俺と幼馴染4
人気の無い校舎裏まで来ると、シャーリーは俺の腕を放し、振り返って、噛みしめるように言う。
「僕、学園、退めるよ。もう、耐えられない」
突然のことに俺は驚いた。
「退める? 耐えられないって、どういうこと?」
言いながら、このところ学園でシャーリーに避けられているような気がしていたことを思い出す。
いつも席にいるシャーリーが時々姿を消していた。
授業が全て終わるまで眠って過ごすシャーリーが、だ。
何をしに学園に来ているんだろう?
・・・いや、それは今、問題じゃない。
「ゴミや水が降ってくる。悪ければゴミ箱やバケツも一緒に」
「!!」
自然にあることじゃない。
誰かがシャーリーを狙って嫌がらせをしているんだ。
シャーリーは嫌悪に顔を顰め、やや前の足元を見ながら言う。
「あいつら外でも廊下でもしてくる。外の時は植木鉢やプランターまで落ちてきた。あれは死ねるよ、普通に」
「・・・」
俺は何も言えなかった。
シャーリーは俺に何も言わず戦っていた。
俺はソレに気付かなかった。
一番の親友で、幼い頃から互いの家を行き来して兄弟同然だというのに、シャーリーが一人で戦っていることに気付かなかった。
俺はシャーリーのことを何でも知っていると自惚れていた。何も知らないというのに。何も気付かなかったというのに。
俺は馬鹿だ。
「それもこれも、ロロが全部悪い!!顔が良すぎるのも!魔法が得意なのも!定期テストで万年首位なのも!全部!!!」
俺はソレを聞いて、呆れた目をしてしまった。
「は?!XXXXがヒトより顔も、魔力も、知能も優れているのは常識だろ」
「それはお前のファンに言え!!僕のような顔も能力も三流の奴がお前の側にいるのが気に食わないんだとさ!」
ファン?
シャーリーが三流?
思わず俺の目がすわる。
「何だよ、ソレ? 何様なワケ?」
シャーリーは呆れて言った。
「(XXXXの種族特性も知らない)馬鹿女だよ」
XXXXはヒトとは思えないほど、整った容姿をしているので一目で判別できる。
ホント、学力か財力が在学資格となる高等教育機関だけに、学生もピンキリだ。俺やシャーリーのように一定の学力が無ければ在学資格の無くなるタイプと、学力が無くても財力で在学資格を持っているタイプ。
「そいつら退めさせるから、退めるなんて言うなよ」
自称ファンだとかいう、奴なんかどうだって良い。
俺がこの学園で気にしているのは、シャーリーだけだ。
腹が立つあまり、俺の声も低くなっていたのだろう、シャーリーは顔色を変える。
「脅さなくていい!」
俺の発言より明らかに過激になっている。
ファンなら俺の言う通り、学園を退めてくれると思うのだが・・・。
「じゃ、一緒に退めるわ。そういう奴らの顔も見たくないし。親のコネで就職先もあるし。一緒に雇ってもらえるよう、話、付けとくわ」
誰が何と言おうと、俺はシャーリーの顔を毎日、見ていたい。
コレで万事解決。




