14. 猪
猪
グイリ語 meito メート
レンゾ語 bnbezdw メド
ゲルギ語 qenea クェネア
ジェーイェー語 nye18 ニェー
カザベダ語 denedenwe デネデネ
海洋世界全域に生息する。長距離を泳ぐ能力をもち、島の間を行き来するようである。島ごとに少しづつ違った姿形をしている。猪は畑を荒らす一方で飼いならせば肉や乳などをもたらす。人に害をなす猪と恵みをもたらす猪を呼び分ける習慣もあった。今では一般的でない。
神話において異界の戦士を象徴する。猪の戦士たちは時に退治すべき敵対者となり、時に頼もしい助言者となる。人気が高いのはレンゾ語に言う Dywardmomdent デムガンである。
今やあまり行なわれないものの、動物犠牲を捧げる場合、水馬か猪を殺すのが一般的である。
飼われた猪の仔はグイリ語で forgga フォルガ、ゲルギ語で meserar メセラル、カザベダ語で magamwagwa マガマガと呼ばれる。
鳴き声はヴー Vvvv グー Gggg などと表されることが多いようである。
猪肉には、島ごとに素材の性質も処理の仕方も調理も味付けも異なるので、かなり多様な料理法がある。臭みを抜く処理の後燻製にしたものは保存食として好まれる。
今でも村落を守る戦士にとって猪狩りは重要な仕事の一つである。猪の角(グイリ語 seirga セルガ、レンゾ語 zkarmezgyg サラジュ、ゲルギ語 kergoima ケルゴミア、ジェーイェー語 yoz27 ヨーズー、カザベダ語 mwu denwe ム・デネ)の飾りをつけた戦士は、どこの村でも丁重に扱われる。都会でも強い者としてのアピールになるものの、土地によっては粗野な荒くれ者と見なされることもある。
森人(第七部「人類」中「森人」の項で記述)たちは猪に騎乗するという。信用ならないのが普通である森人についての伝承の中で、これは複数の独立した情報源で確認される。確度が比較的高いと思ってよい。猪に騎乗するのは体が小さく無毛人の半分程度だから、というのは俗説であろう。
猪というのは一般的にあまりいいイメージを抱かれるものではないようで、名付けに使うこともなく、家名に含まれることもあまりない。「猪を殺す」「猪の敵」という称号だったものが村名や家名に含まれることは偶にあるようである。
敵対部族などへの呼称として用いられることはある。その場合は古語を使うのが普通である。猪を意味する古語は現代語では別の動物を指すものと理解されることが多い。




