表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/30

26.少しの嫉妬と羨望

前の回で第九王子と第十王子の年齢が同じだと書いていたんですが、この世界は男性が出産するので妊娠や出産期間が1ヶ月とかなり短いです。そのため秋頃と冬頃に生まれた、双子ではなく兄弟として書かせていただいてます。

模擬戦はとても緊迫した様子で始まったが、相手の騎士がレオナルドに斬りかかることによって均衡は絶たれた。


「ははっ!いい踏み込みだぞ!」

レオナルドは余裕があるのか、相手を褒めつつもいなして距離をとっている。流石だ。


ずっとその状態が続くかと思われたが………相手の騎士が汗で剣を滑らせた瞬間。物凄い勢いで後ろをとり、剣を相手に突き付けたレオナルド。

その圧倒的な剣技に、思わず俺も見惚れてしまっていた。


相手の騎士が参りました、と声をあげると、真剣な顔をしていたレオナルドがにぱっと笑顔になって相手の騎士にアドバイスをし始めた。

「おしかったな!お前は基礎の動きはしっかり出来てるけど、もっと体力をつけるべきだ!」

あの状況でそんなことまで考えていたのか?


純粋にすごいと思ったので、隣にいたオリヴァーに思わず言ってしまった。

『凄かったな……剣技は美しかったし、一般騎士にも慕われていて尊敬するよ。』


そう言った俺にオリヴァーは、悔しそうに顔を濁らせて俺を見つめた。

泣きそうな表情のまま、

「………そうですね。それなら、兄上のところに行って、話してきたらどうですか?きっと僕と話しているより楽しいと思いますよ。」

オリヴァーは作り笑顔でそんなことを言うと、そのまま走って行ってしまった。


すごく悲しそうな顔をしていた。涙も見えた気がする。オリヴァーを追いかけないと……!


『レオナルド!すまない、俺はもう行く!』

そう叫んで、俺はオリヴァーが走っていった方向を追いかけた。


_____________


『オリヴァー!』


俺たちが2日前に別れた長い廊下を進んだ奥…、

廊下の行き止まりの人目のない場所でオリヴァーを見つけた俺は、すぐに声をかけた。


俺が声をかけても、オリヴァーは振り向かない。

その代わりとでもいうように、ぽつりぽつりと話し始めた。


「なんで追ってきたんですか…、兄上のことをあんなに気に入っていたのに。」

なんで、って…。

『お前が悲しそうな顔をしてたから…。レオナルドは関係ないだろう?』


俺がそう言った瞬間、振り返った後ぶわっと顔を赤くしたオリヴァーが、とうとう感情を抑えきれなくなったかのように

「兄上は、僕と違って優秀なんです…!だから、貴方が僕より兄上を好きになるのだって当然のこと…、なのに、…こんな、醜い……嫉妬なんて、」



「お前のせいでめちゃくちゃなんだ…!こんな感情、一生知らずに生きていくと思ってたのに…!!」



言いたいことをすべて言いきったのか、肩で息をしながら呼吸を整えるオリヴァー。

……つまりオリヴァーは、思っていたより俺のことを好いてくれていて、俺がレオナルドを褒めたことに嫉妬したと。初めて嫉妬して、戸惑ってるのか…。


俺はオリヴァーが嫉妬してくれたことが嬉しくて、オリヴァーを抱きしめた。

初めは何が起こったか分からない、という顔をしていたオリヴァーも数秒後にぎょっとして腕の中でじたばたし始めた。


「なっ、いきなり何するんだ…!!やめろってば!………っ〜〜〜!離せ………!!」

離れようと俺の胸板を叩いているオリヴァーだが、体格差があるからもちろん離れることはない。


そのまま耳元に顔を近付けると、吐息がかかったのか、びくりと肩を跳ねさせたオリヴァー。そんなこともお構い無しに、俺は語りかける。

『オリヴァー……よく聞け。お前はレオナルドにも負けないくらい素敵で、優秀で、大切だ。だからもう、そんなこと言うな……』


俺がそう言うと途端に大人しくなる腕の中の抵抗。

オリヴァーは俺の胸に顔をうずめていて、表情は読み取れない。

『オリヴァー…分かったか?俺はお前が大切だから、もう____』

「わ、分かった!分かったから、もう、なにも言うな………」


耳元が赤くなっているのが見えたので、とりあえずは泣き止んだみたいだ。


しばらくして、オリヴァーを俺との抱擁から解放してやると、ばっ、と顔を上げたオリヴァーは

「…もうあんなこと言わない。それと、本人がそう言うなら、もう僕は遠慮しないからな…!」

と言い、俺の腕に抱きついてきた。


『…っオリヴァー!?』

「…なんだよ、僕のこと大切なんだろ。僕は嫉妬深くてめんどくさいからな!それでもいいのかよ」

ぷくっと頬を膨らませて言うオリヴァー。

はぁ………??可愛すぎないか??猫かぶってないオリヴァーめちゃめちゃ甘えてきて可愛いな…。


『不安になるなら何度でも言ってやる。そういう所も全部ひっくるめてオリヴァーのことが大切なんだ。』


俺がそう言うとオリヴァーは、嬉しそうに笑って

「…それなら、僕の人生めちゃくちゃにした責任とれよな!」

より強い力で俺の腕にしがみついて、俺を引っ張って来た道を歩き始めた。



この日から、遠慮がなくなったオリヴァーが可愛くて仕方なくなったのはまた別の話_______

オリヴァーが猫かぶり止めました!可愛い!

作者の理想と性癖が入りすぎた…オリヴァーごめんな…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 美醜逆転してて、主人公攻めでBLものなんて控えめに言って最高! [一言] 次の投稿も楽しみにしています!
[一言] オリヴァーが可愛くてどうしようかと。 個人的にこれはイチャラブです。 待ってたかいがありました。 主人公くんはドンドン幸せをばらまいてください。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ