。そしてベースを持っている奴と電子ピアノを弾いている奴の顔は動揺を隠し切れないほどの顔立ちだった。
「岩…ちゃん?」
ボーカルの奴は手が震えながら、賢介に触れようとするも、賢介はその手を振り払う。ここは再会できてよかったっていう場面じゃないのと様子を伺っていたら、ベースを持っている奴が賢介に言った。
「俺たち、賢介が死んだって聞かされて…」
「うん。墜落した時に亡くなったって母さんから聞いてたけど、よかった」
「よかった?今まで俺がどんな思いでいたか藤太郎にはわからないだろ!純連も、想も、俺が死んだって思ってたんだろ?」
初めて賢介が怒った表情を見て、通りすがりの人たちが少々驚いているも通りすがっていく。純連も想も言い返せず、賢介は深いため息を出し、俺がいたことに気づくも、さっさと止めていた車に行ってしまった。
「岩ちゃん!待って!待ってよ!」
「こら、藤太郎。走るなって医者から言われてるだろ」
「でも…想、追いかけて。お願い」
想は賢介を追いかけていき、今日は終わりにしようと純連が話していて楽器をしまっていく。
「あの」
つい俺は二人に話しかけ、二人は振り向き、見っともないところ見せてすみませんと純連が謝る。
「そうじゃなくて、賢介と一緒に住んでる者なんすけど」
二人に告げたら二人の手が止まり、そっかと藤太郎は苦笑いをした。純連が片付けておくから話しておいでと藤太郎に言い、藤太郎は柵に寄りかかりながら教えてくれる。
「岩ちゃんが重傷を負って、迂生も身体にね、影響が出てたから、軽い怪我で済んだ純連と想を連れて海外にある病院で入院してた。その時に母さんからね、岩ちゃんは死んだって聞かされたんだ。その日、迂生たちがどれくらい泣いてたのか、今でも覚えてるよ」
死んだって聞かされたら誰だってショックを受けるのは確かだった。
「いつかね、迂生が元気になったら四人でバンドを組もうって決めてた。一人いなくなっちゃったけど、三人で乗り越えてたんだよ。そしたらまさか生きていただなんて迂生たちの心、まだ整理がつかない」
「賢介は置いて行かれたショックが大きかった。賢介が入院していた時期は、生きている意味がない。死にたいって言ってたんだ」
「…そっか。岩ちゃんを苦しめてたんだね。親友なのに情けないや」
藤太郎のあの顔は忘れたりできない顔だった。親友を亡くしたと思い込んでいた絶望感を。俺も一度、そんな顔をしていた。陽羽が事故ったショックで三学期はほとんど、家に引きこもってばかりだったから。
「岩ちゃんと話せる時間を作ってもらえないかな?多分、想が言っても口下手で岩ちゃんを引き止められないと思うから」
「うん。伝えてみる」
「よろしくね。あっそうだ。これよかったら岩ちゃんに渡してほしい」
藤太郎に渡されたのはさっき歌っていた曲が入っていたCD。それをもらい、一応連絡先も交換して車に戻ると超不機嫌な賢介が待っていた。
遅いと怒り混じりで言われ、悪かったよと言いながら家に帰る。
「賢介、あのさ」
「藤太郎に何か言われた?」
「岩ちゃんを苦しめてたんだね。親友なのに情けないって言ってたよ。藤太郎たちの気持ちも少しは汲んでやれよ。藤太郎の母親から死んだって聞かされたっぽくってさ」
俺が発言すると賢介はつうっと涙を一粒流し、次第に嗚咽し始めて、その時に理解した。賢介は何かから解放されたということを。
後々父さんから聞いたところ、賢介は藤太郎と縁を切りたかったそうで、父さんと藤太郎の母親と話し合い、死んだという嘘をついていたそうだ。
◇
疾太が教えてくれた言葉に、疾太の父親と藤太郎の母親の優しさがそこに含まれていたことになぜ今まで気づかなかったんだろうと今でも思う。すぐ気づけばこんなに藤太郎の父親を憎まなかった。
藤太郎たちと仲直りをした時、藤太郎が迂生たちと一緒にバンドをやろうと誘われる。
「やろうよ、岩ちゃん!せっかく元気になったんだよ!」
「俺はいいよ」
「昔、一緒にやろうって言ってくれたの、岩ちゃんじゃん!ねえやろうよ」
藤太郎がこんなに元気に鳴るとは思わず、ただ走るのは避けてほしいと医師から注意をされているそうだ。
「岩ちゃんがいないとつまんないよ」
「俺がいなくても普通にやっていけるだろ。それに純連、想。ずっと笑ってないでなんとか言えよ」
「だってさ。藤太郎と賢介のやり取りが懐かしすぎて」
「うん。懐かしい。ずっと眺めてたい」
おいっと二人を突っ込みながらも、俺は感じていた。藤太郎の背後には藤太郎の父親がいるということ。バンドに入れば藤太郎の父親と接触するのは確実で、引き下がることもできなくなる。
「悪い。昔はそうだったけど、今はやりたいとか思わないんだよ」
これでいい。バンドに入らなければあの人と接触することもないだろう。そう思い込んでいた。藤太郎は納得していないような形であっても、わかったよと拗ねながら言う藤太郎。
しばらくして、藤太郎たちは世間で注目を浴び、大活躍してるなと高校最後の年に一年の催花と出会うことに。その日は大雨で傘を持っていなかったから、迎えに来てもらおうか迷っていた時のことだ。
「やばっ傘忘れて来ちゃった。どうしよう」
購買に傘売ってるよと言おうとしたら、そこに陽っちゃんが俺と催花に声をかけてくれたな。
「あの余分に傘持ってるから、使って」
どんだけ傘持ってるんだよと笑いが出そうになり、折り畳み傘を借りて、陽っちゃんは照れ屋さんなのかさっさと行ってしまった。いなくなったことで俺と催花は笑い出し、その日一緒に帰ることに。
「あんなに折り畳み傘持ってるとは」
「事前にって思って入れてあるんじゃないか。えっと名前なんて言うの?」
「うちは清寺催花で一年。さっき貸してくれた子は、あたしと同じクラスの朝峰陽羽ちゃん。えっと」
「岩渕賢介。たまに氷雨疾太と一緒に登校してる奴だよ」
あの氷雨くんの付き人と最初は催花は驚くも、どういう関係性は聞かず、陽っちゃんのことを教えてもらう。
「朝峰さん、氷雨くんたちにいじめられてて」
「え?家ではそんな感じじゃないけど?」
「朝峰さんを揶揄ってばかりでも、氷雨くんに逆らえないし、勇気が出ないの」
陽っちゃんを傷つけているとは、後で確認しておかなくちゃならないなと思いつつも、催花がそこまで陽っちゃんを気にしてくれてるとはな。
「小学生の頃からずっと揶揄ってて、しかもずっと同じクラスって結構ダメージもらってるような気がして。それでも朝峰さん、気にしないから心が強い子なんだろうなって」
まあ確かに陽っちゃんと会った時、天真爛漫な感じではあったな。
「それでも誰もいない場所でたまに泣いている姿を見かけるの。声をかけようとしたら、すぐ伊宮先生が駆け寄って付き添ってる。だからなかなか勇気が出ないの」
確かに陽っちゃんのそばによく伊宮先生見かけるようになったなと思い返す。
「岩渕さん、氷雨くんに聞いてくれませんか?なんで朝峰さんをターゲットにしているのか」
「わかった。聞いてみるよ」
お願いしますと催花の笑顔を見て、催花に一目惚れした。早速、催花のためにと部活帰りの疾太に聞いてみることに。
「あのさ、噂で疾太が朝峰陽羽ちゃんを虐めてるって聞いたんだけど」
疾太に質問すると疾太は全身赤くなって、虐めてねえよと俺に発し、俺の背中を押して扉を閉められる。あーなるほど。疾太は陽っちゃんのことが好きなんだ。
ただその恋は実らないと思うなとスマホを取り出して、藤太郎に報告してあげた。ライバル出現中と送ってあげると、びっくりスタンプが来て、陽っちゃんの心の中にいるのは迂生だもんと言い出す。
なんか藤太郎を揶揄うのが面白くなり、催花と付き合うことにして、陽っちゃんの様子を見ていた。そしたら昏籐組の夕哉に、シルバーウルフのボスと南雲真昼が陽羽狙いだと知り、藤太郎に伝えたらむぅと頬を膨らませている。
「陽っちゃん、迂生のこと忘れていることがショック。岩ちゃんなんとかして。ずっと見て来てたんでしょ?」
「そう言っても、相手は手強いぞ」
「なら岩ちゃん、迂生のために陽っちゃんを奪う奴らを排除してって」
「陽っちゃんの人生を奪うようなことはやめてあげろよ」
絶対だからねと言われてしまい、藤太郎のわがままに付き合っていたらと悩んでいた時期のことだった。バイトが終え催花の家に行こうとした時に、高級車が一台俺の前に止まる。車種を見て悟った時点で遅かった。
運転手が出て来て後部座席の扉を開け、その中に入れと言っているような感じだ。いやいやでも車に乗り、その隣には鯨波流史郎が座っている。
車を出され今日は催花の家に行けそうにないなと思いつつ、あのお方の言葉を聞いた。
「妻から話は伺っていた。妻が氷雨と繋がっていたことをな」
「どうするつもりなんですか?」
「危害を加えたくなければ、藤太郎の足となってやれ。藤太郎ができないことをお前がするんだ。断ればお前の両親のように、氷雨家が消える。それは一番に避けたいことだろう」
俺の両親が消えた理由はやっぱりこの人が関わっていたこと。そして鈴鳩児童保護施設を潰したのもこの人だと言うことを。催花や疾太ん家を守れるのならば、やるしかないか。
「指示に従いますよ。ただ一つ、俺の彼女と彼女の家族には手を出さないでもらいたい」
「よかろう。それと朝峰陽羽を監視しておけ。もう時期、朝峰陽羽は全てを思い出す瞬間が訪れる。思い出した瞬間、すぐに報告をしろ」
「陽っちゃんをどうするつもりですか?」
「藤太郎との約束を果たしてもらう。それができなければ死んでもらうのみ」
藤太郎と陽っちゃんが約束したことって一体なんだ。俺はほとんど病院に行ってあげていなかったから、どんな約束をしていたのかは不明だった。
そして藤太郎がようやく陽っちゃんと付き合い始め、ひとまず安心と思っていた矢先のことだった…
ヴァイオレットのアジトが燃え、そこに催花の父親が入ってしまったこと。なぜという言葉が頭の中をぐるグル回っている時に、漆月夜一に目撃された。
俺が燃やしたと勘違いしている様子であっても、とにかく催花のそばにいなくちゃということしか頭に入っていなかったからだ。
タクシーに乗り催花の家に向かって待っていると、催花からメッセージをもらう。お父さんが病院に搬送されたとあり、すぐ病院へと向かったようだ。
すぐそっち行くと伝え、再びタクシーに乗り、警察病院までと運転手に告げ、病院へと急ぐ。催花と合流した時、催花は俺に抱きついて思いっきり泣き出す。
大丈夫だよと慰めながら座らせ、まだ整理がついていなかった。あそこには陽っちゃんの写真があり、証拠を燃やすのはいいにしても、なぜこのタイミングで刑事二名があの場に行ったのかが理解できない。
あのお方の命なのかは知らずとも、しばらく催花から離れないほうがよさそうだった。
手術は無事に終え、三子ちゃんは親戚に任せているようだからひとまず安心っちゃ安心か。それでも催花の母親と催花は相当なショックを受けていて、一度あのお方に聞こうと病院を出ようとした時。
賢ちゃんと催花の声が聞こえ振り向き、催花の顔は泣いた後の顔立ちであっても、何かを知ったような顔だ。
「賢ちゃんに聞きたいことがあるんだけど」
催花に知ってほしくはなかったことだった。何も知らずに俺の彼女のまま、あの笑顔でいてほしかった。病院の外れにある公園へと行き、悪いと催花を気絶させ、部下に運ばせる。
防犯カメラがなくてよかったよと車に乗せ、ヴァイオレットの新アジトへと向かった。
新アジトは藤太郎たちが練習している部屋も存在しているし、今日は藤太郎たちもいるだろう。新アジトに到着し空室に催花を寝かせた。
催花が起きるまで待っていると、いっわちゃーんと藤太郎の声で催花が目を覚ます。
「賢…ちゃん。ここは?」
「ヴァイオレットのアジト」
「…やっぱり、賢ちゃんはそっち側の人間なんだね」
身体を起こす催花でちょうど扉が開き、岩ちゃん来てるならと藤太郎がきょとんとしてしまった。
「岩ちゃんの彼女なんで連れて来てんの?あっ!そっか」
「藤太郎、余計なことは」
「あそこ燃やしといてって伝えたんだった。まさかそこに入るとは思わなかったよ。まあ迂生たちのこと知っちゃった、岩ちゃんの彼女さんは簡単には帰さないよ。ちょうどいいや。迂生たちのスタッフになってよ。お給料も出すしさ」
「陽羽ちゃんの彼氏だとしても、うちはずっと前からあなたの正体は気づいてた。賢ちゃん、ごめん。うち、聞かされてたんだ。真昼くんに。賢ちゃんは悪い組織の仲間だから早く別れたほうがいいよって。でも信じたかったし、賢ちゃんがそんなことしないってわかってたよ」
催花には黙っといてって言っといたのに、催花に言っていただなんてな。
「前々から知ってて、岩ちゃんと付き合ってたんだ。いい彼女じゃん」
「少し黙っててくれる?うちは今、賢ちゃんと話してんの」
藤太郎の瞳は今でも催花に手を出そうとしていて、落ち着け藤太郎と声をかける。
「藤太郎」
「陽っちゃんの友達だとしても、迂生にそんな口答えする奴は」
「俺の彼女だから、俺に対処させろ。ほら、純連と想が待ってるだろ?ほら」
藤太郎は不機嫌になるも後で来てよと言い、わかったからと藤太郎を追い出した。
「賢ちゃん」
「平気。賢ちゃん、お父さんと星河教授が火事に巻き込まれた日、何があったの?」
「その建物に用事があって行こうとしたら火事になってて、俺はただ催花が悲しむの見たくなくて」
すると催花は俺に抱きついてきて、放火魔じゃなくてよかったとただそれだけ催花が言う。
「俺のこと怖くないの?」
「怖いも何も賢ちゃんが人を殺めるようなことはしないって付き合ってる頃から知ってたよ。道端で困ってる人を助けたり、老人が困ってる時も、いつも賢ちゃんは見て見ぬふりじゃなくて、手を差し伸べてたもん。そんな賢ちゃんを見て、やっと勇気が出せた」
「それでも俺は、ヴァイオレットの一員には変わりはないし、結構脅して他人の弱みを持ってる人間なんだよ。催花、俺と関わっている以上、危険なことが起きうる」
「わかってる。だから賢ちゃん、うちはしばらく大学休んでお父さんのそばにいたい。誰にもこのことは言わないから。お願い、賢ちゃん」
あのお方がなんて言うか分からずとも、わかったよと催花とキスをして、病院まで送ってってやれと部下に伝えた。




