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1.俺の状況把握

見てくれている皆。すまないがこの1話目は、俺が状況を把握するのに使わせてもらおうと思う。って、誰に話しているんだろうな。


…コホン、俺は田中累(たなか るい)。しがないサラリーマンだったはず…なんだが、仕事の接待で酒を飲みすぎてふらつきながら帰路についていたら車にはねられ……気付けばよく分からない世界に転生してしまったようだ。


ん?その割には冷静そうだって?そうでもない。ぶっちゃけ目覚めたばかりの時は心の中で叫びまくった。


えー、そしてこの場所についても少し考えた。

ここがどこかは知らないが、自分の部屋だと思う…。それに、窓から見える外に使用人がいることから、結構な金持ちではないかと。自分の容姿はまだ確認していないが、綺麗な黒髪が少しだけ目に入る。黒髪と言っても、毛先が深い青で染まっていて、明らかに日本人という色な訳では無い。


手は結構大きめなんじゃないかと思う。そもそも体格が大きめみたいだ。世間一般でカッコイイと言われる男の体型だと思う。


声も出してみた。うっとりするような低めのテノールで、クールな雰囲気の中に色気がある、そんな声だった。


肌もすべすべつやつやで綺麗だし、髪も手も声も綺麗だなんて、物凄いイケメンだと期待するのも仕方ないと思う。そのせいかな、部屋にある鏡を興味本位で覗いた俺がガッカリしてしまったのは。


鏡を覗いて見た俺の顔は可もなく不可もなく……と言った普通の顔だった。本当になんの特筆することもない顔……。3秒たてば忘れるような薄くて印象に残らない顔だ。


これには本当にガッカリしたが、雰囲気イケメンということにしておこう。


部屋には本棚があったので、この世界の常識を調べてみることにした。丁度良さそうな本を見つけたので読んだ結果、まず、この世界には男しかいないらしい。正直俺は前の世界では普通に女の子が好きだったのでこれに対してはどうしていいか分からない。


そしてもう1つ、この世界では普通顔こそが至高らしい。特に長所のない平凡な顔は、世界の均衡を保つことを連想するらしい。平坦というか、波がないというか……まぁ、そういうことらしい。そして逆に、主張の強い顔立ち……つまり、俺の世界でいうところのイケメンはかなり醜いとされるとか。理由は先程の通りだ。大きな目や高い鼻が世界に訪れる厄災を連想させてしまうらしい。


今となってはそんな理由を気にする人、知っている人などいないが、昔から醜いとされているので、醜いという感覚が染み付いているみたいだ。


ちなみに俺が気にしていた、顔以外の部分。手や髪や声に関しては、前世の美醜の通りみたいだ。手が大きいのはカッコイイし、声が低いのも色気があって良い。髪は何色でも良いとされているが、黒髪はかなり珍しいみたいだ。


さて、この法則に当てはめると、俺は超絶美形のイケメンってことになるんだが。嬉しいような嬉しくないような……。まぁ、平凡顔だけど、この世界でのイケメンなんだったらいいか。


とりあえず状況は把握できたけど、知識だけじゃなくて、この世界の人と直接話して見た方が良いよな。



俺がそう思っていた時、

コンコン

部屋の扉がノックされた。

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