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女神様の美容師  作者: 獅子花
美容師 異世界に行く
49/321

49.美容師~女神の加護の恐ろしさに気がつく

 

 今度はノートを出してステータスの確認でもするか。

 コンパクトになって持ち運びもスムーズだし、誰かに覗かれにくくなって安心仕様だ。


 ==


 名前 ソーヤ・オリガミ

 種族 人間 男 

 年齢 26歳

 職業:    

 レベル:1

 HP:20/20

 MP:20/20

 筋力:16

 体力:16

 魔力:16

 器用:32

 俊敏:18



 テクニカルスキル:シザー7 200/???

 《Lv1》カット


 ユニークスキル:言語翻訳《/》、回転《Lv4》、観察《Lv3》


 スキル:採取《Lv4》、恐怖耐性《Lv2》、身軽《Lv1》、剣術《Lv3》、聴覚拡張《Lv3》、気配察知《Lv1》、投擲《Lv2》、忍び足《Lv1》、集中《Lv3》、脚力強化《Lv1》、心肺強化《Lv1》



 称号:女神リリエンデールの加護


 装備:カットソー、ジーンズ、シザーケース、腕時計、短剣、ナイフ、革の防具一式、黒曜の籠手


 ==


 シザー7自体にレベルがあるってリリエンデール様が言っていたな。

 だからレベル1の場所に、スキルカットが表示されているのだと。

 

 それに200の数字は経験値を表しているんだっけ。

 横の???はなんだろう。

 次のレベルに上がる為の必要量か?

 

 レベル2になったら新しいスキルを覚えるのか?

 疑問点が増える一方だ。


 まずは、経験値取得の方法を探すしかないな。

 あの時の頭の中の言葉では、足りない経験値といっていたから、少しは経験値を稼いでいたはずだろうし。


 単純に戦闘で使用するのがわかりやすいか。

 それとも、僕の獲得した経験値の半分をシアンが分配して受け渡すって話もあったな。

 なら、何もしなくてもいいのか。


 それに気になるのは、僕が経験値を稼ぐ前から、アンジェリーナは能力を持っていたらしいし。


【気になります!】


 頭の中で声がした。

 

 マズイ、このままではリリエンデール様みたいに答が出るまで考え込むことになりそうだ。

 頭の中から追いだそうとするが、段々声が大きくなってきた。


【気になります! 気になります! 気になります!】


 なんだこれ!? リリエンデール様の嫌がらせか?

 それとも、誰かに攻撃を受けているのか?

 気になります! が鳴り止まない。


 ポーン、音がする。


【スキル 精神耐性を獲得しました】


 同時に、気になります、が小さくなった。

 この隙に、何か違うことを急いで考える。

 

 何か……何か……ダメだ、焦って考えれば考える程にシザーのことばかり浮かんで来る。

 他のこと他のこと……必死に探していると徐々に声が大きくなりはじめた。


【気になります! 気になります! 気になります!】


 頭の中で鳴り響く。


 誰か……リリエンデール様、シアン、アンジェリーナ……誰でもいいからこれをなんとかしてくれ!


 ポーン、


【スキル 好奇心耐性を獲得しました】


 とたんに音が鳴り止む。

 

 ……好奇心耐性ね……称号を見てもしやとは思っていたが、やっぱりリリエンデール様のせいだったか。

 才能と好奇心を司る女神だったもんな。

 

 才能の加護は嬉しいけど、好奇心の加護はいらない。

 なんとかして取り払ってもらえないだろうか。


 まぁ、好奇心耐性のスキルも獲得できたし、しばらくは大丈夫かな。

 安心したのも束の間、僕は女神の加護を侮っていたことを知る。


 ピッピッピ、頭の中で音がした。

 

 初めて聞く音だ。

  

 何が起きるんだ……、



【女神リリエンデールの加護により、スキル好奇心耐性が打ち消されました】


 なん……だって……。


 好奇心の加護はスキル好奇心耐性を認めないということか!?

 

 幸い、気になります! は聞こえないが、精神集中の為にもシザー7を抜いて練習をすることにした。

 

 戦闘で使用はしたが、本来のシザーの開閉練習を昨夜はしていなかったのを思い出したのだ。


 

 座ったままで顔の前にシザーを横向きに構え、ゆっくりと1回開閉させた。

 

 シャキンッ、良い音。

 

 うん、動刃と静刃の歪みもなさそうだ。


 

 集中して100まで繰り返し、シザーケースに戻した。

 

 出しっぱなしだったノートもしまおうと手に取り、何気なく目を落とすと、僕はあることに気がついた。


 ==


 名前 ソーヤ・オリガミ

 種族 人間 男 

 年齢 26歳

 職業:    

 レベル:1

 HP:20/20

 MP:20/20

 筋力:16

 体力:16

 魔力:16

 器用:32

 俊敏:18



 テクニカルスキル:シザー7 300/???

 《Lv1》カット


 ユニークスキル:言語翻訳《/》、回転《Lv4》、観察《Lv3》、好奇心耐性《Lv1》


 スキル:採取《Lv4》、恐怖耐性《Lv2》、身軽《Lv1》、剣術《Lv3》、聴覚拡張《Lv3》、気配察知《Lv1》、投擲《Lv2》、忍び足《Lv1》、集中《Lv3》、脚力強化《Lv1》、心肺強化《Lv1》、精神耐性《Lv1》



 称号:女神リリエンデールの加護


 装備:カットソー、ジーンズ、シザーケース、腕時計、短剣、ナイフ、革の防具一式、黒曜の籠手


 ==



 シザー7の経験値が増えている。

 

 何故? 

 いや、わかっている。

 シザーの開閉をしたからだ。

 それしか考えられない。


 そもそも、経験値だと決めつけていたが、この数字はシザーの開閉回数のことじゃないのか?

 

 しまったばかりのシザー7を抜き、先程と同じように開閉させる。

 

 ノートの数字は……300。

 変わっていない。


 おかしい。

 念のため、追加で5回。

 

 数字は300のままだ。

 開閉回数じゃないのか?

 

 わからない。

 ますますわからなくなってきた。

 

 考えすぎて、甘いものが欲しくなってくる。

 果実水、お代わりが欲しいなぁ。

 

 そういえば、牢屋番の男はいないけど、どこに行ったんだろう?




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