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11.第二王子を口説く

すみません。昨日の部分は書く時間がなかったせいで下書きのまま投稿してしまっていたので、少々編集させていただきました!

椅子に座って更に見つめ合うこと数分。

ドアからノックの音がした。アンドリュー様が入れと声をかけると、使用人の人が顔を青くしながら入ってきた。


アンドリュー様と顔を合わせないように、俺の顔をじっと見てくる。だいぶ不敬、まぁいいけど。

というか最初、向かい合って椅子に座ってる俺を見てぎょっとした顔してたな。


「お、お食事でございます……」

おお、食事を運んできたのか。流石王城の食事……すごく美味そうだ。


使用人がひと皿ずつテーブルに並べていく。(なんだか急いでいるような気もする)

並べ終えると使用人は、すぐに退室の言葉を吐いて足早に去ってしまった。


ナイフとフォークを手に取りながらも、アンドリュー様になんと話しかけようかと、俺は思考を巡らせていた。するとアンドリュー様の方から、

「………誘っていただいたこと、感謝する」

とお礼の言葉が。それに思わず、

『いえ、私の方こそ、誘いを受けていただいて感謝致します。』

と即座に返す。しまった、会話を終わらせてしまった。せっかく話しかけてくれたのに。


俺が後悔しているとアンドリュー様が

「その、先程も言ったが、此処は公の場ではないし、普段通りの話し方でいい」

なんて言うものだから、

『アンドリュー様の前でそのような事は出来ません!』

と声を荒らげてしまった。


「それもだ、……アンドリューでいい」

とさらに難しい注文が。まぁいずれはそういう関係になるつもりでいるし、良いのか……?アンドリュー様がいいなら……。


『……分かった、アンドリュー』

結局折れたのは自分だった。王子でありこんな綺麗な顔に見つめられてやれって言われたらやるだろ!?そういうことだよ!!

「……!ああ。……ところでその、僕も、アルバートって呼んでいいのか……?」


僕?僕って可愛すぎないか??いいのか?その顔でその歳で僕って!!アルバートって呼んでいいかっていいに決まってるだろうが!!と内心荒ぶりつつも

『勿論。でも俺は、アルって呼んで欲しい』

顔を覗き込みながら愛称呼びをお願いする。アンドリューのことだって愛称で呼びたいんだぞ俺は!


「えっ、でも、それって愛称じゃ……。」

そこまで言いかけてアンドリューはグッと口をつぐむ。すると今度は泣き出しそうな表情になりながら口を開いた。


「今更だけど、僕の顔を見て、醜いと思わないのか。向き合って座っていたけど、気持ち悪くないか。」

本当に今更な質問だったけど、アンドリューがあまりにも真剣だったから、不安にさせないように返事をした。


『思わない。俺にとっては、すごく綺麗だ。』

ぽろ、

俺がそう言った瞬間、アンドリューの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。


「ほんとうに……?うぅっ……ぐす、」

言葉では疑いながらも、顔はとても嬉しそうだ。涙をどうにか止めようと、目を擦っている。目が腫れてはいけないので、俺はその手を優しく掴んで彼に答える。

『本当だ。お前のことを醜いなんて思わない』


「う、うっ……ぐす、ひっく、…………」

もっと泣き始めてしまったアンドリューを見守りながら、泣き止むのを待った。

『泣き止んだか?』

「あ、ああ……その、見苦しいところを見せた……」

気まずそうな顔をしているアンドリューに

『はは、お前って実は泣き虫なのか?可愛いな』

ふわりと微笑んで頭を撫でながら言う。


たちまちアンドリューの顔が紅く染まった。

頭に手をやり、ぷるぷると震えながらこちらを見上げる様が可愛い。

「な、な、……い、今……あたま……それに、か、かわいいって、」

『嫌だったならすまない。可愛いなって思ったら、思わず撫でたくなったんだ』

そう言うと更にアンドリューの顔が紅くなる。はは、なんか面白い。


「か、からかわないでくれ……!僕は慣れてないんだ、こういうこと……」

初心な反応が返ってきて思わずキョトンとする。

『からかってなんかない。けど、そう思われてるのか…』

わざとシュンとした顔をすると、焦ったように声を上ずらせたアンドリューが、

「ち、違う!…嫌なわけじゃ、ない……またしてほしい……」

とまた可愛いことを言った。


たどたどしくもそう告げるアンドリューに胸がきゅんとした。くっそ……超絶可愛いなこいつ…………。


あ、そういえば、

『ところでアンドリュー。結局俺のこと、アルって呼んでくれるのか?』

「え、あ、ああ…!……ア、アル……」

顔を赤らめて恥ずかしがりながら俺の名前を呼ぶアンドリュー。可愛すぎてどうしていいか分からない。


「そ、そうだ。僕のことも、リューって呼んでほしい……」

後に行くほど小さくなる声に愛しさを覚える。

『勿論だ、リュー』

俺はこの日1番の笑顔でそう言った。

書いてて物凄く恥ずかしい内容だな……


ちなみにアンドリュー王子の愛称は、ドリュー、デュー、リューのどれにするか迷いました。リューの聞き心地が良かったのでこれにしました。

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