「女性総理」はなぜ誕生しないのか? そもそもどうして女性政治家が少ないのか?
筆者:
今回は「女性政治家はなぜ少ないのか?」そこに焦点を当てて個人的な考察をしてみようと思います。
質問者:
私としては女性政治家が増えてくれた方がいいですね。
なんだかんだで、生理の悩みや男性と比べて体格面の差による恐怖、
体力面の不安があることから仕事が男性よりできないので稼げない、
ママ友同士の付き合いなど――あまり男性に理解しにくいことが多いと思いますからね。
筆者:
僕たち男性としても言語の上では理解できても本質的には理解できていない側面も多分に存在していますからね。
僕は足の小指を打ち付けて血豆が出来て全治1週間だった時があったんですが、
その時期に生理について女友達に聞いてみたら、
「その小指の痛さが何倍も痛いのが毎月だよ」
「転生して性別選択できるなら絶対に男性を選ぶよ」
と言われたのが鼓膜に染みついています。
僕なんて痛い瞬間は半年に1回どこかぶつける怪我と年1回歯医者の治療ぐらいで、
いたって問題が無いので……。
質問者:
そういう有様ですから中々男性に相談できないんですよ。
そうなると、男性政治家が圧倒的に多いと女性にとってプラスになる政策ってできにくいのは問題だと思います。
育児や介護だって結局のところ女性任せじゃないですか?
男性は育児休暇取りにくいとか言って……。
◇立候補しても「庶民ではない女性」しかいないため選ばれない
筆者:
大変耳が痛い話です。僕たち男性側としても必死に理解しようと努力しているつもりなのですが……。
ちなみに、日本における女性議員衆参の比率では16.0パーセントで、
これは世界190ヵ国中139位相当、衆院のみに至っては10.3%で164位となっています。(23年8月時点)
質問者:
うわぁ……尋常ではありませんねその低さ。
どうにか上げる方法ってないんですか?
筆者:
数字の上で割合を上げるシステム的には可能です。
選挙の候補者に一定数の女性を割り当てるように政党に義務付けるクオータ制(人数割当制)などの制度や、
例えば一定数の比例代表を女性のみの当選とするなどの対応だと思います。
質問者:
その制度をさっさと導入してくれないんですかね……。
筆者:
僕がここで問題にしたいのは、
「果たして割合を合わせたところで多くの困っている女性の意見が反映されるのか?」
ということです。
今の状況でも男女の性別別投票率はほぼ同数でありながら、
衆参の選挙での女性当選率は30%前後となっています。
つまり立候補者が女性であるからと言って当選できているわけではありません。
しかも当選されている方は加藤少子化担当大臣、小渕選対委員長のような2世議員。
松川ルイ16世さんなどのような東大エリート、
今井絵里子議員、生稲晃子議員のようなタレント出身などとても女性を代表していない方々ばかりです。
質問者:
確かに女性議員は空気の読めない人ばかりの印象はありますね……。
筆者:
こういう分類の人たちが増えたところであまり女性にとっていい影響はないでしょう。
質問者:
しかし、女性の議員の当選率すらも低いのは、
女性からすらも評価されず、
そういう方しか知名度が無いから当選しにくいという事なんですね……。
◇女性は立候補意識が低いのか?
筆者:
非常に残念なことにそうなります。
次に女性の立候補意識(被選挙権行使の意識)が低いのではないか? という事について考察していこうと思います。
日本財団が2021年に「女性と政治」をテーマに1万人の女性に対して意識調査によりますと、
先進国の中で最も低い国会や都道府県議会の女性議員比率について、6割超が「少ない」「増える必要がある」と回答。19人中2人に留まる菅内閣(当時)の女性閣僚数に関しても、やはり6割超が「少ない」と答え、その9割以上が理想の閣僚数を「約半数から3割程度」としています。
更に主な回答項目で僕が注目したものとしては、
女性の政界進出を加速させるため候補者や議席の一定割合を女性に割り当てるクオータ制やパリテの導入について、どう思いますか
「わからない」50.4%
「賛成」 35.5%
「反対」 14.1%
機会があれば政治家になりたいと思いますか
「思わない」 71.0%
「あまり思わない」16.6%
「やや思う」 5.8%
「思う」 2.0%
政治家になりたいと「思わない」「あまり思わない」の理由(複数回答)
「自分には向いていないと思う」 56.8%
「政治家という職業に興味がない」 34.0%
「自分の生活や家庭と両立できる自信がない」25.0%
特に、女性閣僚が少ないことが問題であるとしながらも、
機会があっても政治家になりたくないというのが7割というのが一番問題を感じました。
質問者:
どうして政治家になりたがらないのでしょうか?
筆者:
上でもありましたが“庶民政治家のモデルケース”が少ないからだと思います。
今、女性で最も首相に近いと言われる高市氏は政治家になるまで華やかな経歴は無く、
政治家家系でもありません。
僕は高市氏を経済面などで諸手を挙げて評価しているわけではありませんが、
女性政治家としてはこういう方が増える方がいいと思います。
しかし現状としてはシステム的に難しいでしょう。
◇特に女性は経済問題がある
質問者:
どうしてでしょうか?
筆者:
これは男女の共通の問題ではありますが、出馬すること自体が“特権階級限定”の状況になっています。
衆参の選挙に出るためには最低でも選挙活動の費用や供託金を含めて2000万円が必要になります。
これをポンと出せる人間はそうそういません。
だから2世議員以外の政治家は金がカツカツで裏金や政治献金を受け取り、
政治をそれらの団体の都合のいい様に改変していき国民全体にとってはマイナスの政策を繰り広げるのです。
もちろん女性議員増えた方がいいと思いますし、各党ごとに一定の出馬割合を設けることは必要でしょう。
しかし、女性議員が増えたことで現状ではそんなに庶民感覚がある人が当選する可能性は低く、女性の抱える様々な問題を解決することは難しいと僕は考えています。
いずれにせよ、民衆の声を届けるためには男女問わず金額面での参入障壁を下げるのが絶対条件ですね。
これは賛否が分かれるかもしれませんが、
先行して女性のみ参入障壁を下げてみるのもアリなのかもわかりませんけどね。
特に女性の方が体力の問題から労働時間が少ないので、未婚者でも非正規雇用であることも多いです。そうなると給与が少ないことも多いですからね。
質問者:
なるほど、結局のところ立候補障壁の問題があるわけですか……。
特に独身女性はお金に困っていそうですから立候補しにくそうな状況ですよね……。
女性でも元タレントとか元エリートが多く当選しても実情とはズレていくだけですからね……。
筆者:
また上のアンケートの回答では
女性の政界進出が進まない理由では「『政治は男のもの』」という世の中の価値観」などと並び、「女性政治家を育てる環境の未成熟」や「目指すべき女性リーダー像の不在」を指摘する声も目立っています。
こういったことからも女性の参入障壁を下げることは必須であると僕は考えていますね。
質問者:
現状庶民であればあるほど立候補できませんからね……。
庶民がほとんどなのに……。
筆者:
選挙の参入障壁は供託金だけでいいと思うんですよ。
供託金なら得票率次第で落選しても返還されますからね。
あとは政治献金、政治資金パーティー、寄付などを全面禁止し、
選挙活動はオールネット選挙にするべきなのです。
質問者:
しかし、現実問題ではそういった制度になるのは難しいですよね?
既得権益を棄てるとは思えないので……。
今後も女性は肩身が狭い思いを続けるのでしょうか……。
◇さり気ない女性に対する配慮を男性はするべき
筆者:
女性の方が生きにくい世の中になっているのは、
本当に男性側の責任が重いと僕は思っています。
政治面での打開は望みが薄くとも、各家庭内ではできるはずです。
今はほとんどの家庭で男女共働きにもかかわらず、
男性が育児・家事・介護の手伝いをしている割合は少ないです。
こういったことが少子化促進している要因だとも思っています。
男性も仕事疲れで苦しいかもしれませんが、やはり最低でも自分の身の回りのことをやり、
「女性側は言葉にしていないけど苦しいのかも?」
と思って当事者意識をもって相互の役割分担をすることが大事だと思います。
質問者:
確かにかつては女性はせいぜい家計を楽にするためのパート程度だったのが、
今は正社員として働くのが当たり前という状況になりつつありますからね……。
筆者:
これは家庭内でどれだけの負担を分担するのか総量を見えるかして、
なるべくやりやすいものを選んでいき、時間の均等化もしくは体力のある男性の方が多くやるべきだと思いますね。
質問者:
話し合いと相互協力関係を話しながら分担していくべきですね……。
筆者:
女性側も言いにくいのかもしれませんがご自身の不満に思っていることをパートナーに対して言ってみるといいと思いますね。
前に他のエッセイで書きましたが男性と女性とでは脳の構造が違うのでそれを理解したうえで、お互い歩み寄ることで円満に解決できるのではないかと思っています。
僕は女性ではないので女性側のご意見も募集しております。
という事でここまでご覧いただきありがとうございました。
今回は参入障壁が立候補において高すぎることから、
女性は特に所得が低く立候補がしにくいのではないか?
という事をお伝えさせていただきました。
今後もこのような時事問題や、政治経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていきますのでどうぞご覧ください。