半ば捨て企画だったが、まさか続くとは
十二月某日。時刻は七時頃だったでしょうか。すっかり日が落ちた静かな道を歩いていると、空をオレンジ色の光がゆっくりと横切りました。色はこの間見たものと多分同じで、光の強さは一定でした。点滅せず瞬いたり揺らいだりもせず、音もなく一直線に山の方向へと姿を消しました。
光の強さはこのあたりで見える一等星よりやや強いくらいです。
また、その数十分後に今度はとても小さな動く光が現れました。こちらも一定の速度と光量を保ち真っすぐに移動し、しばらくすると姿を消しました。
その後高度の低いヘリコプターやいつもの飛行機がいくつか通り過ぎてゆきました。
実はゆっくりと移動するオレンジ色の光は十年程前にも見たことがあります。
よく光る星だなぁと思いながら眺めているとそれがじわじわ動いていることに気付き、「なにこれ?」と釘付けになりました。そしてそれは山の方へと飛び去りました。
私はこれを「UFOかもしれない!」と思いましたが、不規則に光ったり変な動きをしたりせずおとなしくて地味なので、判断に迷いました。
もしかしたら飛行機の一種かもしれないし、調べてハッキリさせようかとも考えたのですが、せっかくUFOかもしれないものを見たのに夢とロマンがつぶれるのが嫌だったので、あやふやなまま終わらせておきました。
今回もロマンはロマンのままそっとしておこうかと思いましたが、少し調べたり考えたりしてみることにしました。
前回出会ったUFOは不規則な動きと光量の変化を見せてくれたし、光は一時町明かりよりも強かったので、間違いなく本物でした。
(手前に湖があり対岸の町明かりが遠くに見えています。)
なので他の飛行物体がUFOじゃなかったという結論が出ても、夢が消える訳ではないし、まぁいいかな……と思ったんです。
まず、このあたりには空港はなく、高度の低い飛行機が通過することはありません。東京のあたりに行った時に見た離陸直後の飛行機は点滅しない強い光に見えることがありましたが、このあたりでそれを見ることはないです。
次にヘリコプターの可能性ですが、ここは静かなのにオレンジさん(仮称)からは音が全く聞こえないので、ヘリコプターではなさそうです。
ヘリコプターも飛行機も通れば少し形が見えますが、オレンジさんはただの丸い光です。一見動く星に見えますが、星は瞬くので星とも雰囲気が違います。
そしてその他の飛行物体について調べてみると、人工衛星は肉眼でも見えるという情報がありました。朝や夕方に太陽光を反射するため、一直線に動く光に見えるそうです。
もしかしたら、動く小さな光は人工衛星だったかもしれません。でもオレンジさんを見たのは夕方というより完全に暗い夜だったし、反射にしては強く大きな光で自ら発光しているように見えるので、やっぱり何だか分からないです。
その他のものの可能性もありますが、ネット上に「点滅しないオレンジの光はUFOだ」という情報があったので、そっちを信じることにしました。
正体不明のミステリアスなものに惹かれるので、正直「UFOを見た!」ってことにしておきたいです。
やっぱり空はロマンがあって良いですね。以前流星群を観察したのですが、流れ星も素敵でした。虹も好きだし、日暈や水平環っぽいものを見たこともあり、何か見かけるとすごく嬉しいです。勿論通常の月や星も好きです。
次は是非、見たこともない動きをするUFOに会いたいです。そしてカメラの使い方を覚えて映像に収めてみたいです。でもせっかくなので、珍しいものに遭遇したら目でしっかり見て記憶に焼き付けておきたいという気もするし、出会ってもいないうちから迷ってしまいます。
(そもそもハイテクな機械に弱いので、動画を撮ったりそれをネットに上げたりはできそうにないですが。)
とにかくこれからも、出会いを大切にしながら楽しみたいです。