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女神様の美容師  作者: 獅子花
美容師 異世界に行く
58/321

58.美容師~マリーの冗談に恐怖を感じる

 

「カードの更新はしますか?」


 もう怒ってないですよ、と告げるかわりに、優しい口調に戻ったので安心して顔を戻した。


「うん、お願いするよ」


「見てもいいですか?」


「もちろん、どうぞ」

 


 ==


 名前 ソーヤ・オリガミ

 種族 人間 男 

 年齢 26歳

 職業:    

 レベル:1

 HP:20/20

 MP:20/20

 筋力:16

 体力:16

 魔力:16

 器用:32

 俊敏:18


 スキル:採取《Lv4》、恐怖耐性《Lv2》、身軽《Lv1》、剣術《Lv3》、聴覚拡張《Lv3》、気配察知《Lv1》、投擲《Lv2》、集中《Lv3》、忍び足《LV1》、脚力強化《Lv1》、心肺強化《Lv1》、精神耐性《Lv1》


 称号:


 ==


 《調色》スキルがない。

 やはりユニークスキルに分類されているのだろう。

 僕がこのスキルを獲得できたのは、普段カラー剤の調合をしていて、経験値が持ち越されているから調色の才能があったということか?


「……またこんなに増やして……そもそも《忍び足》ってなんですか? 暗殺者ですか? それに《脚力強化》に《心肺強化》、《精神耐性》まで……ソーヤさん、、どれだけの修羅場を潜ったんですか?」

 

 怒っているかと思ったら、心配されていたのか、マリーの目が涙ぐんでいる。

 

 《精神耐性》はリリエンデール様の加護の弊害なので、マッドウルフは関係ないんだけど……そんなこと言えるわけはないので、


「まぁ、それなりに大変だったよ」

 

 曖昧に答えるしかなかった。


「それにしても、やっぱりレベルが上がってないですね。マッドウルフを2匹も倒したのに、レベル1のままなんて、明らかに異常ですよ? ギルマスに報告しておきますね」


「ああ、よろしく頼むよ」

 

 この問題の原因はすでに判明しているけれど、教えるわけにもいかないので、深刻そうな表情を作っておいた。

 うまくできているかは別にして。


「大丈夫ですよ! ここではわからなくても、冒険者ギルドの本部ならきっと原因がわかるはずですから。そんなに気を落とさないでください」

 

 どうやら、やりすぎてしまったらしい。

 マリーの気遣いに心苦しくなる。


「ありがとう。でもそのうち、貯まっていたレベルが一気に上がったりしてね」


「そうですね、そんなこともあるかもしれませんね」

 

 そんなことあるわけがないとわかっていても、僕の冗談のような言葉にのっかってくれるマリー。

 なんとも優しいものだ。

 

 騙しているようで、いっそノートを見せて全てを話してしまおうかと悩む。

 

 悩むが……今はまだやめておこう。

 信じてもらえず、また平手打ちを食らうのが嫌なのだ。

 

 そうだっ!

 僕はまだマリーに謝罪をしていなかった。

 ので、


「マリー、今朝はごめんね。ちょっと冗談が過ぎたみたいで」


「今朝? ああ、そのことならもういいんです。わたしもとっさに叩いてしまって、すみませんでした。痛くなかったですか?」


「大丈夫だよ。僕だってこれでもFランクの冒険者なんだから、あのくらいどうってことないよ」

 

 強がってみせるが、本当は結構痛かった。

 体がというよりも、主に心の方が。


「ならよかったです。今度からは遠慮せずに避けてくださいね」


「う、うん。そうさせてもらうよ」

 

 今度からは避けてください?

 僕はこれから何度、マリーに叩かれなくてはいけないのだ?

 

 思い悩んでいると、マリーの肩が小刻みに揺れだした。

 手の平で口元を押さえて、笑いをかみ殺している。


「ソーヤさん、冗談なんですから、真剣に返さないでくださいよ」

 

 冗談か……仕返しをされたということなんだろう。

 マリーなりに、和ませてくれようとしたのかも。


「うん、でも本当にごめんね。今後は気を付けますので」


「そうですね。今後は変な冗談を言うときは気を付けてくださいね。次はパーじゃなくて、グーですからね?」

 

 にっこりと微笑むマリー。

 これも冗談だよね? 

 えっ、違うの? 

 どうなの?

 

 いくら待ってもマリーの口からは、冗談ですよ、の言葉が出てこなかった。

 僕も、怖くてそれについては触れられず、二人で微笑みあってその日は別れることに。

 

 《観察》スキルを上げよう。

 しかも早急に!

 心のノートに重要! 赤ペンでメモをした。



いつも読んでいただきありがとうございます。


誤字脱字、ご指摘頂けると助かります。


感想や評価等も頂けると嬉しいです。

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