28.俺の為に喧嘩しないでくれ
複数との結婚について
この世界には男しかいないので、男女比率の偏りなどはなく人口的にも問題がないので、何人と結婚するかは自由になっています。
なんやかんやあって和解したオリヴァーが案内の続きをしてくれると言うので、一緒に廊下を歩いていた。(王子が俺みたいなのの腕に抱き着きながら歩いてて大丈夫なのか?)
2人で話をしながら歩いていっていると、ふと曲がり角に人影が見えた。オリヴァーは気付いていないみたいだが。
「お、オリヴァー…!!何してるんだ!」
人影の正体は、アンドリュー………リューだった。
この世界では複数と結婚出来るのにも関わらず、なんというか…浮気がバレたような気分になった。気まずい。
けれどリューは俺に怒るわけでもなく、まずオリヴァーに目を付けた。おおかたオリヴァーが勝手に引っ付いていると気付いたのだろう。
「あ。兄上。城の中で会うなんて珍しいですね?どうかしましたか?」
オリヴァーはそれに気付いているのかいないのか、飄々とした態度でリューに話しかける。
「ど、どうしたじゃないだろう……っ!オリヴァー………ちょっと僕と話そうか」
怖い顔(俺からしたら精一杯怖い顔をしようとしてる可愛いリューだったけど)でオリヴァーを呼び付けるリュー。
オリヴァーも不服そうな顔をしつつ、兄には逆らえないのか渋々ついていくことを決めたみたいだ。
「アルバートも来いよな!僕が行くんだから行くだろ…?」
少し不安そうに聞いてくるオリヴァー。……可愛い。そんな顔で言われたらついていくしかないよな。行くわ。
『分かった、俺も行く。』
「なっ………!」
俺がそう答えると、オリヴァーが更に俺にワガママを言ったと思ったのか、リューの怒りが更にヒートアップしてしまった。
リューに連れられて歩くこと数分_______
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近くの客室?みたいな所に入った俺たちはソファに向かい合って座っていた。
簡単に言うと、俺とオリヴァーが1つのソファに。その向かい側にリューが座っている感じだ。
「………いいか、オリヴァー。今もそうだが、その、城の中でアルに引っ付くのをやめろ!」
言いたいことはこれだったらしい。
オリヴァーが俺にベタベタしてるのを見て、怒ったのか?まぁ、城の中で王子がそんなことしてたらやばいのかもしれないが。
でも多分、これは単純に_________
「そんなこと言って兄上、本当は兄上だってアルバートとイチャイチャしたいんでしょう?」
そう、恐らくそういうことなのだ。
「自分がこんなこと出来ないからって、妬まないでくださいよ」
言い方はともかく、そういうことなのだ。
俺に引っ付くオリヴァーに、嫉妬したと。それでオリヴァーを叱りつけているんだろう。
オリヴァーに煽り散らかされたリューは怒りなのか恥ずかしさなのか、ぷるぷると震えながらガタッと音をたててソファを立った。
そしてゆっくりと此方に歩いてきたと思ったら、俺の隣………オリヴァーがいない方にちょこん、と座った。
「ぼ、僕にだって、出来るからな………」
そう言って顔を赤くしたリューが、俺の腕に抱き着いてきた。そう、反対側のオリヴァーのように。
つまり、今の状況を説明すると………俺の右側にオリヴァー、左側にリューが座っていて………2人が腕に抱き着いてきている、ということだ。
なんだここは。天国か?
「アルバート!僕の方が好きだろ?僕のこと、大切だって言ってくれたもんな?」
誇らしげな顔で詰め寄ってくるオリヴァー。可愛い。
「……アル、僕だよな?だって、その、か、可愛いって言ってくれたし………」
俺の服の裾を握って控えめに言うリュー。可愛い。
どういうことだ、なんだこれは。選べるわけないだろ。
「兄上!僕の方がアルバートのこと好きです!」
「っ…ちがう!僕の方が、その、アルのこと……す、好きだ!」
喧嘩(なのか?)がヒートアップしてくると共に、2人の手の力も強くなってくる訳で。オリヴァーは俺の腕のみならず、体にまでぎゅうぎゅうに抱き着いてきているし。リューに関しても、無意識だろうけど俺の腕に自身の胸を押し付けてきている。変な気分になるからやめてほしい。
あー、ずっとこのまま居たい。……じゃなくて、止めないと不味いよな…?いやまぁ、キャットファイトみたいで可愛いんだけど。
『二人とも、俺の為に喧嘩しないでくれ。』
人生で1度は言いたいやつ。言えた、嬉しい。
俺がそう言うと二人はピタッと動きを止めて、俺の顔を見た。
「そう言うなら僕のこと、もっと甘やかしてくれよな!」
………甘やかす?
「オリヴァーのことばかり贔屓しないで、僕のことも、あ、甘やかしてくれ」
甘やかすなんて………………得意分野だ。
そうして俺は、今日を二人とイチャイチャすることに使うと決めたのだった。
次の回は超イチャイチャ回になります。正直作者はアンドリューとオリヴァー好きなので贔屓してしまう…………すみません。欲望全開の小説ですが、次回も見ていただけると嬉しいです。




