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時代遅れの女神様からの贈り物 改訂版  作者: 白ヤギ
2 ありゃ、異世界にきっちゃたかも
11/17

11 魔物が沢山だぁ~

 まぁ、頼まれる事は十中八九魔物の事。

いるのは確実だしね。

この大群はいいんだけど気になるのは大きい方……

あれはなんか私より強いかも。


「え~と、その魔物をやっつけたらいいんです?」

「何を言っておる……無理に決まっておるだろ、そんな事。

 すまぬが逃げる間だけでも時間を稼いでくれればよい」

「婆様! 何をさっきから言ってるんだ!」

 

う~ん、この婆さん私に危ない事させようとしてるね。

しかも自分達は先に逃げるなんて、嫌だねぇ~。

確実に勝てないと思って、足止めの捨石になれと。

まぁ、別にいいけど。

こんな感じなら見捨てて逃げる時、心があまり痛まなそうだし。

実際はわかんないけど。


「俺が残るから、桜さんも一緒に逃げてください」

「う~ん、別にいいよ? 足止めで魔法撃つくらい」

「桜さん……分かってます? 殆ど無駄死になる可能性が高いんですよ?」

「でもアレンも残るんでしょ?」


 まぁなんだかんだで。アレンはいい奴ぽいしね。

これでイケメンだったら、もっと良いんだけど……

でもイケメンだったら性格悪くなるやつかも? ならこのままでいっか。 

しかし、アレンも自分が死ぬとわかってるのにその歳でよく残るなんて言うね~。

「お婆さん達も早くいけば? 逃げるんでしょ?」

「バカを言うな! わしらは残って少しでもみんなが逃げる時間を作らなくてわ……

 逃げるのは子供や若者達だけじゃ」


 あ、そうなんだ。

でも私もアレンも若者なんだけど……

まぁそうゆう事のが、燃えるね! 燃えるけど危なかったら逃げるけど……

まぁ、逃げるついでにお婆ちゃん達も一緒に転移したらいいね。


 他の村人を、逃がす準備する。

尤も魔物がこの村を襲わず、迂回して行く可能性もあるのだが。

それでも真っ直ぐ村を通って犠牲になるなら少しでも足止めと思い、村に油を巻く。

アレンが、桜の魔法の凄さを語っても誰も聞く耳を持たない。

それどころか、村出身のアレンに逃げる者を先導して自分も逃げろと、説得される。

それを頑なに拒否をする。

アレンの心の中では、桜がいれば何とかなるかもという一抹の希望がある。

村に関係ない桜が手伝ってくれるのに、なぜ自分が逃げれる。

重たい村の空気の中飄々と作業を見守る桜。

何か思いついたように、アレンに声をかける。


「アレン? 村に油巻くくらいなら、なんだっけあれ……城とかの周りにある穴……」

「なんでしょうね? 婆様に聞いてきましょうか?」

「いやいいよ、イメージ出来てるから」


 探索魔法によるとあっちからくるんだから、あの辺に穴掘ればいいね。

名前なんだっけかなぁ……NHKの番組で見たんだけどなぁ。

堀? 堀であってるっけかな?


「アレン、堀てわかる?」

「あ、分かりますよ。

 お城の周りに穴掘って水とか張って侵入者……あ! 桜さんが言ってたのは堀のことですか?」

「何バカにしてるのよ! 『吹き飛ばし(最弱)』」

「わぁぁぁぁ~」


 やっぱ掘りであってるのね。なんとなくアレンを吹っ飛ばしちゃった。

でもなんかものスッゴクバカにした目で見たもん。

マーキングしてるから……『遠隔回復リモートヒール

もぉ! 仕事増やさないでよね。

穴掘り……英語分かんないね。まぁ漢字だからいいんだけど。

でも漢字を思い浮かべ、英語名の呪文名。これがかっこいいと思ってたのに。

ホール? これは穴か? 穴を掘る……ホールを掘る? え?

チゲ鍋が鍋鍋みたいな事? 違うか。

マンホールのマンてなんだろ……あ~気になる!


「桜さ~ん、なんかいきなり突風が吹いたと思ったら今度は優しい光が降り注いで……

 この辺は危ないかもしれないです!」

「チッ」


 あ、思わず舌打ちしちゃった。人が真面目に考えている時に……

あんたが危険に感じてるのはきっと私だよ!

「でも堀を作るなんて無理ですよ? 俺達を除けばほとんど老人ですし……時間も無いです」

「それは問題ないよ、堀作っちゃてもいいの? お婆さん達に怒られる事は無い?」

「それは大丈夫だと思います」


 そっか、じゃあいいんだね。

あの程度の魔物ならそもそも、堀なんて必要なさそうだけど……

まぁあった方が見た目的に安心感があるし、誰かが先走って村に火を放つのもなんかね。


『穴掘り(あなほり~)』


 桜が気軽に呪文を唱える。

すると目の前に幅100m、奥行き深さ10mほどの穴が一瞬で出来上がる。

掘る際に出た大量の砂を桜は風で吹き飛ばしたため、遠くの方で砂嵐が起きる。

その光景に、アレンは希望と同時に恐怖を覚える。

もし桜が、こちらに悪意を持って攻撃してきたら誰か止めれる人間はいるのだろうかと……

今は味方だが、もし敵になる事があるとしたら……

それでも、桜と出会えた幸運が村を救える事に繋がるとそう信じて。


「うし、これに精霊に頼んで水を張ってもらって~♪ 錬金術で~油に変えるぅ~♪」

「……なんです、その歌?」

「いちいち惚れるなよ……」

「いや、惚れないですけど。

 水を一瞬で……しかも油に変えたんです?」


 なんだ、分かってるなら聞かなくていいじゃん。

もぉ、私としゃべりたいのかな?


「そんな事より……そろそろ来るね」

「分かるんです?」

「うん、多分あと10分くらいで」

「10分?」

 

 10分て言っても分かんないか。

まぁいいや、お婆ちゃん達もこっちに来て私が作った堀を見てなんかがやがや言っている。

えと……武器ってその鍬や竹? 


 気を取り直して私は、魔力を練る。

沢山敵がいる時の魔術、一個すぐ思いついたのがある。

あれも、早苗サナが熱心に見てたアニメだったな。

うし! 頑張ろ。

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