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14羽

 八月中旬となり、清寺さんと岩渕さん、それから真昼くんと透に、なぜか氷雨くんと氷雨くんグループと一緒に一泊二日で、キャンプに来ています。星が絶景とかでなぜか星河教授も参加することに。 

 全て、手配してくれたのは氷雨くんで、ここまでしなくてもよかったのにと思ってしまった。


 しかしこの一泊二日はなぜか氷雨くんと過ごすようにと、真昼くんに言われてしまい、行動するときも氷雨くんと行くことに。


「足元、気をつけな」


 うんと言いながら、焚き火に必要な枝を探していた。氷雨くんグループの女子たちも、あの時はごめんねとペコペコ謝ってたし、なんかいつもと違うから緊張感がとてもある。

 枝をたくさん集め、戻る際、氷雨くんに聞いてみた。


「氷雨くん、なんで呼んでくれたの?しかも清寺さんたちも含めて」

「この前の詫びだよ。それに清寺も部屋から引きこもってただろ?だから気分転換になればって思ってさ。南雲に相談して誘ってみた」

「本当にお金いいの?」

「お金は気にすんな。全て親父が出してくれてるし、朝峰を傷つけたこと打ち明けたら、仲直りしなさいってめちゃくちゃ怒られた。多分、朝峰の両親にも話はつけてあるっぽいから、遠慮しないで」


 今度学園長見かけたら、お礼言わなきゃと心の中で思ってしまう。

 戻ってみると星河教授はやたらと透にちょっかいしていて、透は鬱陶しそうにしながらも、釣りをしていた。女子たちはバーベキュー用に野菜をカッティング。真昼くんと岩渕さんはお肉を切っていて、氷雨くんグループの男子は火おこしをしている。

 私と氷雨くんは枝をそばに置き、真昼くんが調達行ってきてとメモを渡される。絶対に氷雨と行くんだよと言われ、氷雨くんと一緒に、買い忘れの飲み物を買いに行くことになった。


 オレンジジュースとジンジャーエールに、コーラと水。そんなに持てるかな。私じゃなく力持ちの透に頼めばよかったのではとキャンプ場の外れにあるコンビニへと寄った。

 大きめサイズのはなく小さいのをカゴに入れていく。するとスマホが鳴り、確認してみると透からで、お菓子も忘れずになと来てしまった。


「伊宮先生からお菓子忘れずにって。そんなに持てないよね?」

「鍛えてるからこれくらいは持てる。だからお菓子運んでくれると助かるかも」


 わかったと伝えてお菓子コーナーでみんなが好きそうなお菓子をチョイスし、会計はもちろん氷雨くん。スマホを使って会計を済ませ、レジ袋に詰めて行き、みんなのところへと戻る。

 重たそうと少し心配になりつつ、ゆっくりと歩いていたら、氷雨くんが話を持ち出す。


「朝峰が事故った時、ちょうど車で見かけたんだよ。一瞬で朝峰は車に引かれたショックがでかかった」

「えっ…」

「覚えてないよな。俺たち、実はずっと同じクラスだったんだよ」


 氷雨くんは足を止めてそう言い、私も足を止めてしまう。過去の記憶はあまり覚えていなかったから、誰がクラスメイトだったのかも覚えてはなかった。

 唯一、知っていたのは私と仲が良かった子たちのみ。まさか氷雨くんのこと忘れていただなんてと心が沈んでいたら、気にすんなよと私の頭を撫でてくれる。


「どんなに朝峰が忘れようとも、俺がしっかりと覚えてるし、南雲も同じことを言うはずだよ」

「真昼くんも同じクラスだった?」

「まあな。それに、クラスで一番仲が良かったのが朝峰だったから、何日かは学校休んでた時もあったんだよ。ごめんな、守ってあげられなくて、揶揄ってしまった自分が情けねえよ」


 氷雨くんは申し訳ないような笑みを浮かべて、きっと忘れてしまった私をみて、ずっと辛かったんだと理解した。私は首を横に振って、そんなことないよと伝える。


「氷雨くんは悪くない。記憶が消えても、こうやって話してくれて、嬉しいよ。ありがとう」

「言うの遅すぎたかもしれないけど、これからは朝峰が困ったりしてたら、手伝うから、なんでも言ってな。朝峰、一つ言ってもいい?」


 何と聞いたら、伊宮呼んできて、重たすぎと言われ、やっぱり重たかったんだと思い、伝えてくるとお菓子を持ちながら先に戻った。

 伊宮せんせーいと叫びながら、走っていたら思わずずっこけてしまい、派手に転んでしまう。真っ先に駆けつけてくれたのは真昼くんで、その後透だ。


「伊宮先生、やっぱり重たすぎて運び切れないから、氷雨くんを手伝ってあげてほしいです」

「陽羽」


 いいから行ってくださいと言い、透は行ってもらって、南雲くんが抱っこして椅子まで運んでくれる。清寺さんがぽち救急箱を取り出して、ズボンをめくると膝小が擦りむいていた。

 女子たちも大丈夫と心配してくれて、平気と言いつつも、消毒液を流された途端、痛みが激痛して痛いとつい叫んでしまう。やや大きめな絆創膏を貼ってくれて、清寺さんにありがとうと伝えた。


「朝峰さんは休んでていいからね」

「ごめん」

「いいって。もうすぐでできそうだし、魚も順調に釣れてるみたいだよ」


 透がいなくなった途端、星河教授がほいほいと魚を釣り上げていて、なんで透は釣れないんだろうと笑ってしまう。


 準備ができたことで大人組がじゃんじゃんとお肉を焼いてくれて、私たちは先にいただくことになった。そして氷雨くんは私の隣に座って食べている。


「ねえねえ朝峰さんたち、月末にある夏祭り、一緒に行こうよ。いいと思わない?疾太」

「俺は別にいいけど、南雲がぐちぐち言いそうだからっいってえ。足踏みつけるな」

「陽羽ちゃんを傷つけたあんたらと一緒に行くわけない。僕は清寺さんと岩渕さん、四人で行くって決めてるから」

「南雲っち、冷たい。俺たちは別にいいよ。こんな豪華なお肉もらってるから」


 そしたら清寺さんが岩渕さんの頬をつねり、うちは南雲くんと同じ意見だよと言い張る。


「うちがいない間に、陽羽ちゃんを傷つけたあなたたちを許したつもりはない。今日は伊宮先生に言われてただくっついて来ただけだもん。うちが引きこもってたのは、陽羽ちゃんを守れなかったせい。ごめんね、紛らわしい引きこもりしちゃって。誘拐されたことは、全然気にしてないから」


 言い切ると手を離し岩渕さんは痛そうな表情をしていた。女子たちは何も言えず、男子たちも黙ってしまって、あわわしていると、透が言い出す。


「過去に起きちまったことは、上書きすることはできない。だが氷雨たちはちゃんと反省していること、認めてあげろ。真昼、催花。それで陽羽は氷雨たちのことどう思ってんだ?陽羽の気持ち、真昼たちにちゃんと伝えないと、誤解が生まれるぞ」


 透に言われ、私が今までどんな気持ちだったのか打ち明ける必要がある。ちゃんと伝えたらみんなはどう感じるんだろうと不安が少しあった。

 そしたら真昼くんが大丈夫だよと言ってくれるから、私は氷雨くんたちに気持ちを伝える。


「氷雨くんたちがずっと怖かった。いつも揶揄われて、私抜きのグループチャットが存在することを知った時、とてもショックだった。なんでって何度も考えても、答えはただ一つ。障がいがあるからって」


 打ち明けるとそんなんじゃないって男子たちが焦っていても、私にはそう感じちゃったのと告げた。すると男子は口ごもってしまうも、続けていく。


「私はみんなと違うから、はぶかれているんだって自己解決しちゃって、みんなの顔を見ようとも見れなかった。私と向き合ってくれるのは、家族と伊宮先生、それから親友がいてくれればそれだけで十分って自分に言い聞かせてたの」


 みんなはごめんと私に何度も言って、そのまま私は綴る。


「それでも時間は結構、かかっちゃったけど、真昼くんが話しかけてくれて、清寺さんが話しかけてくれて、氷雨くんのことも知れて、他のみんなも少しずつ知れて、今、私、とっても幸せだよ」


 嫌な思い出を少し思い出して涙が溢れるも、ちゃんと笑顔をみんなに見せれた。今まではぎこちない笑顔だったかもしれないけど、やっと自分が思ってること言えて嬉しい気持ちが強い。

 清寺さんが私に抱きついて、氷雨くんグループの女子も私に抱きつく。


 すると子供のようにわんわん泣きながら、透が言ったの。


「よかったな、陽羽。高校生活後半分しか残ってないが、たっぷり友情を楽しむんだぞ。星河教授、ティッシュ」


 鼻水たらりと垂らしながらで、星河教授は箱ティッシュセットを透に渡し、一つでいいんだよと突っ込む透で私たちは笑い合う。


 

 夜となりここから星河教授の授業を聞くかのように星の演説が始まって、すでに寝てしまっている岩渕さんと透。それから星河教授の話が長いせいか、みんなも寝てしまった。

 それに気づいた星河教授は透の頰に落書きをし始め、ほいっとマジックペンを渡されるから、少し落書きをする。


「気持ち、楽になれた?」

「はい、だいぶ」

「気持ちは誰かにぶつけるのもいいけど、誰かに聞いてもらう前に、感情が溢れ出したら、まず紙に書いておけばいい。それかノートに書くのもおすすめ。デトックスノートと言って、しんどい時や不安な感情、とにかくネガティブを心の中にずっとしまっているのではなく、とにかくネガティブが発動したら、書けばいい」

「デトックスノート?」


 そうと夜空を見上げながら、星河教授はカメラを出して星空を撮り言う。


「誰しもネガティブの感情は存在し続け、身体を壊す人たちを大勢見てきた。助けられなかった命もたくさんある。陽羽ちゃんはそうなってほしくないから、余が勧められるのはその方法かな。結構一人で考えてしまうことあるでしょ?まずはなぜそんな気持ちを持ってしまうのか、自分の心に聞いてみるといいよ」


 星河教授がこっちを向いて、いつも無表情なのに微笑んでくれるとは思いもしなかった。やってみますと伝え、星河教授に星を綺麗に撮る方法教わっていると、氷雨くんが起きる。

 星河教授はお手洗いに行ってくるそうで、そろそろみんなを起こして、テントで休もう。そう思ったら氷雨くんが私の腕を掴み、振り向いた瞬間、氷雨くんが私のおでこにキスをする。氷雨くんは頬を染めながら、まっすぐな瞳で告白された。


「朝峰、好きだ。フォローしてくれた時からずっと」

「ごめんなさい。私」

「わかってる。朝峰がやっと掴んだ恋を邪魔するつもりはない。南雲にも言ってあって、今日南雲たちが邪魔して来なかったのは、朝峰を吹っ切るために邪魔して来なかったんだ」


 通りで嫉妬しちゃう真昼くんが、来なかったのは、そう言う意味だったんだ。氷雨くんの気持ちを知って、氷雨くんはスマホを撮り出し、スマホが鳴ったから確認してみる。

 確認したらグループチャットの招待で参加すると、じゃんじゃんとメッセージが来ていた。


 氷雨、最低とか、好きな人をいじめるとかあり得ないとか書かれてある。そんなことないとみんなに伝えようとしたら、止められてしまう。


「伝えなくていい。始業式から標的は俺になると思う。揶揄っていた分を今度は」

「そんなの必要ない!私は氷雨くんたちを許した。氷雨くんが標的になる必要なんてないよ。もし氷雨くんが標的にされたら、私が全力で止めに入るし、伊宮先生も絶対に止めるもん」

「朝峰…」


 そうだよといつの間にか起きていた透で、私と氷雨くんはその顔を見て笑いが止まらなかった。私も書いたから顔がどんなになっているのかわかっていたとしても、おかしすぎて笑っていたら、なんだよと突っ込まれる。

 カメラを起動し写真を撮って、見せてあげると、犯人はわかっているっぽく星河教授どこ行ったと探し回りに行ってしまった。


「あの顔で動き回るとおかしくなるな。起きた時、笑い堪えるの必死だった」

「星河教授が落書きしてて、私も伊宮先生の顔に落書きしたんだよ」

「みんなにも見てもらいたいから、さっきの写真送れそう?」

「グルチャに?」


 うんと言われて、そうだと閃き、氷雨くんにこそこそっと伝え、氷雨くんはみんなを起こしてもらい、透を探す。


 どこ行ったんだろうと探し回っていたら、透と星河教授が話してて、声をかけようとしたら、二人の会話を思わず聞こえてしまった。


「星河さん、どうですか?」

「現状からにして、ここには奴らがいないようだから、安心だとしても警戒は怠らない方いいかも知れない。以前のように陽羽ちゃんたちの誰かが誘拐される確率は高いと思う。ある程度このキャンプ場把握してあるけど、防犯カメラも少なく誘拐するには最適の場所だから」

「そうなると交代で見張っておいたほうがいい?」

「そうだね。夜中は余が引き受けるから、朝は透が周囲を警戒。帰るまでに何かが起きそうな予感がする」


 二人の関係ってと考えていたら、どうしたのと星河教授が来ていて、みんなで写真撮りたいですと誤魔化す。絶対に聞いてたことばれてたよねと思いながらも、撮ろうぜとまだ落書きが消えていなくてよかった。

 星河教授がハイチーズという合図で最高の一枚を撮ってくれる。後日、星河教授が一眼レフで撮った写真を透に渡してくれるらしい。

 スマホでも撮ってくれて、私はグルチャでよろしくお願いしますと送る。それから氷雨くんたちを悪く思わせないために、透がふざけた顔がありつつも、星河教授に撮ってもらった写真を送った。


 おやすみと男子と話しつつ女子のテントへ入って、みんなの反応を伺う。反応ないねと言いながら私たちはそのまま眠ってしまった。


 翌日、よく寝たと目を擦りながら、まだみんなは寝ていて、そっとテントから出る。真昼くんがすでに起きていておはようとお互い言い合った。


「真昼くん、早いね」

「そう?」

「うん。昨日はしゃぎすぎてまだ清寺さんたちは起きなさそうだけど、氷雨くんたちは?」

「同じく氷雨たちまだ寝てるよ。氷雨の車で帰る?」

「ううん。伊宮先生の車で帰るつもりだよ」


 だよねとお互いあの大きい車にはなれなくて、少し車酔いをしてしまったから。それぞれ起き始めて、おはようとみんなで言い、帰る準備すんぞと透が指示を出していく。

 テントを片付ける真昼くんたちで、清寺さんたちは借りていた機材を返しに行ってもらっている。


 昨晩のことが気になるも、きっと透が警察官にいた頃に知り合っていたのだろうな。あまり深入りはしないと簡単なのを透の車に乗せていた。

 するとにゃあと猫が私の足元にやって来て、可愛いと抱っこする。どこから来たんだろうと撫でてあげると、上品な首輪が付いていた。


 飼い猫と思っていたら、すみまへんと現れたのは、ここら辺に住んでいる住民かな。

「その子、うちの猫なんや。扉開けてたら、勝手にいなくなってしもうて焦った。ほら帰ろうや」


 シャーッとなぜ飼い主に威嚇する猫であり、いつもこうなんですと私から取り返す飼い主さん。するとその猫は飼い主さんの顔を引っ掻いてしまう。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫や。いつものことなん。そうそう、よかったら使ってや。うちの自慢の店なんやで。お友達と一緒に来たらえぇ。そんじゃ」


 そう言って猫の飼い主さんは行ってしまい、キャットアイランドというチケットが五枚。そこのスタッフさんと考えていたら透が、なんだそれと気にしていた。


「さっき猫ちゃんが私のところに来て、抱っこしてあげたら、飼い主さんが追いかけて来たの。それでなんか貰って」

「ちょっとそのチケット、預かっていいか?」

「うん」

「何もなかったら、ちゃんと返すから」


 透は長財布にしまい、見慣れないチケットだったからなんだろうと感じてしまう。私と真昼くん、清寺さんと岩渕さんは透の車で帰り、氷雨くんたちは氷雨くんと一緒に帰る。

 助手席では星河教授が爆睡していて、透がお返しだとマジックペンを取り出したら、さっさと運転と言われ起きてたのかよと蓋をしめ出発した。



 それぞれ自宅まで運ぶ透で、星河教授、岩渕さん、清寺さんの順番で、お次は真昼くん家。家に帰っても、基本はお母さんはいないと聞いてたけど、昼奈ちゃん元気かなと聞いてみた。


「昼奈ちゃん、元気にしてる?」

「元気そうだったよ。たまに僕のバイト先でご飯食べに来てくれるから。そうだ、透先生」

「どうした?」

「昼奈の父親に言われてるんです。一緒に住まないかって。僕は母といると言ってるのに、考え直してほしいと言われて。この場合、どうしたらいいんですか?」


 透はそうだなと少し考えて、真昼くんにこう伝えた。


「真昼はすでに18歳だ。親権を選ぶことができる。もし父親がエスカレートするようなら、弁護士紹介するよ。ただ場合によっちゃ、親権が父親になることもあり得る。例えば母親との間で虐待を受けているとか。そう言うのはないんだよな?」

「はい、あり得ません」

「なら堂々と断ればいい。もしも限界が来てたら、直接俺に言え。俺が一度話してみるから」


 ありがとうございますと真昼くんはすっきりしたような表情で、真昼くんのお義父とうさんはどんな人なんだろうと思ってしまう。

 もう少ししてから聞いてみよっかなと思いながら、真昼くんが住む家に到着して、それじゃあ、またと私は助手席に座り、自宅へと向かった。


「透、お疲れ」

「疲れてない?」

「全然平気だよ。私たちのために星河教授も誘ってくれてありがとう」

「いいって」


 あのこと聞いちゃおうかなと聞こうとしたら、スマホが鳴って誰だろうと確認したら夕哉さんからだ。仕上がったから取りに来れそうとあり、透に伝えてそのまま夕哉さんのお店へと寄ることに。 


 いらっしゃいと夕哉さんのお姉さんがいて、夕哉さんが箱を持って作業部屋から出てくる。打ち合わせスペースで開け、その場で履いてみた。

 歩いてみと夕哉さんに言われて、少し店内を歩いてみる。違和感もなく履き心地も良くて、大丈夫そうだ。


「大丈夫そうです。ありがとうございます」

「大丈夫そうなら、よかったよ。他に欲しい靴があれば、何足でも作ってやるからいつでも言ってな」

「はい。お会計をお願いします」


 別にいいよと言われるも、払いますと伝え、夕哉さんはそうかと少々落ち込みながらも会計をしてくれる。学生割とクーポン券も含めてくれたことで、なんと二千円という額。本来なら万がつくのにと思いながらも、二千円を支払った。

 すると透が珍しく革靴を購入し、夕哉さんはムスッとした顔をするも、透は通常の金額を支払う。


「買わなくても別にいい」

「ちょうど革靴が欲しかったから別にいいだろ。ここで買っても。陽羽、そろそろ」

「うん。また来ますね」


 夕哉さんとお姉さんに手を振って、透の車に乗り自宅まで送ってくれた。

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