逆アダムとイブ

世界から人が消えた日

気づいた時にはもう世界が滅亡していた。

人間は私たち二人以外はいなく、私たちは手を繋いで、朝日をみていた。

「ほんとに誰もいなくなっちゃたね」

「そうだね、人間がいなくなるだけで世界はこんなにも美しく見えるなんて知らなかったよ」

「私たちもあと１日で消えちゃう」

空には人間がいなくなったのを喜ぶようにたくさんの鳥が飛んでいる。

「さあ、じゃあ最後の１日をどう過ごそうか？」

そう言った美穂は今までで一番いい顔で笑っていた。