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5.エドとお茶を飲む

しばらく歩くと、エドが勢いよく振り返った。

「つきましたよ!兄様!」

褒めて褒めて、と言うようにきらきらとした目で見つめるので、頭を優しく撫でてやる。

『ああ、ありがとうエド』

これでティールームまでの道も覚えられた。


ティールームの扉を開くと、広すぎない(それでも庶民だった俺にはじゅうぶん広いが)落ち着いた部屋だった。

窓の外には緑を中心とした色とりどりの植物が見える。


部屋から部屋に移動しただけなのに、まるでリゾートにでも来たみたいだ!


使用人たちが食事の準備をしている。テーブルを見ると綺麗なクロスと共に、軽くつまめるようなサンドイッチやスコーンなどが並べられている。朝、昼と食べていない俺にとっては、物凄く輝いて見えた。


さっそくエドと席に座り、各々食べたいものを手に取った。(ちなみに俺はいただきますを言わないように頑張った)


俺は甘党じゃないからレタスやハムの挟まったサンドイッチとスコーンをそのまま食べているが、エドはまだ子供だからか、フルーツサンドやクリームをたっぷり塗ったスコーンを食べている。見ているだけで胸焼けしそうだ。


間で香りの良い紅茶を口に含みながら心地のいい景色を眺める。幸せな時間だ。


さて、黙々と食べるだけの時間はあまり好きではないし、会話でもふってみるか。

『エドは気になってる人とかいないのか?』

いきなり踏み込みすぎただろうか?でもこの世界のことを知るには、こういう話題が1番だ。


「えっ、僕ですか?うぅん……今はそういう人はいませんね……。ずっと兄様の顔を見て育ってきたせいか、理想が高くて、」

あれ、それってつまり俺のせい?俺のせいで今世の弟に恋人が出来ないかもしれない。それはまずい……でも俺の顔はどうしようもないし……、と考えていたら


「兄様こそ、好きな方はいないんですか?」

とエドに聞かれた。


気になる人って言ったって……前世を思い出してから、母さんと使用人とエドにしか会ってないし……。


『俺もあまり思い付かないな。そもそも人付き合いが少ないのかもしれない。』

「も、勿体ない…!兄様の顔ならどんな人でもすぐにオトせちゃいますよ!」

そう言われても……周りは全員薄顔なんだよ!!


『そう言うならエド、誰か良さそうな人を知らないか?』

「えっ、えぇと……あっ。良さそうな人ではないんですけど、父様が、この国の王子の話をしてくれたんです」

この国の王子?


「この国の王子の半分以上は顔がよろしくないということは知っていますよね?」

えっ、そうなのか?王子なのに良いのかな……。


「その方たちはお金もあるし、王子という肩書きもあり、婚約者にと候補がたくさん挙がるのですが、どなたも顔を見た瞬間、倒れてしまったらしいです」


……えーと、つまり、この世界では顔が醜い?

ってことは俺から見たら超絶イケメン??

なるほど、良いことが知れて良かった。



エドとのお茶会は大成功だ。

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