18羽
始業式が始まって久しぶりと教室で賑わっており、以前の空気感はなく、普通にみんなが接してくれるようになった。みんなが透の話題で持ち切りで、みんなの名前を下で呼ぶようになったらしい。
女子は嬉しい表情をしていても、男子たちは少々やきもちを焼いているようだった。しかし始業式だと言うのに真昼くんが欠席。
やっぱりいけなかったかなと少し落ち込んでいたら、どうしたのと催花ちゃんが心配してくれる。
「真昼くんと少しあって。多分、そのせいで初日休んだと思うの」
「珍しい。あんなに陽羽ちゃんにべったりだったのに。もしここで話しづらかったら今日帰り際でも聞くよ」
「ありがとう、催花ちゃん」
学級委員が体育館へ向かってと言われたから体育館へと行き、始業式が始まった。
相変わらずの校長の長いお話を聞いて、三年生はしっかり勉強に励むよう言われる。受験が控えていたとしても学校生活も楽しまななきゃ。
始業式が終わり教室に戻って、いよいよ文化祭の出し物が発表される。何かなと先生と透が入って来て、透が席につけと言われたから席に着いた。
透は副担任でもあるため、先生が少し俯いてどうかしたのかなと思いきや笑い出し、私たちにくじの紙を見せてくれる。
「一組の出し物は今回、展示と決まった。展示をどうするかは文化祭実行員に任せる」
展示かと先生は端っこにより、文化祭実行委員の子達が前に出て、何を展示するか決めていく。写真や思い出のある品を展示するとか、歴史のあるものを調べて展示するとか、提案が出てくる。
色々出てきて私は手を挙げ、朝峰さんと呼ばれたから、提案を持ち掛けた。
「時間をテーマにするのはどうかな?朝から晩までの景色を各自撮って教室を時計のように展示をするの」
いいかもとみんなが言い出して、文化祭実行委員が決まりでいいと確認をし、みんながいいというから、私の提案に決まる。よかったなと透が微笑んでくれて、私は透に向けて笑顔を向けた。
明日帰りのホームルームで詳細を決めていくことになり、今日はここまでとなって、真昼くんに展示になったよとメッセージを送った。
帰りの支度をしていると氷雨くんグループの女子たちに囲まれる。
「今日って時間ある?」
「平気だよ」
「じゃあさ、ちょっと付き合ってほしいところがあるから行こ」
なんだろうと初めて氷雨くんグループの女子たちと帰ることになった。夏休み楽しかったよねと話しながら校門を出て、駅と真逆な道を歩き始める。
どこに行くのかなと思いつつ、歩いて十五分ぐらいのところにある店。ここって何と思っていても、大丈夫だよと女子たちに背中を押されて入ってしまった。
チャラそうな店員が来て、いらっしゃいと案内してくれても、周りにいる子たちって普通に煙草吸ってる。完璧に来てはいけなかった場所だよね。氷雨くんたちはこの場所を知ってるんだろうか。
チャラそうな店員は頼んでもいないのに、オレンジジュース4つと焼き菓子が出てくる。
「ここって何?」
「普通のカフェだよ。気にしない。さっ飲も」
乾杯をして普通に飲む三人で、本当に飲んでいいのかなと飲もうとしたら、朝峰と叫ぶ声が聞こえた。氷雨くんが慌ててやって来て、帰るぞと私の鞄と私の腕を引っ張る。ねえとやや強めに坂東さんが呼び止めた。
「疾太、なんで女子会を潰そうとするの?」
「千夏、ここに来させること自体間違ってる。やるなら他の場所でやってくれ」
「嫌だって言ったら?ここは私たちの溜まり場じゃん。別に一人増えようが」
氷雨くんは私の腕を掴むのをやめ、坂東さんに手を上げてしまう。坂東さんはショックのあまり、出ていってしまって、待ってよと二人が追いかけた。
「氷雨くん…」
「店長、今日の分。もう千夏たちが来てもお茶と菓子は出さないでくれ。飲み物と菓子食べたければ金払って」
「最近、千夏たちに冷たすぎなんじゃない?」
「俺はもう後悔したくないんだよ。俺は心を入れ替えた。それだけのことだ。行こう、朝峰」
お金の束を店長に渡し、氷雨くんは私をお店から出す。
「清寺から鬼のスタンプが連発来て、店に来たんだよ。変なことされてない?」
「大丈夫」
「あそこはたまに、変な奴らが来るから、もう二度とあそこには踏み込むなよ。それに千夏が朝峰を憎んでるのはなんとなくわかってた。俺が朝峰を気にかけていることで、腹が立ってること。ちゃんと千夏を見てやれてなかったから」
「坂東さんって?」
俺の幼馴染と言っていて、だからあんなに仲がいいのかと理解した。氷雨くんが私と話しているところが気に食わなかったんだろう。
あの時も実際、気持ちを抑えていたのに、坂東さんの気持ち考えてあげられなかった。メッセージ送るとしても、きっと無視されそうだから、明日ちゃんと謝ろう。
「少し時間ある?」
「うん」
伝えると氷雨くんはスマホをいじり誰かと連絡していて、十分後。車が到着し、運転手さんが扉を開けてくれる。まだ氷雨くんが乗る車に慣れていなくとも、乗って出発した。
「どこ行くの?」
「俺ん家」
びっくりしすぎて、まさか氷雨くんのご自宅に伺うだなんて。一応、透に氷雨くん家に向かってますと連絡しておいた。車を走らせて数分後に、豪邸のお屋敷に到着。
氷雨くんの偉大さに圧倒されつつ、車から降りて、玄関の扉が勝手に開いた。するとお帰りなさいませ、疾太坊ちゃんと執事さんとメイドさんが両脇に立っている。
ただいまーと言いながらこっちと氷雨くんに案内してもらい、氷雨くんの部屋にお邪魔した。私の部屋より倍ある部屋で、贅沢すぎる。しかも庭にはやや大きめのプールもあった。
適当に座っててと言われ、適当にと言われてもとソファーに座ることに。執事さんがお菓子と紅茶を運んで来て、氷雨くんが私服に着替え一人がけのソファーに座った。ティーカップに紅茶を注ぎ、それをいただくことに。
「来てもらったのは、アルバムを見せようと思ってな。それを見たら思い出すんじゃないかって思って。今、執事にアルバム持って来させてるから、食べて」
いただきますとお菓子を頬張りつつ、なんで真昼くんがいないタイミングで呼ばれたのと思ってしまった。
「どうしていきなり?」
「南雲がいたらぐちぐち言いそうだったから、なかなか言えなくて」
ずっと真昼くんと帰ってたから、話しかけづらかったんだと理解し、違う執事さんがお待たせしましたと小学校のアルバムを持って来てくれた。
氷雨くんは隣に座って、小学一年のアルバムをゆっくり見せてもらっていく。私と氷雨くんの写真ばかりで、こんな笑顔出してたんだ。
次第に三人となっていて、これってと聞いたら千夏だよと教えてくれる。私のアルバムには存在しなかったってことは、氷雨くんのご両親が撮ったものなんだろう。
「俺と千夏、それから朝峰は小学校から幼馴染だったんだよ。両親同士が仲良くってさ、俺ん家でよくホームパーティーも開いてた。あの事故以来、千夏は怖くて朝峰に近づくことができなかった」
「キャンプでそのこと言わなかったの?」
「千夏に言われてたから。あまり思い出したくないから、このことは伏せておいてって。本当に千夏も素直じゃないから。ただあそこの店でたむろはやめてほしかった」
氷雨くんは言いにくいことがあるみたいで、それ以上追求はしなかった。だから私は昔のことを少しでも思い出せるように聞いてみる。
「氷雨くんと坂東さんと仲良しだったなら、私、二人のことどんな呼び方してたの?」
それはと焼き菓子をパクパク口に詰め込み、恥ずかしそうにしていた。そしたら詰まっちゃったらしくてお茶と紅茶を渡す。ぜえぜえ言っていて、ありがと陽ーちゃんと呼ばれる。
陽ーちゃんと氷雨くんに呼ばれたことで、自然と笑ってしまい、想像できなかった。なんだよ陽ーちゃんと照れながら、焼き菓子を一つ口にして、もぐもぐしてる。
「ごめん」
「いいよ。陽ーちゃんは俺のこと、疾ちゃんって呼んでた。千夏のことは千ーちゃんって呼んでたよ」
「そうなの?」
「そうそう。いつも一緒で、羨ましそうに南雲が見てたって感じかな。今は真逆になったけどな」
氷雨くんのことを疾ちゃんと呼んで、坂東さんのことを千ーちゃんって呼んでた。今からでも遅くはないのかなと、ちょっとふざけて疾ちゃんと言ってみる。
そしたら疾ちゃんはみるみる顔がりんごのように赤くなって、疾太でいいと言われた。
「疾ちゃん」
「揶揄うな。まじで恥ずかしいわ」
デコピンされ本当は嬉しいんじゃないのと思ってしまう。すると執事さんがやって来て、若津くんたちが来てるっぽい。
「内容聞いた?」
「千夏様の件と仰っていました」
「あー通してあげてくれ。それと陽ーちゃんとの写真を印刷してやって。手土産に渡したいから」
かしこまりましたと執事が去って行き、少しして若津くんたちが部屋に入ってくるも、若津くんたちは少々怒っていることがはっきりする。
「どういうつもりだよ!あの店に行ったら金払って、店長に言われた!それに千夏から聞いた。何やってんだよ!南雲の彼女を家に連れ込んで、疾太は何がしたいわけ?」
「違うの。疾ちゃんは」
「疾ちゃん?は?記憶戻ってんのかよっ」
若津くんは深いため息を出し、違うのにと言おうとしたら、疾ちゃんが立ち上がって若津くんの前に立つ。
「俺が教えただけだ。それにやましいことはしてねえよ。記憶が少し戻るかと思って」
「今まで揶揄ってきて、今度は記憶を戻してほしいから、朝峰に近づいてんだろ!」
若津くんが疾ちゃんの胸ぐらを掴んでいて、やめてよと伝えるも離そうとはしてくれない。
「あの頃の朝峰はもういねえんだよ!散々いじめといて、償いのつもりかよ。夏休みの期間は我慢してたけど、疾太とこれ以上連んでられねえ!」
疾ちゃんを突き飛ばし、疾ちゃんは尻餅ついて、若津くんたちは帰ってしまった。疾ちゃんはごめんなと、ぎこちない笑顔を見せるから、ううんと疾ちゃんを優しく包む。
「疾ちゃんは何も悪くない。誰も悪くないよ。記憶がない私が全部悪いっ」
「陽ーちゃんも悪くない。記憶を失わせた奴が悪いんだよ。陽ーちゃん、これからは俺と関わるな。これ以上苦しんでほしくないから」
「言ったでしょ?疾ちゃんが標的にされたら、私が全力で止める」
「南雲がいたとしても?」
止めるよと伝えたら、疾ちゃんが腕を回し私を強く抱きしめる。疾ちゃんはすすり泣き始めて、疾ちゃんの関係性をなんとか取り戻していけたらなと思い始めた。
◇
学校に行くきになれず、家で母さんに付き添っていた。母さんは何もかもやる気を失ったかのような表情で、僕がしっかりご飯を作り、食べさせている。
食力はあるようでよかったよと思いつつ、陽羽ちゃんからメッセージをもらっていたから、返信しようと思っていた。しかし通知を見て、スマホを落としそうになる。
危ないとスマホをしっかり持ち、通知を再度みた。若津からで、疾太が朝峰を家に連れ込んでる。それに朝峰、疾太のこと疾ちゃんって呼んでたよとあった。
あぁとうとう記憶戻っちゃったんだと、若津のメッセージチャットを開き、氷雨に攻撃開始してと送る。了解ときて僕は机に突っ伏す。
あの二人には踏み入ることができない空間が存在していたのは知っていた。記憶がない陽羽ちゃんを揶揄う氷雨で、陽羽ちゃんは完全に氷雨を嫌いになったと思ってたのにな。これはいいと僕は陽羽ちゃんに近づいてやっと僕の彼女となってくれた。
それなのに僕が不在時に陽羽ちゃんを家に連れ込む卑怯者は、排除しなければならない。それに陽羽ちゃんは僕が嫉妬深いの知ってるはずなのに、勝手に違う男と一緒にいるだなんて、少しお仕置きが必要かな。
「真昼…ごめんなさいっごめんなさいっ」
「大丈夫。ご飯しっかり食べられたね。何か必要なものあるなら、買ってくるよ。何がほしい?」
「コンビニのアイス。真昼の好きなアイスを一緒に食べたい」
てっきりブランド品かと思っていたけれど、そんなのでいいのかと買ってくるねとスマホと財布に家の鍵を持ってでた。まだ少々、怒りがあるも、若津がなぜ僕にあんなことを言ったのかは知らない。
まあ氷雨は陽羽ちゃんをずっといじめていたこともあるから、それを存分に味わってもらおうじゃん。
コンビニに到着し、どのアイスにしようかなと選んでいたら、向かいのほうでアイスを選んでいる中華風の服を着た男が見ていた。
「久しぶり、真昼。元気だった?」
「防犯カメラに映ってます」
「話している風には見えない。君の彼女を受け入れる準備が整ったということを告げに来た。獲られないように首輪でもつけておくことを勧める。まあすでに君の彼女にチケットは渡してあるからもらうだろう。訪れた時に再会しよう」
その人は一種類ずつアイスをカゴに入れて、会計をし去って行き、ちょっと高めのキャラメルアイスを二個手にし、僕も会計を済ませ、家へと帰る。
このタイミングであの人と接触するとは思いもしなかった。あの人は僕が虐待を受けていることを知って、一時期保護してくれた人。家の周りにはシベリアン・ハスキーがたくさんいて、楽しい思い出しかなかった。
けれど母さんが何かをやるのではないかと恐れた僕は帰り、その日はどれくらい殴られたかはっきり覚えてる。母さんをあの目にしたら、今度こそ僕は死ぬのだろうと。
ただいまとリビングに入ると、ボトッと袋が落ちる。なぜなら母さんが首を吊っていたのだから。下ろしてあげ、まだ息があるよねと、確認しまだあるとわかってすぐ救急車を呼んだ。
母さんなんでと思っていても、救急員が到着し、病院まで搬送してもらう。なんで、どうして、アイス一緒に食べるんじゃなかったの。
病院に到着し、母さんと寄り添い、ここでお待ちくだいと言われたから、処置室前で待つこと数分。医者がやって来て、診断を聞かされる。
「命に別状はありませんが、お母様の体には自傷したような痣が見受けられました。そのため精神科で入院をお勧めします。どうされますか?」
「空きがあるのであれば、入院手続きを行います」
確認するので、お待ちくださいと言われ、すとんとソファーに腰を下ろす。自殺と見せかけて実際は他殺だったとしたら。あの人はマフィアでもあるから、僕があの人と接触している間に、母さんを自殺においやったとしか考えられない。
入院したとしても、母さんの身に何が起きるかわからないから、学校を休んで毎日見舞いに行ったほうがいいかな。
不安が大きくなるばかりで、どうしようと悩んでいると、真昼先輩と駆けつけて来たのは漆月だった。
「なんで…」
「先輩の自宅前で救急車が停まってたから、誰だろうと思ってたら先輩がいるからさ。お母さんは?」
「自殺を図ろうとした。僕がいない間に自殺未遂したんだよ」
相当追い詰められてたのかよと僕の隣に座る漆月であって、修さんがこのこと知ったらどうなってしまうのだろうか。昼奈もきっと悲しむはずだ。
代わりに看護師さんがやって来て、空きがありますと言われたから手続きをしに向かった。
◇
真昼から連絡を受け、病院の受付に行くと、ずんとしたオーラを出していた。真昼と呼びかけると真昼は目を腫れていて、再び泣き出そうとするから辛かったなとハグしてやる。
そしたら真昼は思いっきり泣いて、真昼も精神的なダメージをもらっていたことが理解した。
自殺未遂をしたことで警察にも報告が上がるから、誰だろうと確認してみたら、真昼の母親で正直驚いた部分がある。
児童福祉司でも共有をしてもらい、真昼の母親が危険人物なのは把握していた。真昼はそれでも、母親を大切にしている姿を見て、誇らしかったよ。
少しして真昼は落ち着きを見せ、ありがとうございますと俺にお礼を言う。
「透…先生。今日、学校行けなくてごめんなさい…」
「平気だ。母さんを見ててあげてたんだろ?立派なことだ。真昼は偉いぞ」
なぜ母親が自殺を図ろうとしたのか、待ってあげていると、教えてくれる。
「母さんがアイスが食べたいって言われて、買いに行ったら、その時間帯に自殺図ろうとしてて。なんでって言う言葉がぐるぐる頭から離れられないっ」
「そりゃあそうだよな。母ちゃんがアイス食べたいって言ってくれてたんだ。事情はまだわからずとも、母ちゃんはよくなる。学校はどうしたい?もしあれだったら、休学しても構わない。陽羽のことは俺に任せておけ」
「休学したいです。勉強と受験勉強は病院でやります」
「わかった。先生たちと共有して宿題出すよう伝えておく。もし来れそうな時は、学校に来いな」
ありがとうございますと真昼から再度言われ、真昼は母親がいる病室へと行った。真昼があの状況なら、陽羽は病院に通いたいと言い出しそうだなと感じてしまう。
伊宮さーんと佐田が走って来て、なんだと佐田の情報を聞いた。
「はあ、はあ、伊宮さん、車でちょっとお話ししたいことが」
何かを掴めたらしく、俺の車に乗って、情報を教えてもらう。
「真昼くんのお母さんである天美さんを調べていくうちにある情報が入手できました。天美さんがこれまで愛人関係として関わっていた人物を調べ上げたところ、ほとんどの人が大手企業の社長だったことが判明。大手企業が本物かどうか合わせたところ、一社のみ裏会社、つまり反社会の会社へと繋がっていました」
「その裏会社は?」
「はい。表向きはIT企業となっておりますが、実際は個人情報を抜き取り、反社会に情報を渡している模様です。上には報告していますが、少し問題点が。天美さんとその社長にできた子、昼奈ちゃんは現在、守城小学校に通っていて、しかも真昼くんの学費も支払っているようなんです」
「違法な金で学費を支払っているのではないと?」
おそらくとありここで義父を捕まえれば、真昼と昼奈ちゃんは学校に行けなくなるってことか。野放しにするわけにもいかない。ここは凛太郎さんが決めることなんだろうけど、もし逮捕となった場合、真昼と昼奈ちゃんは学校に通えなくなる。
組長に相談しても、実の息子じゃないから払う気はないだろう。一番厄介なのはその社長がどう動くかだ。学費を払ってやってんだから、言うこと聞けとかそういう暴言が仮に起きていたら相当危うい。
「その社長の動きは?」
「普通に出勤し、退勤後は真っ直ぐ帰宅しているようです。しかし真昼くんを引き取りたいという依頼は来ているようですが」
「聞きたくなかった。これで真昼も手に入れば、真昼は反社会に手を染める可能性が高い。すでに昼奈ちゃんの親権はその社長なんだよな?」
そのようですと言われ、真昼は運が良かったかもしれない。母親があんな状況であれば、昼奈ちゃんは児童保護施設行き確定だな。その社長の奥さんも反社会に手を染めている可能性がある以上、そういう形となる。
真昼がこのことを知ったら絶対に自分を責める気がして、陽羽に明日放課後居残りなと送ったら、びっくりスタンプが三回来た。
真昼のことだよと伝えたら、再度びっくりスタンプが来て、了解スタンプが来る。明日、陽羽と一緒に病院で真昼と話し合おうと決めた。




