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47羽

 夕坊と玲が警察に連行されたという情報で、すぐさま引き返してもらった。何がどうなっていると星河さんに運転を任せていたら、佐田から着信が入る。


「佐田?」

『たいふぇんふぇす!』

「喋るか、食うかどっちかにしろー」


 佐田は食べていたものを、飲み込んでもらい、大変ですと俺たちに報告を上げる。


『陽羽ちゃん試験が終わり、獅子屋警部が家まで送った直後、陽羽ちゃんのGPSが倍速なくらいマンションから離れたんです!』

「嘘だろ!?」

『本当です。途中でGPSに気づかれたっぽく、捜査一課にも協力要請を行なって捜索に当たってます』


 俺の家は結構頑丈なシステムだから大丈夫だろうとは思っていた。どうやって陽羽を連れ出す方法があるんだ。


「マンションの防犯カメラは?」

『死角を利用して連れ出した模様ですよ。どうします?』


 大事な陽羽が襲われちまうだなんて、信じられないし、それに夕坊たちが連行されたのと何か訳があるかもしれないな。


「佐田、引き続き、陽羽の捜索を頼む。俺と星河さんはちょっと野暮用を終わらせてから探しに回る」


 了解ですと佐田との通話が終え、夕坊と玲が連行された署まで向かった。まだ時間は残っているにも関わらず、陽羽を誘拐した理由。考えても思い出せないと到着して、先に降り中へ入ったら、漆月が受付に怒鳴っていた。


「俺様の友達だし、悪いことしてないから早く釈放して!何度も言わせないでくれない!」

「ですが、不法侵入をしたことによって」

「話にならない!」


 漆月は諦め帰ろうとしていたから、漆月と声をかけたらダッシュして来て、なんとか説得してよと俺の服を掴む。何があったと椅子に座らせ、事情を聞いてあげた。


「夕哉からレッドクレインの長が学校内に入ったって聞いて、俺様の車で通らせてあげた。そしたら紅ちゃんが長に襲われているところを目撃して、助けようとしたの。そしたら夕哉と玲だっけ?来た瞬間、不法侵入で逮捕されちゃった。許可出してあげてるのにっ」


 嵌められたわけってことかと漆月の頭を撫でて、よくわかった。狙いは元々俺だったってことか。漆月が言ってる紅ちゃんと言うのは、俺の元カノ、紅花くれのだ。

 そうか、そうだった。くれのはストーカー行為を受けていた。その人物は特定できなかったし、しばらくしたらストーカーらしき人物は消えたと。その人物ががくだと発覚する。証言してくれるくれのはがくに捕まった以上、逮捕できるかもしれない。


「漆月、おそらく組長が罰金を払いに来るから大丈夫。ここから俺たちが動くから、漆月は帰れ」

「…」

「大丈夫だよ。二人を助けようとしてくれたこと感謝する」


 星河さん、行こうと夕坊と玲に会うのはやめ、一度俺の自宅へと向かった。

 何かがあるかもしれないと自宅に到着し玄関には黒い薔薇が四本置かれてある。そしてメッセージカードにはこう書かれあった。


 死ぬまで気持ちは変わらない。お前の大切なものは全ていただく。


 赤の象徴はがくで、黒は一体と思考を膨らませていると、そう言えばと夕莉に連絡をとる。


『透、夕哉と玲が…』

「組長、行ったんだろ?」

『行ったわよ。夜瀬組の縄張りにズカズカと入るからって激怒してた』


 まああそこは夜瀬組の縄張りでもあるからなと冷や汗をかくも、夕莉に卒アルがあるか確認してみた。


『俺の卒アル、そっちあるよな?ちょっと見てほしいものがあってさ』


 ちょっと待っててと夕莉が歩く足音が聞こえ、しばらくするとあったからビデオ通話に切り替えると言ってくれる。懐かしいなと夕莉にめくってもらい、ストップをかけた。

 クラスが写っている写真で俺とくれのがいて、そして妙な漢字だったはずと探したらみっける。浪杜鶫ろうずつぐみ


 やっと辻褄が合い、やっぱり狙いは俺だったと確信できた。

 当初、俺は昏籐組に入っていて、くれのがつけられていると言われた辺りから、最初は守るために彼氏の振りをしてあげていたが、途中で交際をスタート。

 俺がいるから諦めストーカーらしき人はいなくなったという。しかし、夕坊と陽羽が事故ったショックで、くれのとこれ以上交際していたら、くれのにも危険が及ぶと思い別れた。


 しかし交際が終えた後でもくれのとちょいちょいやり取りをし、お互いの仕事を尊重し合っていたな。


 そして俺がやっちまった出来事、くれのが再度つけられてる感じがすると言われ、くれのをつけている人らしき人物を尾行。その当時は刑事になりたての俺であって、尾行を行ったところ、廃工場らしきところに入った。

 一体誰だと探りを入れたら鶫が俺を待っていたかのような表情。


「ストーカー行為でお前を逮捕する」

「我が輩は何もしてない。ただくれのを見かけたから話しかけようとしただけだ」

「違うだろ。今までも全部、鶫がやったことだろ?」

「呆れたものだ。我が輩はくれのに興味などない。興味を抱いているのは、お前のほうではないか」


 その言葉に俺は火がついてしまって、組にいた自分に戻ってしまい、鶫を殴った。強く殴ったつもりじゃなかったが、その反動で棚にあったパイプと錆びれた棚が倒れ込み、俺と鶫は重傷を負うことに。

 

 鶫は頬に機材が刺さっちまったと聞いたけれど、あれ以来会う機会はなかった。刑事を辞めるきっかけとなったものの、凛太郎さんが俺を必要としてくれたことで、今に至ってる。


「夕莉、ありがとう。犯人わかった。後はどこにいるか分かれば逮捕できる。夕莉は夕坊と玲が好きな好物作って待ってろ」

「けりがついたらちゃんと報告しなさいよ」

「あぁ、もちろん」


 気をつけてねと夕莉に言われ、通話が終えた。


「星河さん」

「犯人の目星がついたなら、朝峰警部に報告。絶対」


 証拠品となる黒薔薇を袋に入れ、凛太郎さんたちと合流することに。



 陽羽ちゃん、無事に試験終えたかなと気になりながら、陽羽ちゃんが好きなバンドさんの曲を聴いていた。なかなかいい曲じゃんと、僕もファンクラブへと入り、いつか陽羽ちゃんと一緒に行けたらいいな。

 それを聴きながら、宿題をしているとスマホが鳴り出して、陽羽ちゃんと興奮するも漆月からでみるのをやめた。しかし何度も電話がかかってきて、宿題に集中できないと電話に出る。


「何?」

『…真昼先輩』


 いつもの元気はどこへいったと言うような感じで、平常心になり何があったのと聞いてあげた。


『陽羽先輩が拉致られた…』


 スマホをスピーカーにして置いていたけど、手に持っていたら確実に落としていたと思う。


「陽羽ちゃんは安全な場所でやってたはずだよ。誘拐されそうな場所はなかったはずじゃ」

『刑事さんの家に侵入した経路がある。そいつが陽羽ちゃんを攫った。俺様の力じゃどうすることもできない。真昼先輩、ごめんっ』

「なんで、漆月が謝るの。漆月は悪いことしてないでしょ?」

『真昼先輩の大事な人を守りたかった。守り切れなかった自分が情けない…』


 高校生でありながらも夜瀬組を動かせるほどの威力を出せる漆月がこんなに凹むだなんて意外だった。僕は漆月に酷いことをしたのに、僕のために動いてくれるだなんてね。

 あの人に行ったら、すぐ動いてくれそうな気もするし、もう少し情報を聞き出す。


「陽羽ちゃんを攫った人物はわかりそう?」

『わからないから真昼先輩に報告してんの…』


 透先生に直接聞きたくても、業務上教えてはくれそうにない。やっぱりあの人に頼むしかなさそうだな。


「わかった。教えてくれてありがとう。後は僕に任せて。そんなに凹んだら彼女が察しするかもしれないでしょ?」

『紗良先輩を傷つけないの?真昼先輩の正体知ってるのに』

「信頼を得るにも陽羽ちゃんを救いに行く。だから余計なことしないように、彼女を見張ってて」

『見張っておく…。真昼先輩、気をつけてね』


 気をつけると伝え、通話を終えあの人に連絡をとってみる。出ないかなと切ろうとしたら、どっしたんとあの人から来た。


「陽羽が誰かに攫われちゃったらしい。どうしたらいい?」

『あーがくから連絡もらった。返してほしければ、あの人に会わせろと。ただ、あの人は親父の葬式以来会っちゃいない。まあ甥っ子の頼みなら、動くよ。どうしたい?』

「力を貸して。陽羽ちゃんを助けに行きたい。場所、わかってるんだよね?』


 That‘s right と発音良さげに言い、場所を教えてもらって、せつ叔父さんと合流することに。



 暗い部屋に閉じ込められてしまい、壁も床も家具も黒。なんとかして脱出したくても、鍵がかかってしまっている。逃げることができないと判別してくれているのか、縄は全て解いてくれた。

 唇に触れて鶫に言われた言葉、我が輩の唇がほしくなると言ってたけど、ほしくならない。


 誘拐と監禁罪で絶対に逮捕させるんだからと、ソファーに座って私物は透の家だよね。暗い部屋だからなのか眠気に襲われ、私はそのままソファーで眠ってしまう。



  

 寝ちゃったと起き上がるとベッドに寝ていて、その横には鶫がおはようと言われ、枕を投げつけた。鶫はそれをキャッチして何もしてないからと枕を元にあった場所に戻す。


「お腹空いてるだろう?作って来たから食べようではないか」


 テーブルには豪華な朝食が置かれてあり、グルルと威嚇していたら、料理を口入れられてしまった。美味しいけど、美味しくて腹が立つと睨みながら、朝食を食べていく。

 それを見る鶫はせせ笑っていて、何がそんなに面白いのと朝食をぺろっと食べ、牛乳を一気飲みする。


「いい食べっぷりだね」

「いい加減解放して」

「それは無理な話だ。制服が汚れてしまうから、これに着替えたまえ」


 嫌ですと紙袋を突き出すも、以前、漆月くんに仕掛けられてしまったこともあり、これを着たら外に出させてくれるのかもしれないと思ってしまった。

 やっぱり着替えるから出てってと言い、鶫は一旦退出してもらう。紙袋に入っているのはモノクロワンピースと平べったい靴も入っていた。

 着替えて制服はハンガーにかけておく。ノックをしてみると、扉が開いて、きゃわとパシャリ写真を撮られる羽目に。やれやれと呆れながら、姉もこんな気分だったのかなと黒と白の薔薇しか咲いていない庭を歩く。


 鼻歌はもちろんWizuteriaの曲で、私がWizuteriaが好きなの知ってるんだ。


「陽羽、これをご覧」


 なんだろうと鶫が下を見てご覧と言われ下を見る。けれどただの芝生だよねと見たら目の前が芝生ではなく空の上。つい私は鶫にしがみついちゃった。

 鶫は落ちないから大丈夫さと言われても、これじゃあ助け呼べないじゃんと半泣きする。


「落ちることはないから大丈夫さ」

「早く降ろして!どこに連れて行こうとしてるの?」

「さあ、どこだろうね」


 ここで大声出しても誰も助けてはくれないと思う。芝生が戻って行き、逃げられないことを証明した鶫は私を抱き上げどこへ連れて行かれるんやら。でも空の上だから怖くて鶫に縋ってしまう。

 レッドクレインはワインレッドがメインだったけど、ここはモノクロだらけで、部下っぽい人たちもモノクロスーツだ。


 大きな部屋へと入ると、優雅にソファーでくつろいでいるがくが、朝から赤いワインを飲んでいた。部屋の窓は空の景色だけが見え、鶫が私を降ろそうとするからぶんぶんと横に振る。

 そしたらそのまま鶫がソファーに座り、昨日の女性はここにはいないようだった。


 私が鶫から離れないことで、がくがくすくすと笑い、近くに物があったらがくの顔面に当てたいぐらいだ。ワインが入っているグラスを揺らしながら、がくが言い出す。 


「陽羽は随分と鶫に懐いたようでなによりだ」

「懐いてなんかない!」

「そう言ってすでに鶫から離れてないじゃないか」

「それは空の上にいるからに決まってんでしょ」


 そう言うもがくは面白がっているようで、がくを釈放した警察官許さないんだから。私の頭を撫でようとする鶫で掴むも、もう片方で撫でられてしまう。


「お姉ちゃんを壊したがくなんか絶対に許さない」

「陽空はあれからどうだ?私のことを待ち遠しくなっているではないのか?」


 余裕っぷりのがくであり、気づいていないだなんて馬鹿みたいとクスッと笑った。がくは私が笑ったことで真顔になる。


「お姉ちゃんは少しずつ良くなってる」

「そんなはずない!」

 

 ワインをサイドテーブルに置き、信じられないという瞳でいた。信じられないよね。だって姉のそばにずっと寄り添い続けた人物を信頼しきってたんだから。


「お姉ちゃんを正気にさせてくれる人がいるの。その人がいる限り、あなたにお姉ちゃんを渡すつもりもない!さっさと捕まってくれるとお姉ちゃん喜ぶと思うよ」

 

 言い切るとそんなはずないと貧乏ゆすりをして、指を咥えていた。私はあっかんべえをし、ふんっとがくの顔を見るのをやめる。

 そしたら大笑いをする鶫で、まんまとやられたな、兄上と言い出す。


「あいつは元々詐欺師だ。レッドクレインを消滅させたのも、あいつなのではないかい?」


 破島と言い次第に声を上げるがくで、これ以上姉に近づいたら破島は容赦なく、次の手段をしているのは間違いない。だから大人し刑務所に入っていればこんな思いしなくてよかったのに。

 すると怒りが爆発したせいなのか、鶫に指示を与える。


「何がなんでも、陽羽を手放すではないぞ。私は怒りを鎮めるために、大人しくなったであろうくれのに会ってくる」


 くれのさんと疑問に浮かぶも、会ったことはないしなと考えていたら、匂いを嗅ぐ鶫で、めっと鶫のおでこにデコピンした。そしたら痛かったのかおでこに手を当てていて、そんなつもりじゃとあわわちゃう。そしたらすまない、陽羽と言われた。

 ポカンとしてしまって、あることを教えてもらう。


「我が輩はがくに言われ、こうしているだけなのだよ。陽羽を我が輩の前に連れ出し、我が輩が憎んでいる奴の大事なものと言っていそれでつい手を出しているということだ」

「昨日言ってたこと…教えてほしい」

「もちろんとも。あれは我が輩と透が高校生の時の時代だ。我が輩は学校に馴染めなくてな。そんな時、透とクラスメイトの紅花くれのという女子の会話を聞いたのだ」


 紅花くれのさん、私と一緒に捕まった人物だと知り鶫はその続きを教えてくれる。


「くれのがストーカー行為を受けていると聞いて、その当時、がくが気に入っていた子だった。しばらくしてくれのは透と付き合い、がくは諦め、次に目を向けたのが君の姉だ」

「え?」

「覚えてはないか。ほら、小中高全生徒で遊んだり、会食する場があっただろう」


 そんな行事あったっけと思い返してみるも、事故に遭ってからの記憶では、その行事は一もなかった。


「そんな行事はなかった。一年の時はあったかもしれないけど、二年からその行事はなかったよ」

「そうか。そんな行事があって、よく言っていたのだ。この子は美しい娘になると」


 姉は一度もがくのこと話してなかったよと言いたいぐらい。だとすればその頃から姉は狙われていたってことだよね。


「そのことは一旦置いておこうか。我が輩はそれでストーカーだったがくに言ってしまったのだよ。くれのと透が別れたことを。そしたらがくは再びくれのに近づこうとしていた。そのことをくれのに言わなければと思っていても、我が輩はクラスで浮かれていたから、透にとってはストーカーに見えていたのだろう」


 透、何しちゃってんのと心の中で叫んでしまうも、鶫はマスクを外し、手術した傷が疼くんだろう。


「透に伝えるも、手柄と考えていた透は我が輩に罪を認めるよう言われたのだ。口論となり透に殴られ、ふらついた我が輩は錆びれた棚に衝突し、この有様となってしまった。酷いと思うだろう」


 鶫はその頃を思い出し涙目になりながら、私の手を取って傷に触れさせてくれる。


「透が犯した罪は揉み消され、ただの事故処理とされてしまった。だから今回、がくが釈放されたことで言いこと考えたのだよ」


 涙目となっていたのに不気味な笑顔となり、そのまま横に倒れ込んだ。


「陽羽を誘拐したのもがくの命令で、わざわざここに来させた。だから例え我が輩がこんなことをしようとも、全てがくがやったことにすると決めているのだ」


 イカれてると伝えたら、使える手を塞いで、抵抗できなくさせられてしまう。


「大事な、大事な陽羽を我が輩が壊し、こう証言をする。我が輩はがくに脅され、飛行船を出しただけだと。陽羽に一切触れていないとな」

「許されるわけない。透は私の言葉を信じる。それにこんなことしても無意味だよ」

「さあどうかな。我が輩の醜い顔を見て、やるわけないと言うはずだ。陽羽、どっちがいい?我が輩と一緒に旅をするか、それとも陽空のように壊れるか、今回は破島のようなものはいない。助けてくれる奴はいないぞ」


 鶫が私の唇に触れていて、鶫の心は随分前から壊れているんだと感じた。どうやったらこういう人が生まれるのだろうと思っていても、影響はやっぱり両親だよね。

 鶫は両親に愛されたかった。それなのに鶫はがくと比較され、しかも両親は犯罪者だから、そういう目線しか考えられなかったんだ。


 私がつうっと涙を流したことで、鶫は驚いていて手を緩めてくれる。私はそのまま鶫の傷に触れた。


「陽羽」

「鶫を必要としてくれる人はきっと現れるよ。鶫がどんな状況で過ごしてたのか、私はわからないけど、がくのような人じゃないってわかったから。これ以上、罪を重ねないで」

「我が輩は復讐のために」

「復讐しても達成感は得られないよ。復讐に囚われても、終わったら何が残ると思う?」


 それはと鶫は言葉を積もらせ、私はこう伝える。


「何もかも失うよ。そうなるんだったら、例え辛くても苦しくても、足掻いて努力していけば、いいことがきっと起きる。私はそうやって生きてるから」


 私はどんなに辛くても、どんなに辛くても、自殺のことが頭に浮かんじゃうとしても、足掻いて、足掻いて、努力してきた成果が出た。

 夕哉さんの出会いがあって、真昼くんに出会い、催花ちゃんと友達になれて、そして疾ちゃんと千ーちゃんのことも少しずつだけど思い出せてる。

 きっと私が思い出したい人も、少しずつ思い出せると信じているから。

 

 そしたら鶫が私の背中に腕を通し、すまなかったと少し泣く、鶫だった。

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