37羽
週末となり、家族と透、それから真昼くんと共に、指定された店へと向かっていた。なぜよりによって私は赤じゃなく白と青のレトロワンピースなの。真昼くんも紺に近いスーツを着て来ている。
洋服が届いた時は雪かと思いきや、青い薔薇が添えてあり、陽羽はこれを着て会食に来なさいと書かれてあった。透はグレーのスーツに橙のネクタイをつけている。
「透先生は警官として付き添うんですよね?」
「そうだ。相手の動きを確認するために、付き添うが真昼、ここでは生徒としてではなく、シルバーウルフの息子として接する」
「わかってます。だからなんですかね?陽羽ちゃんの洋服が青と白のレトロワンピース」
おそらくなと言われ、真昼くんはお揃いというのがとても嬉しい表情を出していた。後で写真撮っていいと真昼くんに言われるものだから、後でねと透の車に乗って到着する。
透は駐車場に車を停めにいき、お父さんの車からはお姉ちゃんとお母さんが車から出てきた。少ししてお父さんと透も到着し、お店の中へと入る。
すごい高級感あふれるお店で、女将さんがいらっしゃいましたと告げ、どうぞ中へと進められ中に入る。そこにはレッドクレインの一番偉い人、鶴と破島淡が座っていた。
お父さんと透に、それからお母さんまで怒りのオーラを出しつつも席に座る。お父さんは怒っていながらも、鶴に今日のことをお礼した。
「本日は、会食を開いてもらって、感謝する」
「よい。いずれ、陽空の父上と一杯交わしたかったのだ。ささ飲み物を持って乾杯しようではないか。今後の未来について」
乾杯したくないですと思いつつも、コップを持って乾杯をし、ご飯を食べていく。あれ、一人分残っていて、他に誰か来るのかと透が質問した。
「あぁ、もちろん。少々遅れてくるそうだから、先に乾杯をしてくれたまえと言われてな」
他に誰が来るんだろうとご飯を頂きながら、どんな話が出てくるのだろう。黙りながら頬張っていると鶴がこちらを向き、私にまず質問をしてくる。
「陽羽、受験勉強は順調かい?」
「はい…」
「大学祝いにどこかへ連れてってやろう。どこがいい?」
そう言われてもと箸を止めて考えていると、真昼くんが咳払いをし、真昼くんが答えた。
「大学祝いはお断りさせていただきます。陽羽ちゃんは僕のフィアンセなので、あまりあなたと関わらせたくありません」
「そういうと思っていたよ、シルバーウルフの息子よ。ちゃんとしつけはしておきたまえ。以前、陽羽に噛まれてしまったのだからな」
それはあんなことされたら誰だって嫌がると機嫌を悪くしながら頬張る。お父さんたちは無言で頬張っており、空気がすごい悪くなっていたら、いらっしゃいましたと女将さんが襖を開けた。
誰が来たんだろうとそちらに目をやったら、シルバーウルフのボス、雪の登場で箸を落とす。雪は真昼くんの向かいに座って遅れてすまないと言った。
「これで勢揃い。さて本題へと入らせていただこうか、凛太郎よ。まず何から聞きたい?」
私たちが同席してよかったのか疑問が湧くも、お父さんは鶴に質問する。
「陽羽から言われた内容だが、陽空を諦めれば大勢の命は助かると言うのか?」
「その通り。クリスマス当日に式を挙げる。その邪魔をしなければ、大勢の人は助かる。それとも陽空を救いたいのであれば、陽羽をシルバーウルフに手放せ。それが条件だ。まあすでに私の子を授かっている以上、引き下がるつもりはない」
姉を止めさせるためにそうさせたんでしょと言おうとしたら、真昼くんの手が私に触れ突っ込んじゃいけないという瞳だった。決めるのはお父さんであり、仕方なく料理を頬張る。
お父さんはなんて答えを出すのだろうと待っていたら、口に一切入れていないお母さんが鶴に言い出す。
「陽空が選んだ道を正しい方向性に歩ませるのが親の役目。鶴さん」
「鶴」
「鶴」
笑いを出してはいけないのだけれど、我慢できなくて私と真昼くんは笑ってしまう。そしたら雪が立ち上がり、二人ともと会食場から追い出されてしまった。
「笑い事じゃない。今は駆け引きをしている最中だ。黙ってどうなるのか見届けるのがシルバーウルフの役目である。いいか?真昼」
「すみません。ですがなぜこちらに来たんですか?僕たちと会うのは大学が決まった時にと」
「鶴が来いってうるさくてな。来るしかなかった」
雪も鶴って言ってるのにと思ってしまうも、雪が来たのは別の意味なんだろうと感じる。会食場に戻る前、静かになと雪に注意されながら席へと戻った。
話はどうなったんだろうかと新しい箸で料理を頬張っていると、鶴が話を進める。
「そこまで言うのであれば、もう一度証拠があるのか気が済むまで探して見ればよい。何も証拠がないと分かれば陽空はいただく。それでよいな?灯里」
「えぇ、凛さんが納得するまで、隅々と証拠を探してもらいます。証拠を必ず探しレッドクレインを消滅させ、あなたを逮捕させるわ。そして陽空は返してもらいます」
「面白い。残念ながら証拠は何もないことを証明させる。それから雪、言いたいことがあるんじゃないか?」
雪は口の中にいっぱい入れていて、喋れる状況じゃない。ちょっとたんまという合図をしていて、私が一つ気になることがあり、鶴に確認をしてみる。
「鶴…さん」
「呼び捨てで構わない、義妹陽羽」
まだその名に慣れないでありながらも、私は隣に座っているお姉ちゃんを見て、鶴に聞いた。
「姉を選んだ理由が知りたい。なぜ姉じゃなきゃ駄目だったのか、教えていただくことは可能ですか?」
私の質問に一瞬だけゾッとするほどの怖い顔をするも、通常の顔となり笑顔でそうだねと回答する。
「私は美を求めるものとして、陽空を見た時に麗しい人だと思ったのだ。そこからだよ。陽空に目を向けたのは。では陽羽、なぜ真昼と継続で付き合っている?真昼はマフィアの息子同然たる者だ。いつ襲われてもおかしくはない」
大きく咳払いをする雪であり、真昼くんも機嫌を悪くしていた。私は真昼くんの手を握って、雪の前であっても打ち明ける。
「真昼くんはシルバーウルフと今は無関係と言ってくれた。その言葉を信じて、付き合ってる」
「シルバーウルフと関係を持っていたらどうする?」
一番聞かれたくない言葉だった。これ以上言ってしまえば、真昼くんを傷つけてしまう恐れがある。言葉を詰まらせると
、雪がフォローをしてくれた。
「真昼は無関係だ。ただ僕の甥として、鶴が変なことしないように、叔父として来ているだけだ。万が一、真昼に手を出そうって言うなら、もうお前とは取引をしない」
「ジョークだよ。真昼を傷つけるつもりはなかった。すまない」
ちょっと失礼しますと真昼くんは私の手をそっと下ろして、席を外してしまい、行ってあげろと目で合図が来たから追いかける。真昼くん、待ってと声をかけ、真昼くんが止まってくれた。
「真昼くん…」
「ちょっとカチンと来ちゃっただけ。頭冷やしたら戻るから」
「私もカチンってなっちゃったから、真昼くんと一緒にいるよ。そうだ。気分転換に写真撮る?」
真昼くんは少し笑顔を取り戻し、中庭っぽいところがあってそこで写真を何枚か撮る。真昼くんはお父さんの指示で今回、シルバーウルフの息子として動いてくれてるから余計辛いよね。
「叔父さんがいたとしても、僕はマフィアとは無関係なのに、お父さんがマフィアだったからそう言われるのは仕方ないこと。ごめんね」
「真昼くんが謝る必要なんてないよ。悪いのは鶴だもん。あんな奴、ほっとこ。お姉ちゃんのことは心配だけど、きっと助けられる方法がある」
「陽羽ちゃん」
「ん?」
チャージさせてと言われ、もちろんと言ってあげると真昼くんがぎゅっと私を抱きしめた。
◇
真昼大丈夫かと少々心配になりつつも、陽羽がそばにいるから大丈夫だろう。それにしてもこのタイミングでシルバーウルフのボスが登場するとは考えられなかった。
「僕の兄はシルバーウルフに警察の情報を漏らしてなどいない。昼秋は天美と結婚してから、シルバーウルフとは縁を切っている。おそらくだが、兄の正体に気づき、誰かがわざと昼秋に罪を着せ、今ものうのうと警察をやっているはずだ」
よくあるパターンであっても、凛太郎さんにとっては同期であり、とても仲が良かったと聞いている。本当に信じていいのかはさっぱりだ。
凛太郎さんは少し考え、シルバーウルフのボスに告ぐ。
「私は一度も昼秋を疑ってはいないし、昼秋がそのようなことをするはずがないと信じている。本来ならばバディを組みたかったものだ」
凛太郎さんの横顔は懐かしそうな表情を出していて、昔のことを思い出しているのだろう。
「そう言ってくれるだけで、兄は喜ぶ。感謝する。僕は以上だ」
なぜこのタイミングで言ったのかはわからずとも、凛太郎さんと話せる場と言ったらこのタイミングだと思ったから来たのか。
そこで破島が鶴に何かを言い席を立ち、俺に合図するから立ち上がる。会食場から出て喫煙所へと入った。破島とこうやって一服することになるなんてなと煙草を咥えたら火をつけてくれる。
「俺をここに来させたわけは昏籐組についてか?」
「察しが早いな。昏籐組を恨んでるわけじゃない。服役中に組長が会いに来てな。我は詐欺師だからいつでも二つの組織を潰せる状況までいけると確信したんだろう」
煙草を吸いながらそういう破島だが、後悔しているような瞳だった。
「ただ思っていた以上に手強い。すぐ陽空を逃すつもりだったが、脱出ルートが塞がれた。そのおかげで、陽空は鶴の子を宿してしまった」
相当反省はしているようで、疑われないように動いていたが裏目に出ているようだ。
「紗良が我を追いかけていた姿で、これ以上踏み込んでほしくはなかった。これ以上進めばいずれ鶴や雪が手を出すんじゃないかってな。それに最近は夜瀬組の息子が紗良を狙っていると聞いている」
「本当なのか?」
「部下の証言だ。間違いはない。必ず夜瀬組は何かを仕掛けてくるし、最悪なのが黎明だ。鶴が言うに、鶴の父親が黎明の両親を殺害し、そうならないようしつけをしていたらしいが脱走した。それ以来、探すも黎明は見つからなかったという」
黎明が昏籐組に戻って来なかった理由と、どこにいたのか。まだ佐田は情報が取れないと駄々を捏ねていたな。もう少し黎明の情報は時間がかかるかもしれない。
「なぜこんなこと、俺に話してくれる?玲や夕坊でもよかっただろ?」
「あの二人に疑われたくないから、このタイミングで話しておく必要があった。この先、我の処分が確定する」
「処分って」
「まだ生かされているほうだ。次、間違ったことをすれば、我の首が飛ぶ。さっき灯里さんとの駆け引きで、鶴は全て、証拠をなくした状態で来させる気だ。その前にちゃんとした証拠を渡しておきたい。誰か潜入でレッドクレインに来ている人物はいるか?」
なんだ、この違和感。まるで誘導されているかのような気分で、仮に清寺さんのことを口にしてしまったら、清寺さんの一家、つまり催花の家族が危険になる。
これは罠か、それとも信じていいのか、迷っていると、失礼しますと女将が現れ、鶴様がお呼びですと言われた。今行くと、この話はまたと先へ行った。
ここはまず凛太郎さんと話をしてからのほうが良さそうだと煙草を吸い殻入れに捨て戻ることに。
◇
今日はレッドクレインの人と会食すると聞いたけれど、大丈夫かなと心配になりながら図書館で勉強をしていた。しかも隣では難しそうな本を読んでいる漆月がいる。
勉強の邪魔なんだけどと思いながらも、受験勉強をしていたら、陽羽の友達である氷雨疾太とばったり会う。
「陽羽の幼馴染の」
「紗良。氷雨くんも勉強?」
「まあな。ここいい?」
「駄目。違うところ行ってくんない?」
あなたが邪魔なんだけどと言うと、ムスッとした表情をする漆月。手を合わせてデートの邪魔だったか、悪いと言われ、そんなんじゃないと言う前に、違う机で勉強し始めちゃった。
なんかやる気失せたと問題集を閉じて図書館から出ようとしたら、待ってよと漆月がついてくる。イライラしちゃって、足を止め、いい加減にしてと言うと夜瀬組が出てきちゃう。まだ出なくていいと漆月が合図をしていて、夜瀬組は消えて行く。
「そう怒んないでよ。いつ破島が現れるかわかんないし、紗良先輩にくっついていれば出てくるかなーって」
「叔父さん、呼んだほうがいい?」
「それは困りますなぁ、紗良お嬢さん」
そこに現れたのは烏丸であり、どうせ伊豆で起きた出来事は烏丸が絡んでるんでしょと言いたかった。
「紗良お嬢さん、まだ話していないのでしょう?夜瀬組の息子のこと」
「それが何?こっちは構ってる暇ないの。邪魔するなら、受験終えてからでもよくないですか?」
「それはそうですね。夜一坊ちゃん、ここは抑えてクリスマスにどっぷり甘えればいい」
「えぇやだー」
そう言わずに、失礼と漆月を連れて去って行く、烏丸で、一体何がしたかったのかいまいちわからない。すでに叔父さんたちはあたしに付き纏っている漆月が夜瀬組の息子なのではと疑いを持っている。
報告しておこうかなとスマホを手にしたら、よくわからない通知が届いていた。通知の件名が鶴の恩返し…はっと私はすぐに陽羽のお父さんに連絡してみる。それでも繋がらなくて、まだ会食中ってことだよね。
玲に連絡をとってみるも、連絡が取れず、夕哉はと連絡してみたら、どうしたとすぐ出てくれた。
「ねえ、鶴の恩返しっていうメール来てる?」
『あぁよくわからないけど、変なメールっぽかったからすぐ削除したけど』
「これレッドクレインの招待状かもしれない。ウイルスがかかってる可能性があるから、まだちゃんと文面は見てないんだけど、都内に住んでいる人たちに送られていたらやばくない?」
『確かに、玲が爆弾探しに行ってくるとか言ってたぞ。俺もそれで動けって親父から言われてるし。あっ絶対にそれは開けんなよ』
わかってるよと言いながら、鶴の恩返しは小さい頃、おとんがよく読んでくれた。鶴を助けるも部屋をのぞいてしまったことで鶴が去って行く話。
困っている人を助けると善行が返ってきたり、約束を破ってはいけないよとおとんに言われてた。レッドクレインが示す意図とは約束を意味しているのかもしれない。
「今日、レッドクレインの長と陽羽たちの家族と会食してるけど大丈夫かな」
『親父から聞いた。今回の会食によってどうなるかが決まる。とにかく組は警察と連携して爆弾がどこに設置されるか確認することになってから紗良は陽羽から連絡来たら話聞いてあげな』
うん、気をつけてと伝え、通話を終了し、漆月がいなくなったことで、図書館へと戻った。
◇
紗良先輩とまだ一緒にいたかったなと不貞腐れながら、自宅へと向かっていた。親父に言われて昏籐組の従姉妹と仲良くしておけーって言われても、紗良先輩警戒心だだ漏れ。そりゃあそうだよな。
紗良先輩は昏籐家の従姉妹だもん。敵組の夜瀬組がいりゃあ警戒はするか。
「烏丸、陽羽先輩の姉ってさ、闇バイト一回やったんだよな。それによってレッドクレインに目をつけられた」
「そうらしいです。どうしますか?闇バイト先に向かわれます?」
「いや、闇バイト先に行っても、口封じされているだろうから無理っしょ。陽空の闇バイトって破島が絡んでたのは?」
「破島が出している闇バイトは運び屋、殺し屋、盗撮、風俗などと言ったものが」
通常にある闇バイトで陽羽先輩の姉がやりそうなのは、風俗とかそっちメインのバイト。それでも俺様の頭の中では陽羽先輩の姉がそんなバイトをするような人じゃない。
考えられるのはただ一つ、闇バイトで最近見かけるメイド喫茶。高額な金額をくれるという妙なメイド喫茶だ。
「闇バイトに載っかってるメイド喫茶に連れてって」
承知と車を回してもらい、スマホで闇サイトを開いて、ブラックメイド喫茶情報を確認する。写真が載っていて経歴を調べ、陽羽先輩の姉を知ってそうな人を探す。
しかしどの人も経歴が浅く、すでに買い出された可能性は高い。一応目星の子をスカウトできるか、店長に聞くか。
到着したらしく、烏丸はここで待っててと言い、車から降りてブラックメイド喫茶へと入った。お帰りなさいませ、ご主人様と受付の人に言われ、俺様が来たことで店長直々現れる。
「これは漆月様、当店に足を入れていただき光栄です。今日はどのような」
「この子指名したいんだけど」
スマホを見せこちらへと案内してもらい、完全個室状態ってわけか。他の客にも見られず、やりたい放題なら手を出しても構わない。
案内され入ってみると、黒一色のメイド服で少し色気を出させていて、ないわーと羽織っているものをかけた。
「ご主人様?」
「風邪引くと困るからこれ着て」
部屋の周りをみると防犯カメラはついていなく、この子がどうなっても店は何も手出しはしないこと。盗聴はされていないようだから、単刀直入に聞いてみる。
「俺様、ここが初めてなんだけど、普段ここでどんなことしてるの?」
「基本はご主人様のご要望を受け、気に入ってくださったメイドは買われるようになっていると聞いてます」
「それって後日でも可能ってこと?」
「いえ、来店した日に買付票に額を記入してもらい、週末に集計をとり、一番高い額を出してくれる人の元へ行く仕組みとなってます」
つまり陽羽先輩の姉に目をつけていた人物は、レッドクレインの他にもいたかもしれないってことになる。これ紗良先輩に言ったら、乗り込むようなことしそうだから言わない。
スマホを取り出し、陽羽先輩の姉について聞いてみる。
「この子、ここで一度働いてたらしいけど、何か聞いてる?」
聞いてみると目を大きくしていて、やっぱりビンゴだったかとスマホをポケットにしまい、その子に触れた。
「ねえ、教えてよ。怯えることはない。俺様がちゃーんと逃がしてあげるから、吐いてみ?」
ここで吐くかはこの子次第だけど、俺様の読みではこの子は弱みを握られここにいる。息が早くなり相当トラウマのことがあったんだろうと落ち着かせた。
ここでは話しずらいことなんだろうと察し、この子を買い取って保護した方が良さそうだ。服を脱ぎ、こういうもんと背中に入れてある刺青を見させると泣き出してしまう。
ごめんなさいと何度も謝っていて、店長にこの子を至急買い取らせてもらえるか確認を取るため、部屋にある受話器をとった。
少しして店長が出てくれたもんで、至急買い取らせてと告げると、何人かがこの子を買い取る人候補がいるそうだ。今日は日曜日でもあるから、その倍の額を支払うと伝える。
承知しましたと店長が折れてくれたことで、もう大丈夫だからと寄り添い慰めていった。




