3 ステータスを見る~
本城 桜
女神『アポネシアの使い』
強さ そこそこ
状態 普通
スキル
装備・アイテム作成 8
属性魔術 5
精霊魔導 3
錬成術 2
モンスターテイム 1
ギフト
アイテム鑑定眼
相手をちら見
異世界言語
異世界知識
えと…… これが私?
全然わかんない。あんまりゲームした事が無いからかなぁ?
みんな理解するのかな…… いやそんな訳ないでしょ。
まず、強さの欄…… そこそこじゃないでしょ。
普通、攻撃力とか防御力とかじゃないの?
スキルもさっぱりだし。
魔道?魔術となんか違うのかな?
そもそも精霊や属性って……
アポネシア様てのがこの神様の事かな?
今更ながら名前を知った。
普通最初に名乗るよね。まぁ神様だし常識無いのかも。
「桜、その顔は全て分かったような顔ね。話が早くて助かるわ」
「いや、すみません全然分かりません」
「はぁ~」
うわぁ、露骨なため息だ。
え? 普通分かるの、絶対分からないでしょ。
むしろこの顔で、どこをどう見たら全てが分かった顔のように見えるのよ。
ほんとに神様なのかなぁ……
「どこが分からない?」
「えと、上からいきますけど、神様がアポネシア様?」
「え! そうよ、今まで知らなかったの?」
そりゃそうでしょ。
自意識過剰? そんなに知名度無いと思うよ。
「桜は私の『使い』だから、桜の夢枕に立てたり、能力に対しても恩恵を与えたりできるわ」
「は、はぁ~。ありがとうございます」
「全然嬉しそうな顔して無いけどこれってすごい事だから」
「い、いえ! 光栄です」
よく分かんないけど、すごい事…… なのかな?
ここでアポネシア様の機嫌を悪くさせてもしょうがないし、よく分かんないけどご機嫌とっとこ。
「アポネシア様の使いなんて素敵です♪」
「あらぁ~♪ 桜にも分かっちゃう?」
「そりゃそうですよ! で、精霊魔導と属性魔術ってなんですか?」
「もぉ、急ぐのねぇ。まずは精霊魔導、精霊を使う魔道ね」
「はぁ、全然分かんない」
少々めんどくさそうな神様から、魔法について教えてもらう。
あんなに自分の使いの時はうれしそうだったのに……
精霊と属性魔法の違いは、精霊魔法は精霊から力を借り、属性魔法は自分の魔力と引き換えに魔法を起こすみたい。
魔法→魔術→魔導という順番で、威力も上がるみたい。
さらに魔導はほとんど自分の魔力を使わず、体外にある魔力を取り入れて現象を起こすみたい。
魔術は半分半分、魔法はほぼ自分の魔力らしい。
魔導は属性魔法系には無いみたい。
うん! かなり強いね…… これで反則じゃないなんて。
「でも、精霊魔法系は使い勝手悪いかも」
「え? そうなんですか?」
「周りに使っている人がいれば、順番待ちになっちゃうし」
「あ、なるほど」
「属性魔法は例えば火の玉で攻撃したいなら『Fire ball』と言いながらイメージするの」
「ふむふむ」
「この時の魔法の文字数が少なければ少ないほど、練度の高い魔法にもなるけど複雑な魔法にするにはやっぱりそれなりの文字数になるわね」
う~ん、別にFireballみたいに沢山文字を使わなくても、『火の玉』もしくは『火球』で、いい気がする。
「ちょっと試していいです?」
「ここで? まぁいいけど私に向かって撃たないでね」
「あ、はい気を付けます」
おへその辺に何か温かい力を感じる。
多分これが魔力ね。魔力を火の玉に変換するイメージ
『火球』
あ、思ったよりでかい火の玉が出来て飛んで行った。
結構簡単だ。
「ん? 今の文字は桜の世界の文字?」
「はい、そうです。漢字という文字を使いました」
「なるほどね、イメージもしやすくて、文字数も少ないから魔法に相性のいい文字ね」
やっぱりそうなんだ。
「桜の魔法なら、こっちの世界でも結構強めかも」
「そうなんですね、後はアイテム作成とかの事も聞きたいのですが……」
「ちょっと待ってね」
そういうと、アポネシア様は私の頭に、光の球を入れてくる。
ビックリして身構えたけど、なんか暖かい気がして受け入れる。
頭の中にどんどん知識が流れてくる。
あぁ~なるほど、こんな感じなのね。
「どぉ? これで分かった」
「はぁ、大体は」
「そんな事よりも、大切なことがもう一つあるわ」
「はぁ」
いきなり頭の中に膨大な知識が入ってきたから、しばらく整理したいのにせっかちだなぁ。
でもすごい真剣な顔をしてる。
「結構大切な事だからちゃんと聞いてね。これが今の…… というかこれから桜の魂が宿る体ね」
アポネシア様が、目の前に光の魔法で鏡のような物を出す。
え? これが私、髪の毛が金色で目が紅い。
なにこれ…… なんか気持ち悪い。
とても綺麗な顔だけどこれが私? お腹の底から不快感がこみ上げてくる。
なんか体が私を拒否してるみたい。
「桜! 桜……」
だめだ、どんどん声が遠くなる。
女神様の顔がぼやけ視界が白くなる……