表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/30

18.王子は会いに行く(王子視点)

〜第七王子視点〜

僕はオリヴァー・エゼルヴェルド。エゼル王国の第七王子。……とは言っても、国民に望まれていない方の王子だけど。


顔は醜く生まれてしまったけれど、僕は馬鹿共とは違う。泥臭くても何でもいい。貴族共に媚びを売って、取り入って、必ず僕を馬鹿にした奴らを見返してやる。


とくに第一王子。僕はあの人が大嫌いだ。世間一般からはいい王子……だとは思うけど、なんだか全てを手にしているような余裕な態度が鼻につく。


……まぁ、僕のことはどうでもいい。

今日も貴族と会うために王城内を歩く。僕以外の他の兄弟はあまり出歩かないから、積極的に外に出向く僕は珍しいらしい。

今日は部屋を出た時に、近くで騎士が噂話をしていた。なんだか盛り上がっているようだったので聞いてみると、悲鳴を上げながらも、物凄く美形な人に会ったのだと話してくれた。


………………そんなに美形な人なら、ノルマンディ家の可能性が高くないか?


ノルマンディ家は美形だらけの奇跡のような家で、元々の爵位も合わせると身分がかなり高い。

ノルマンディ家と関わりを持つことは、全貴族の憧れだ。先日うちの兄が、その憧れになったわけだけれど。


でも、ノルマンディ家と関わりを持つことは困難だ。主人は基本的に昔からの仲の人を贔屓する節がある。夫人はあまり家から出ない。長男は隣の国に長いこと留学している。三男はまだ子供だ。子供の段階で政治に巻き込もうとすると、主人に目を付けられる可能性が高い。


……次男は、謎としか言えない。社交界やパーティーには出ないし、正直顔も見たことがない。

本当は醜いという噂もある。でもノルマンディ家の次男であるからには、やはり顔は美形なんじゃないかと僕は思う。


考えていたって仕方ないか。ノルマンディ家の誰かがいるとするなら、見に行ってみよう。あわよくば知り合えたら最高だ。

王城に来たら行きそうなところは……図書館か?

ここの図書館はかなり大きいから、可能性が高そうだな。


スタスタと王城の廊下を歩く。周りからの嫌悪の視線にも慣れたものだ。

図書館……何回見ても大きい。この大きさだと人探しは難しそうだけど……。とりあえず近くの本棚の周りを探そうとした時________



……ん、目の前に人がいることに気付いた。入口付近で辺りを見回している人がいたみたいだ。

……貴族の服装だな。よし、何か困っているみたいだし、取り入るチャンスだ。声をかけてみるか。


僕は得意の作り笑顔を浮かべると、ゆっくりと近付き声をかけた。

「どうなさいました?」

僕が声をかけるとその人は僕の方を振り返った。

…………………………え、えっ、えぇっ?な、なんだこの人…………今までに見てきた貴族の比じゃないくらいの美形じゃないか!?


……手元に許可証のプレートがあるな。少しずつしか読めないが……。アルバート……、ノルマンディ……。やっぱりノルマンディ家の次男か。そうでもないと説明がつかない。


大当たりだ!1番繋がりが欲しかった所と会えるとは。兄上と会食をするくらいだし、僕とも話してくれる可能性は高い。次男だったところもラッキーだった。


僕がそんなことを考えていると、目の前の男は焦ったように

「っオリヴァー殿下においてはご機嫌麗しく……」

と挨拶をしようとした。


それを聞いた僕は、ここからどうやって好感度をあげるべきか考えて、返事をした。

今回短くてすみません。第一王子のように、ここから少し第七王子視点が続きます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ